メニュー

2017.07.08

大人気「iDeCo」で失敗しない4つのポイント|「口座管理料なし」に飛びついてはいけない

東洋経済オンライン

ブームになりつつある「IDeCo」、もう始めましたか? 失敗しないための「4つのポイント」とは?(写真:ふじよ/PIXTA)

参照元:http://toyokeizai.net/articles/-/178253?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

ブームになりつつある「IDeCo」、もう始めましたか? 失敗しないための「4つのポイント」とは?(写真:ふじよ/PIXTA)

最近は個人型確定拠出年金(=iDeCo)がブームになりつつあります。原則として、2017年1月からこの制度は誰でも利用できるようになりました。そのため、一挙に加入者の数が増え、昨年末の加入者約30万人が、今年の5月末では50万人となっています。

なぜiDeCOを利用するとき、金融機関選びが大事なのか

それまでの15年間で到達した加入者の約7割(20万人)が、たったこの5カ月で増えたことになりますから、ものすごい伸びです。おそらくは、今後も拡大傾向が続くと思われますので、今後iDeCoに加入しようと検討している人も多いだろうと思います。そこでぜひ気をつけていただきたいことが1つあります。それは「どこの金融機関(=運営管理機関)を利用するか」ということです。

iDeCoを利用する人は、自分で運営管理機関を選ぶことになるわけですが、この運営管理機関を選ぶということはiDeCoを始めるうえで非常に重要です。なぜなら、「各業者によってサービス内容と価格、商品の質や種類がかなり異なる」こと、そしてもし「その運営管理機関選びに失敗しても、さまざまな理由で運営管理機関を変更することが難しいこと」、という2つの理由があるからです。したがって最初に選ぶ際に慎重に検討することが大切です。

ところが、どこの運営管理機関を選べばいいかについて、一般の人はあまり情報を持っておらず、知名度や宣伝文句だけにつられて選んでしまうこともしばしばです。また「口座管理料が無料」ということで安易に選んでしまうことになりがちですが、これはそれほど単純な話ではありません。そこで具体的にどうやって運営管理機関を選べばいいのか、そのポイントをお話ししたいと思います。

ポイントは4つあります。まず初めは「運用商品の種類」です。これは分散投資を行うために十分なカテゴリーがそろっているかどうかです。かつて一部の運営管理機関の中には極端に商品カテゴリーが偏ったプランがありましたが、これは好ましいことではありません。長期に資産を運用しなければならないiDeCoにとっては、分散投資がきちんとできることが大前提だからです。商品数は必ずしも多い必要はありませんが、一部のカテゴリーだけに偏った商品しかないような運営管理機関は最初にふるい落とすべきでしょう。

最重要なのは、残高に応じて増える運用商品の手数料

次に「運用商品の手数料」です。もし、上記のように種類の条件を十分に満たしているのであれば、この運用商品の手数料こそが最も重要なポイントだといえます。具体的には、投資信託の信託報酬(=運用管理費用)が多いか少ないかということです。iDeCoのように長期にわたって運用することになる制度では、この運用管理費用の金額は、運用成績に与える影響がとても大きくなるからです。言うまでもなく、これは安いほうがいいに決まっています。他と比較して考えることは必須といっていいでしょう。

そして3つ目が「サービス内容」です。Webやコールセンターの使い勝手のよさ、そして最近では一部の運営管理機関で対面による説明をしてくれるところもあるようなので、こうしたサービスも運営管理機関を選ぶときの重要な基準になるといえるでしょう。特にiDeCoの場合、いつでも店舗に出掛けて相談ができるという金融機関はあまりありませんから、コールセンターなどが夜間や土日祝日なども運営されているかどうかは、加入者にとって重要です。

そして最後が「口座管理手数料」。これももちろん安いほうがいいのは当然です。ただし、「運用管理費用」とこの「口座管理手数料」のどちらをより優先すべきかと考えた場合は、前者を優先すべきだと思います。

なぜなら、この口座管理手数料は定額なので、初期の資産が少ない段階では割高に見えますが、資産が積み上がっていくとそれほどの負担感はなくなります。これに対して、運用管理費用などは残高が増えていくにしたがって絶対額も増加していきます。したがって、長期間にわたる運用を考えた場合は運用管理費用をより優先して考えるべきだ、と私は考えます。多くの評論家や雑誌ではこの口座管理手数料のことだけを取り上げがちですが、私は4つの中ではこれはそれほど重視しなくてもいいと思っています。

特に最近は口座管理手数料が無料というところも増えてきていますが、すべてが無料になるわけではなく、国民年金基金連合会や信託銀行に払う手数料がかかることは知っておいたほうがいいでしょう。

システムの安全性が担保されているか見定めるべき

また最近では、某ネット証券で障害が起きて「料金の二重徴収」といった問題も発生しています。単純な株式売買や投資信託積み立てといったシンプルな取引であればコストの安いネット証券を利用するのがいいと思いますが、iDeCoのような非常に長期にわたって運営していく制度においては、膨大な加入者データの処理や将来の年金の給付といった場面でシステムの安全性がきちんと担保されているかどうかはしっかり見定めるべきだろうと思います。単に「口座管理手数料が安いから」という目先の損得で選ぶべきではないでしょう。

実は、昨年の今頃は、私は運営管理機関選びをあまり急ぐ必要はないと主張していました。なぜなら、2017年の1月からの制度拡大に合わせて各社の競争が激しくなり、運用管理費用や口座管理手数料の引き下げが行われるだろうと予測していたからです。

事実、この1年ほどの間に大手金融機関からネット証券に至るまで手数料などのコストはかなり大幅に下がり、それほど大きな差はなくなってきました。しかしながら、サービス内容ということになるとまだまだ差があるように思います。

最後に代表的な運営管理機関の比較サイトを2つ挙げておきます。これらなどもよく研究して、4つのポイントを念頭に、運営管理機関を選ぶことをお勧めしたいと思います。

(ご参考)運営管理機関比較サイト

iDeCoナビ

(サイト運営:特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会)

個人型確定拠出年金ガイド

 (サイト運営:モーニングスター株式会社)

記事画像

大江 英樹:経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します