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2017.03.24

【歓送迎会で飲み過ぎ注意!】深酒のリスクと上手な飲み方とは?

KenCoM公式ライター:守城美和

ついつい飲みすぎてしまうことも多い歓送迎会シーズン!出会いと別れの寂しさや喜びに、ついついお酒も進んでしまうかもしれません。
「適度なアルコール摂取は、健康にプラスに働くことも多い」と言われていますが、一方で飲みすぎにはリスクも伴います。
水を差すようではありますが、今回は「お酒を飲みすぎたときに起こりうるリスク」について考え、上手な飲み方をご紹介したいと思います。
飲み会前にぜひ目を通してみてくださいね。

お酒の適量ってどれくらい?

日本酒なら1合、ビールで500ml程度

体質などにも左右されますが、一般的に”適量”とは、大体男性で「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「ワイングラス2杯」「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」にあたります。女性の場合は、その半分程度です。
飲み会なら乾杯で終わってしまう程度が”適量”なんて驚きですよね。

▼参考サイト

お酒を飲みすぎるとどうなる?知っておきたい6つのリスク

(1)急性アルコール中毒で死に至ることも

忘年会シーズンで最も気を付けたいのがこの”急性アルコール中毒”です。

急性アルコール中毒は、厚生労働省によって
「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生ずるものであり、通常は酩酊と称されるものである」
と定義されています。

血中内のアルコールの割合がどれくらいになれば急性アルコール中毒になるのかについては、個人差があるためはっきりと定義されているわけではないのですが、一般的に0.3%を超えると意識が朦朧とし、0.4%を超えると呼吸などが抑制されて命に関わる可能性があるとされています。

普通に飲酒を楽しんでいれば、ある程度酔いが回ってくると嘔気や眠気などで過度の飲酒に繋がらないことがほとんです。しかし忘年会のような行事的なものだと、イッキ飲みや上司や先輩の強要などで、酔いを自覚する前に血液中のアルコール濃度が危険なレベルにまで達してしまったり、キャパシティーを大幅に超えても飲酒を続けてしまったりすることがあります。

倒れる程飲んでしまっては、せっかくの楽しい飲み会も台無しになってしまいかねませんので、自分はもちろん、他人にもイッキ飲みや無理な飲酒をすすめないようにしましょう。

(2)肝機能障害で死亡するリスクが上がる

忘年会など、年に数回の深酒で大きくリスクが上がる点においてはそれほど心配はいらないとされています。しかしこうした行事でお酒の楽しみを覚え、毎日飲酒する習慣がついてしまうと、肝機能に影響が出る可能性は十分に考えられるようです。

飲酒の影響はまず”脂肪肝”という形であらわれます。ただし何か症状が出るわけではないため、健康診断で行われる血液検査で引っ掛かり、精密検査(腹部超音波エコー)を受けて初めて見つかることも多いようです。

脂肪肝の状態のまま過度の飲酒を続けると”アルコール性肝炎”という状態に陥ります。腹痛や発熱、黄疸などの症状があらわれ、ときには死に至る場合もあるようです。

アルコール性肝炎がある程度落ち着いたからと飲酒を再開すると、最終的に肝硬変と呼ばれる状態になってしまいます。腹水や吐血といった症状が加わり、更に死亡リスクが上がってしまいますが、ウイルス性肝炎による肝硬変と違い、断酒で改善が期待できると考えられているため、積極的な断酒が推奨されています。

(3)膵炎でショック症状が起こったり糖尿病になってしまうことも

過度の飲酒は、膵炎のリスクを高めることもわかっています。

膵炎には”慢性膵炎”と”急性膵炎”とがありますが、どちらも意識レベルや血圧の低下、頻脈、チアノーゼなどのショック症状が起こる可能性があり、最悪の場合、命に関わることもある病気です。

また膵臓は、血糖値のコントロールに必要なインスリンを分泌する器官でもあります。膵炎によって膵臓の働きが悪くなってしまうと、糖尿病を引き起こしてしまうこともあるとされていますので、糖尿病予防の一環としても深酒には注意をしたいですね。

(4)がんの発症リスクが上がる

WHO(世界保健機関)の調査によると、飲酒には
・口腔がん
・咽頭がん
・喉頭がん
・食道がん
・肝臓がん
・大腸がん
・乳がん(女性)
の原因となる可能性が指摘されているようです。

「お酒を飲むとすぐに赤くなる」
「ちょっと飲みすぎると翌日必ず二日酔いになる」
などの場合には、アルコールを分解する酵素の働きが弱く、アルコールやアルコールが分解されて発生するアセトアルデヒドによる発がん作用の影響を受けやすいと言われていますので、くれぐれも飲みすぎには注意するようにしましょう。

(5)逆流性食道炎や慢性的な下痢など消化器官への影響も大きい

飲酒量が増えると、アルコールが通過する消化器官への影響も大きくなると考えられています。

過度に摂取したアルコールによって消化器官の働きが悪くなると、逆流性食道炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、下痢や痔核の出現など、さまざまな病気に繋がるようです。

(6)うつや自殺、認知症の悪化にも繋がる

うつ症状による不眠や不安感を紛らわせようと飲酒を繰り返すことで、徐々に量が増え、アルコール依存症となってしまうケースも比較的よく見られるようです。多量の飲酒が心理的苦痛や自分に対する攻撃性を高めてしまうことで、自殺を試みてしまう場合も決して少なくないと言われています。

また多量の飲酒は脳の萎縮に関係しており、認知症を引き起こす原因の一つと考えられています。逆に少量の飲酒は認知症のリスクを低減させるという報告もあるようですが、どちらの説も現在研究段階であり、因果関係が証明されているわけではないという点には注意しましょう。

▼参考サイト

飲み方を考えて健康的な飲酒を楽しみましょう

お酒は、量はもちろんのこと飲み方も大切だと言われています。

・濃いお酒は割って飲む

・食事をしながら飲む

・時間をかけて飲む

上記の3点に気を付けるだけでも、アルコールの吸収を穏やかにし、リスクを下げることができると言われていますので、ぜひ今日からでも取り組んでみてくださいね。

参考文献

<著者プロフィール>

■守城 美和(かみしろ・みわ)
介護福祉士として、老人・障がい者(児)介護の仕事に携わってきたが、結婚・妊娠を機に離職。現在は「インターネットで検索しても答えがなかなか見つからない」という自身も体験してきたもどかしさを一人でも多くの人に解消してもらえるよう、子育てをしながらWebライターとして活動中。得意分野は”医療”と”福祉”

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