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2016.11.10

フレッシュなボジョレーを美味しく飲むレシピ

KenCoM公式ライター:中野友希

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1990年代後半に到来した”赤ワインブーム”。一般家庭でも赤ワインが飲まれるようになった理由の一つには、赤ワインの持つポリフェノールの健康効果に注目されたことにもありました。赤ワインの健康効果に注目される一因となったのが、動物性脂肪をたっぷり食べる習慣のあるフランス人達が心疾患による死亡率が低い、という”フレンチ・パラドックス”にあるといわれています。

ここでは、近々解禁となるボジョレー・ヌーヴォーにちなんで、赤ワインの健康効果について触れながら、ボジョレー・ヌーヴォーによく合うおつまみレシピをご紹介していきます。

赤ワインに期待される健康効果

赤ワインの健康効果への注目を高めた”フレンチ・パラドックス”

2009年に発表された山梨大学大学院医学工学総合研究部・ワイン科学研究センター 佐藤充克氏の「ポリフェノールと健康について」によれば、赤ワインの健康効果に注目が集まるきっかけとなったのは、”フレンチ・パラドックス”にあるといわれています。これは、フランス人は喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪分をたっぷりと食べる習慣があるにも関わらず、心疾患による死亡率が低い、という現象です。

ポリフェノールで血液サラサラ・動脈硬化予防にも?

国立健康・栄養研究所とサントリーが1994年に発表した共同研究結果では、「赤ワインの動脈硬化の予防に対する有効性」が立証されたという話があります。

赤ワインにはタンニンやアントシアニン、カテキンなどのポリフェノールが含まれ、これらは強い抗酸化力を持ち、活性酸素を除去してくれるため、動脈硬化への効果が期待できます。

2016年は11月17日木曜日がボジョレー解禁日。

待ちに待ったボジョレー解禁日は11月17日木曜日。ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方ボジョレー地区で作られる今年初お目見えするフレッシュなワイン。”ヌーヴォー(NOUVEAU)”はフランス語で「新しい」という意味を持ち、ワイン業界では「当年産のワイン」を表しています。

採れたてのフレッシュで瑞々しいワインの爽やかさは格別。今年のワインの仕上がり具合も予見させるボジョレー・ヌーヴォーは、日本だけでなく世界中の人々が心待ちにしています。お祭り気分をもっと楽しむには、料理との食べ合わせを考えることもひとつ。以下では、ボジョレー・ヌーヴォーとともにいただく料理をご紹介していきます。

ボジョレー・ヌーヴォーに美味しい食べ合わせレシピ7選

1、豚肉の紅茶煮:お肉の甘みとフレッシュなボジョレーのマリアージュ

赤ワインは、肉料理との相性がぴったりといわれています。豚肉をダイナミックにつかった紅茶煮は、素材本来のうまみが凝縮され美味しさ際立つ一品。カロリーを控えるなら豚ヒレ肉の塊でつくるのがおすすめです。赤ワインのフレッシュな口当たりと、肉汁したたる素材の旨味が絶妙な食べ合わせです。

2、ポテトサラダ:赤ワインともよく合うピリっとした大人の味わい

フレッシュで軽い飲み口のボジョレー・ヌーヴォーにおすすめなのが、ピリっとした西洋わさびがアクセントになっているポテトサラダ。サラミの塩分がほどよく感じられ、おつまみ感覚で食べられるポテトサラダです。

3、ローストビーフ:ボリューミーなメインでボジョレー・ヌーヴォー解禁日を祝う

今年初の新酒ボジョレー・ヌーヴォーを楽しむ醍醐味は、お祭り気分にあるという方も多いですよね。お祝いのシーンにぴったりなローストビーフなら、気分も食欲も倍増。牛肉の美味しさが凝縮され、食材の美味しが引き立つローストビーフは、赤ワインとの相性も抜群です。牛もも肉よりも牛ヒレ肉の方がカロリーダウン。食事制限をしている人には、脂身の少ないヒレ肉がおすすめです。

4、ラタトゥイユ:トマトの爽やかな酸味が新酒のフレッシュな味わいにぴったり

野菜たっぷりのラタトゥイユなら食べ過ぎもそれほど気になりません。秋野菜でアレンジするなら、しめじやエノキなど旬のキノコや玉ねぎ、レンコンなどでも美味。トマトの酸味が爽やかなラタトゥイユは、フレッシュな口当たりのボジョレー・ヌーヴォーにぴったりです。

5、ブイヤベース:軽い口当たりのボジョレーは魚介料理にも

魚介の旨味が凝縮された贅沢なブイヤベースとともに味わう軽い口当たりのボジョレー・ヌーヴォーもまた格別。重厚感のある熟成された赤ワインには、肉料理がよく合うといわれていますが、できたての新酒でフレッシュなボジョレー・ヌーヴォーなら、口当たりも軽く魚介料理ともよく合います。

あさり、はまぐり、エビなどを贅沢につかった料理で、ボジョレー解禁をお祝いすれば、気分も晴れやかになりそうです。

6、アボカドクリームチーズ:かんたんおつまみながらも濃厚な味わい

アボカドの種を取り除いたら、クリームチーズを詰め込んでカットするだけ、というシンプルなおつまみ。濃厚な味わいとクリームチーズの爽やかな酸味がとても良く合います。お好みでわさび醤油でいただくのもおすすめ。ボジョレー・ヌーヴォーを手軽に楽しみたい方におすすめのおつまみです。

7、ポトフ:ローカロリーのあったか料理でボリューム満点

ついつい飲み過ぎてしまいそう、という方はカロリーオーバーに要注意。食材を煮込むだけのさっぱりとしたポトフなら、食べ過ぎ防止に加えてたっぷり野菜を取るこどができるのでおすすめです。さっぱりとした味わいは、ボジョレー・ヌーヴォーの味わいを心から楽しみたい人にもぴったりです。

ワインを美味しく飲むためにはグラスも大事

ボジョレー・ヌーヴォーは、やや冷やして飲む方が美味しいといわれています。フレッシュな味わいが魅力となっているボジョレーは開栓したら、早めに飲み切ってしまうことがポイント。ですので、一人でガブガブ飲むのではなく、家族や友人と分け合って少しずつ飲むことが、健康的に楽しむコツかもしれません。

また、せっかくボジョレー・ヌーヴォーを楽しむのなら、グラスにもこだわってみてはいかがでしょう。ワインは香りや口当たりを楽しむもの。適当なグラスでは、せっかくの香りや口に広がる味わいが半減してしまうこともあります。ここでは、ワインを美味しく飲むためのグラスをみていきましょう!

リーデル オヴァチュア レッドワイン 350ml

グラスの選び方は、香りが逃げてしまわないように広い飲み口よりも狭いもの、ワインを入れる部分が大きいものよりも小さいものを選びます。つまり、軽い赤ワインや白ワインに用いられる”キャンティ”を選ぶといいでしょう。こちらのオヴァチュアはリーズナブルながらも、飲む時には口に細くワインが入ってくるので、苦みやえぐみを感じず、今まで以上に美味しく味わうことができます。

ベネディーレ ペアグラスハート柄 355ml

クリスタルガラスにハートのデザインを施したエレガントなワイングラス。白ワイン用ですが、ボジョレー・ヌーヴォーにも適しています。軽やかな新酒を楽しむのみぴったりな華やかグラスで、ゆったりとしたひと時をすごしてみてはいかがでしょう。

気分華やぐボジョレー解禁日

赤ワインの健康効果とボジョレー・ヌーヴォーに合う料理についていかがでしたでしょうか。

今年のワインの出来を確かめつつ、誰もが気軽に楽しめるのもボジョレー・ヌーヴォーの魅力。ボジョレー解禁日は、まるでお祭り騒ぎになることもあり、日本でも様々なイベントが開催されています。自宅で手軽に楽しめるボジョレー・ヌーヴォーを片手に、ヘルシーな料理を楽しめば、冬の足音がすぐそこに聞こえてきそうです。

参考文献

<著者プロフィール>

■中野友希(なかの・ゆき):
大学卒業後、税理士事務所、社会福祉法人での経理・税務の業務の傍ら、労働環境改善やメンタルヘルスケアにも取り組む。出産後はウェブライターに転身し、三ツ星レストランや老舗料亭など飲食店への取材・ライティングを手がけた。現在は、”シンプルにわかりやすく伝える”ことをモットーに、ママ向けメディア、ヘルスケアメディア、ペット専門メディアなどでライターとして活動している。

<監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医

・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

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