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2016.12.21

柚子を入れて温まろう!浮かべて、食べて、暮らしの中に

KenCoM公式ライター:中野友希

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きらきらと輝く柚子は、まるで寒い冬を温かく照らしてくれる太陽のよう。
その爽やかな芳香が魅力的な冬の果実は、リラックス効果だけでなく、カルシウムやビタミンCを含んだ、体にやさしい果物です。また、冬至の日には人々のカラダを温める柚子湯として親しまれています。ここでは、そんな柚子湯を楽しむ方法や、日本人に愛されている柚子料理を紹介していきます。

冬至は1年でもっとも日照時間が短い日

日に日に太陽が沈む時間が早くなり、冬の訪れを感じる12月。冬至とは、北半球で1番日照時間が短い日であり、2016年の冬至は12月21日です。1年で1番日が長いといわれている夏至と比べると、東京で約4時間40分も日照時間が異なります。

1年で1番日照時間が短いということは、翌日からは日照時間が長くなっていくということ。このことから、中国や日本では、冬至を太陽が生まれ変わる日と捉えて「一陽来復(いちようらいふく)」とも呼びます。「悪いことが続いた後は、幸運に向かっていく」という意味も込められているので、新たな年に向けて、気持ちを切り替える日としてピッタリなんです。

柚子湯でほっこり。冷えたカラダを温める

冬至に柚子湯に入るという習慣の始まりは、冬至は「湯治」、柚子は「融通がきく」といった語呂合わせだといわれています。これは「お湯に入って、融通が利きますように」という願いが込められており、邪を取り除く厄払いとしても考えられています。

現在では、研究によって様々な柚子の効能が分かってきましたが、そのひとつは、柚子の香り成分が持つリラックス効果と、お肌にもたらしてくれる保湿効果です。寒い季節は体が強張り、疲れが抜けにくくなってしまいます。リラックス効果でゆったりとした気分にしてくれたり、さらに乾燥しやすい季節では、お肌の保湿に一役かってくれたりと、柚子は冬に重宝する果実というわけです。

自分好みの柚子湯を楽しもう

柚子湯の楽しみ方は、とても簡単。そのまま浮かべるだけでも風情がありますし、カットして香りをさらに楽しむのも良いですね。揮発性のあるゆずの香りは、お湯に入れることでより一段と際立ちます。丸ごと入れる場合は、最低でも5~6個入れる方が香りを楽しむことができます。

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少ない数で柚子の香りを楽しみたい場合は、カットしたものをお茶パックなどの袋に入れ、1~2個分をお風呂に浮かべます。面倒な時は、皮ごとざっくりと手で4等分くらいにちぎったものを浮かべるだけで、柚子湯の完成。

その他にも、皮をそいで丸ごと入れたり、浅く切り込みを入れて丸ごと入れる、皮だけしか入れない、液をしぼって入れる、半分に切って熱湯でよく蒸らしてからお風呂へ入れる、などの方法があるので、好みの香りの立ち方を見て、自分好みの柚子湯を楽しむのもいいですね。

お風呂あがりは「柚子の種のローション」で肌の保湿

柚子湯は、乾燥しがちな冬のお肌を労わってくれます。そんな柚子湯とともにおすすめしたいのが、「柚子の種のローション」。

『おばあちゃんの知恵袋 医者いらずの食べぐすり』によると、柚子の種にはペクチンと呼ばれる保湿成分が含まれており、冬の乾燥からお肌のツヤを守ってくれるそう。さらにうれしいことに、柚子の種には毛細血管の働きを促し、シミやシワの予防に役立つ成分が含まれています。そのため、柚子の種を使った化粧水が作られてきました。

「柚子の種のローション」の作り方

柚子の種を密閉容器の1/3程度まで詰めたら、容器に種の3倍の量の水を注ぎ、冷蔵庫で1日保存すれば使用可能です。

食べても美味!冬にぴったりな柚子レシピ

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お風呂に浮かべて香りのリラックス効果を得られるだけでなく、食べても美味しい柚子のレシピ。果肉よりも果皮を使うレシピが多く存在しますが、果皮の方がふんだんにカルシウムやビタミンCなどの栄養分が含まれているんです。ここでは、冬にぴったりな体にやさしい柚子レシピをご紹介していきます。

柚子の自家製フルーツブランデー

西洋ではフルーツをアルコールにつけて、水やお湯で割ったり、パンやクッキーに混ぜ込むレシピをよくみかけます。柑橘系の柚子はブランデーとの相性も抜群。冬の温まる飲み物に最適ですし、ほっとしたい時に、柚子香るブランデーを楽しむのも大人の贅沢です。

柚子こしょう鍋

大人のスパイス柚子胡椒は、味わいの印象をがらりと変えてくれるマジシャン。お鍋の主役である鶏だんごを、さらに美味しくしてくれる隠し味にぴったりです。寒くなった日はぽかぽか温まるお鍋が恋しいもの。冬の定番料理をちょっと大人の味わいに引き立てる柚子胡椒で楽しんでみてはいかがでしょうか。

ゆずこしょうソースのカルパッチョ

レストランみたいなカルパッチョで、ちょっとした贅沢気分を演出してみるのはいかがでしょう。見て美しく、食べて美味しい柚子の香りに、リラックス効果が高まりそうです。さらに、柚子は果肉よりも果皮をつかった料理が多いですが、それも一理あり。果肉よりも果皮の方が、カルシウムの量も2倍、ビタミンCは4倍も含んでいます。

手作り柚子茶

柚子といえば、ブームにもなった柚子茶もおすすめ。果皮も果肉も丸ごとジャムにすることで、おいしく食べることができ、お菓子や好みのアルコールと混ぜ合わせることで、爽やかな香りのスイーツやアルコールドリンクを楽しむことができます。そのままパンにジャムとして、寒い日にお湯で割った柚子茶もまた格別。はちみつとレモンを加えることで、冬の寒さ対策や風邪予防に。

白菜と柚子のピリ辛酢の物

白菜は冬野菜の代表。ビタミンCもたっぷり含み、風邪予防におすすめです。浅漬けにしても美味しいですが、ピリ辛の酢の物にすればお酒の肴にもぴったり。ピリ辛な白菜と爽やかな柚子の新しい味わいにはまってしまいそう。

柚子大根

さっぱりと食べられる柚子大根は食事のお口直しにぴったりです。すっきりとさせてくれる柚子と大根の爽やかな味わいは、お酒のおともにもおすすめ。野菜を丸ごと食べられ、ローカロリーなのも魅力です。

牛肉の柚子胡椒風味

スパイスの中でも、一際存在感を放つ柚子胡椒。柚子胡椒は、和洋問わず食材にアクセントを加え、新しい魅力を引き出してくれます。牛肉の旨みをぎゅっと閉じ込めた佃煮に、柚子胡椒のピリリとしたアクセントが美味。ご飯がすすんでしまうレシピです。

柚子の香りと味わいで心も体も喜ぶ

冬至の楽しみ方や柚子の魅力について、いかがでしたでしょうか。1年でもっとも日の短い冬至は、運気の上昇につながる節目。新年に向けて幸運を呼び込む幕開けともいえそうです。語呂合わせや縁起かつぎとして注目された冬のフルーツ・柚子で、心身ともにリラックスすれば、心も体も喜びに満ち、新しい年に向けての第一歩が踏み出せるのではないでしょうか。

参考文献

<著者プロフィール>

■中野友希(なかの・ゆき):
大学卒業後、税理士事務所、社会福祉法人での経理・税務の業務の傍ら、労働環境改善やメンタルヘルスケアにも取り組む。出産後はウェブライターに転身し、三ツ星レストランや老舗料亭など飲食店への取材・ライティングを手がけた。現在は、”シンプルにわかりやすく伝える”ことをモットーに、ママ向けメディア、ヘルスケアメディア、ペット専門メディアなどでライターとして活動している。

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