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2017.04.27

1日に必要な歩数は何歩?生活習慣病を予防するための”歩く習慣”

kencom編集部

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「歩くことは健康にいい」とはよく聞くフレーズ。もはや筆者ですら耳タコです。そもそも毎日朝起きてから夜寝るまでの間、特殊な事情がない限りは”歩く”という動作をしているはず。それなのになぜ、もっと歩かなくてはいけないのでしょうか?「歩かないとどんな影響があるの」「あとどのぐらい歩数を増やせばいいのか」といった疑問もありますよね。

そこで今回は厚生労働省が掲げた指針や研究データを参考に、「歩くことの大切さ」について紐解いていきます。そこで分かったのは、思わず眉間にシワが寄りそうな事実でした。歩数計を片手に、ぜひご一読ください。

今、みんなの歩数が減っている

便利な世の中で普通に暮らすと歩数不足に

厚生労働省が2014年に行った「国民健康・栄養調査」において、20代~70代までの人たちの1日あたりの平均歩数が算出されました。それによると男性7043歩、女性6015歩と、1997年と比べると約1000歩も減少する結果に。中でも顕著だったのが20代~50代の働き盛りの人たちの歩数が減っていることです。

こうした背景には、家の前から車で通勤したり、デスクワークの人が増えたり、インターネットショッピングの普及により買い物にも出ないなど、ライフスタイルの変化によって歩く必要性が低くなっていることが挙げられています。日本では以前から運動不足が懸念されていましたが、日々の身体を動かす量(身体活動量)がさらに減少することで、生活習慣病をはじめ様々な健康リスクを引き起こすと言われているのです。

健康に必要なのは1日8000歩!?

ここで歩数の目安を把握しておきましょう。厚生労働省が提唱しているのは1日8000歩です(注1)。生活習慣病の予防を念頭に置くなら、18歳~64歳の健康的な人で8000~10000歩に設定されています。歩数不足によって肥満だけでなく、筋力低下を引き起こし加齢とともに脚が不自由になるリスクが上がるなど、基本的な生活に支障をきたすかもしれないとの報告もあります(注2)。

さらに、東京都長寿医療センター研究所によると、65歳以上の方でも1日8000歩の中に20分程度の速歩きを取り入れることで、体力低下や高血圧、認知症、糖尿病の予防効果が期待できるという研究結果も出ているのです(注3)。

これを知り、さっそく筆者のスマホに計測された歩数をチェック。すると【月平均5800歩】という事実が判明しました。男性の平均7043歩はおろか女性の平均6015歩すらも届いていなかったのです。意識していなかったとはいえ、ここまで歩いてないと知り愕然としました……※筆者は30代男性・デスクワーク。

読者のみなさんも試しにKenCoMのトップページ、もしくはスマホで自分の歩数をチェックしてみましょう。
中には「全然歩いていなった……」と肝を冷やした方もいるのではないでしょうか?

自身の日々の歩数をチェックしたら、次は健康的な運動量の目安に触れていきます。

毎日の運動量はどのぐらい必要?

毎日60分歩いて、週2日運動している人はOK

とはいえ現状の身体活動量で十分という人もいるはずです。厚生労働省が掲げる目安は、「毎日60分以上歩いたり動いたりしていて、1回30分以上の運動を週2日以上、1年以上習慣として続けている」というもの(注1)。これをクリアしている人は、ほぼ運動習慣のない人と比較して生活習慣病や生活機能が衰えるリスクを12%低減できるそうです(注4・P7より)。

「忙しくてそんな暇ない」「仕事で疲れて無理だ」なんて声が聞こえてきそうです。筆者もまさに同じことを思い、まったく運動量が足りていないことを痛感しました。しかし、そんな人たちのことをよく理解し、国が推奨しているのは、まず毎日の歩数を少しずつ増やすことです。

まずは「10分1000歩」を追加しよう

歩数を増やすときに意識したいのが「10分1000歩」です。ここで注意したいのが、足りない分を一気に歩こうとしないこと。いきなり30分、40分と歩いてしまうと、脚を痛めてモチベーションが急降下する恐れがあります。それよりも、ランチの時にいつもより5分歩いて遠くのお店に行ってみる、帰宅する際に1駅手前で降りて歩く時間を長くしてみるなど、無理のない範囲でスタートして身体を慣らしていきましょう。

それと、歩数計を活用することをオススメします。スマートフォンをお持ちの方は、歩数計アプリを使うと毎日の歩数がひと目でわかるだけでなく、毎月の平均歩数も分かるのでやる気が出ますよ!

自分に合った楽しい”歩く習慣”を

せっかく歩く習慣を身に着けるなら、趣味やトレーニングと同じように自分に合ったやり方を探すことが大切です。
例えば、
① 家族や職場で歩数を競い合う
② 週末はお出かけする
③ 晴れた日は1駅歩く
④ 好きな音楽を聴きながら歩く
などが挙げられるのではないでしょうか。もちろん決まった方法などはないので、「自分ならコレだ!」というのがあれば実践してみましょう。筆者は2~4を意識して取り入れてみたら、徐々に平均歩数が上がり、もっと歩こうという意識付けができました。

歩くことは生きる上で必要不可欠な動作。だからこそ、何気なく歩いている時間がもっと楽しくなれば、毎日がさらにイキイキするはずです。
健康のためだけでなく、ライフワークの一環として「歩く」ことを楽しみましょう!

【注意事項】
※何らかの理由で運動を制限されている方は事前に医師にご相談ください
※歩行や運動に何らかの不安がある方も事前に医師にご相談ください

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(文・kencom編集部)

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