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2016.10.31

【休日さんぽ】江戸の下町情緒を楽しむ「男はつらいよ」柴又の旅

KenCoM編集部

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「たまには運動でもしてみようかな。」と考えていても、せっかくの休日を、家の中でゴロゴロしながら終えてしまう、ということはありませんか?
普段、なかなか運動をする機会を見つけられないという時には、気軽に始められる散歩はいかがでしょうか。厚生労働省が一般の方を対象に正しい健康情報をわかりやすく提供するために開設したサイト『e-ヘルスネット』によると「歩く」ということには以下のようにメリットがあると記載されています。

"長時間継続して歩くことで有酸素性運動ができる手軽な運動がウォーキングです。有酸素性運動は継続時間が長くなるほど脂肪をエネルギーとして利用する比率が高まるので、体脂肪の減少による肥満解消や血中の中性脂肪の減少、血圧や血糖値の改善に効果があります。さらに運動することによる心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などの効果も見込まれます。"

引用元:ウォーキング(e-ヘルスネット)

そこでKenCoM編集部は、【休日さんぽ】として不定期連載で、健康のために、様々な場所を楽しみながら歩むことをおすすめしています。

今回おすすめの散歩コースとして紹介する柴又は、都心から電車で40分ほどの場所にあり、気軽に旅行気分で散歩をするにはぴったり。映画『男はつらいよ』でお馴染みのこの地には古き良き町の雰囲気が溢れており、普段はなかなか感じることのできない江戸の情緒を味わえるスポットが数多く存在します。

東京下町・柴又から千葉県・本八幡までを歩く

それでは、柴又から千葉県の本八幡までの10kmを歩いていく中で、立ち寄ったスポットを9つ紹介していきます。
今回は、10月16日(日)に柴又で行われたウォーキングイベント「Beer&Walk」という、ウォーキング後にビールを楽しむことができるというイベントにも参加してきましたので、その様子もあわせてご覧ください。

1.柴又駅、寅さん像に見送られながら出発

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出発点である柴又駅は、瓦屋根で、ホッとするような和風な佇まいが特徴的な小さな駅です。

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改札を抜けて、正面を見るとすぐそこに寅さん像を見つけることができます。多くの人がこちらの銅像と一緒に写真撮影をしたり、ボディタッチを行ったりして、寅さんとの触れ合いを楽しんでいました。

そこから寅さんに見送られるようにして出発し、柴又帝釈天の参道へと歩みを進めます。

2.一風変わった、懐かしい駄菓子屋「柴又ハイカラ横丁」

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柴又駅から参道の方へ歩いて行く途中に「柴又ハイカラ横丁」という駄菓子屋があります。

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入り口には、おもちゃの真っ赤なロボットが置いてあります。その特徴的な外観は遠くから見てもすぐに分かるほど。

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店内にはおなじみの駄菓子がずらっと並んでおり、その数なんと千種類以上だそう。

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思わず「懐かしい〜!」と声を上げてしまうような、昭和時代からあるお菓子もあります。

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店内には、駄菓子だけでなく、スーパーマリオやインベーダーなどのレトロゲーム、玉をパチンコのように弾いていきゴールまで導くゲームが置かれています。どれも、なかなか出会うことができない懐かしいゲームばかり。

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1回300円で挑戦できる射的コーナーも。

昭和生まれの方はもちろんですが、平成生まれの方でも、子どもの頃に戻ったような懐かしい気分になれる不思議な空間が「柴又ハイカラ横丁」には広がっています。

3.柴又帝釈天の参道を歩く

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次は、駄菓子屋の角を曲がって、柴又帝釈天参道へ。

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参道には、江戸の風情を感じることのできる、個性的なお店が軒を揃えています。うなぎ、そば、団子、七味、漬物、佃煮などのグルメや、民芸品・お土産などのお店の様子を歩きながら楽しむことができます。ここで、参道にある個性的なお店の中から、地元の方が案内してくれたオススメのお店を3つ紹介します。

1.船橋屋

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参道の入り口付近には、江戸時代の11代目将軍・徳川家斉の頃から200年以上続いている、くず餅のお店「船橋屋」があります。鮮度や品質にこだわった商品は、唯一無二の発酵和菓子として多くの人に愛され続けています。

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2.い志い

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こちらの「い志い」も、まだ東京が江戸と呼ばれていた時代に創業したお店。和菓子と漬物で有名で、テレビでも何度か紹介されたことがあるとのこと。

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夏が過ぎたこの時期でも、い志いの店頭には「野菜ソムリエの選んだきゅうり一本漬」が置かれています。値段は1本150円。

3.とらや

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映画「男はつらいよ」の第1作目から第4作目までの中で、寅さんの実家として撮影に使用されたことがある「とらや」は、食事処・草だんごのおみやげ屋として、多くの観光客に親しまれています。

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平成元年に老朽化のために建て替えられたものの、撮影に使用された階段が店内に、当時のまま残っています。

200mほどの参道ですが、店や人の雰囲気を眺めながら歩くと、小さな楽しみをいくつも発見することができます。

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こうした発見も、ウォーキングの楽しみと言えるのかもしれません。

4.災難・悪魔を退散させる「柴又帝釈天」

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参道をまっすぐ歩いていくと見えてくるのが「柴又帝釈天」です。帝釈天は、古代インドの聖典の中で最も讃えられた武勇神インドラと呼ばれる重要な神様で、2014年には、錦織圭ら日本テニス代表3人と植田実監督が必勝祈願を行った場所としても有名です。

また、「男はつらいよ」や「こち亀」の舞台にもなっており、休日には多くの観光客で賑わいます。

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帝釈天に入ってすぐ左手にある像は浄行菩薩です。

柴又に在住の方によれば、こちらの浄行菩薩を、ひしゃくで水をかけ洗ってあげると、洗った自分の体の部分に利益をもたらすと言われているとのこと。(足が痛い方が、回復を祈って足を洗ってあげるなど)

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その隣には湧き水の「御神水」が。飲むこともできる柴又帝釈天の名水とも言われています。

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御神水の奥にある岩の祠には、金の宝を2匹の夫婦白蛇が守るようにして抱いてる像が並べられています。

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こちらの白蛇像に、御神水をかけると、金運が上昇するとのこと。

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こちらの帝釈堂は、人間の病を治す板本尊を祀っています。

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帝釈堂の中に入り、裏側に回ると、荘厳な彫刻のギャラリーと美しい大庭園を拝観できます。こちら、場所が少しわかりづらく、知らずに帰ってしまう方も多くいるようですが、柴又に立ち寄られた際には必ず立ち寄りたいスポットの1つだそう。

彫刻ギャラリー:十年以上の歳月をかけてつくられた彫刻はインパクト大

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こちらのギャラリーでは、帝釈堂内の外側の壁一面に刻まれた彫刻を見ることができます。帝釈堂内陣の外側にある10枚の彫刻は、「法華経」の代表的な説話をモデルとしたもの。

写真では分かりづらいのですが、壁全体が緻密な立体彫りによって、絵画のような芸術に仕上がっています。ウォーキングイベントに参加された方々も、10数年もの歳月をかけて完成した彫刻の美しさに圧倒されていました。

大庭園:美しい江戸最後の名庭でゆったりとした時間を

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続いては、邃渓園(すいけいえん)と呼ばれる庭園に足を運びます。

美しい庭園を眺めるための休憩室には無料の給茶機が置かれており、温かいお茶をいただくことができます。ベンチに座りながらゆったりと草木を眺めて過ごす時間は、あなたの日頃の疲れを癒してくれるかもしれません。

5.「柴又公園」でひとやすみ

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帝釈天をたっぷりと楽しんだ後は、10分ほど歩いて「柴又公園」へ。フカフカの芝生が疲れた足を優しく包み込みます。広々とした景色が広がり、思わず寝転びたくなるよう。

6.江戸時代、徳川幕府によって設けられた「矢切りの渡し」

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柴又公園のすぐの側にあるのは、江戸時代初期に徳川幕府によって設けられた「矢切りの渡し」。矢切りの渡しは、東京と千葉を分断する江戸川を結ぶ渡し船のことで、都内に唯一残る貴重な渡し場となっています。

場所が分からない時には、柴又公園にいる高齢者の方に聞くと、優しく教えてくれます。

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映画「男はつらいよ」の第1作目で寅さんが矢切りの渡しの船で柴又に帰ってくるシーンに使われており、遠方から訪ねる人も多いそうです。古びた船乗り場とゆるりと流れる江戸川の景観に癒されるようです。

7.江戸川沿いを歩いて本八幡へ

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ここから江戸川沿いを本八幡まで歩いていきます。その道のりは8kmほど。

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これからは長距離のウォーキングになるので、怪我予防のために、動的ストレッチをおこないます。開脚や屈伸などの静的ストレッチに比べて、動的ストレッチは、筋肉を実際の運動の動きそのものに近付けた形でストレッチすることができるので、怪我予防につながりやすいと言われています。

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ストレッチを終え、気持ちの良い秋晴れの下、まっすぐと伸びていく景色や土手沿いで運動している子供達を眺めながら本八幡へと足を進めていきます。

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5kmほどの地点までくると、参加者の中には疲労に顔を滲ませる方もちらほら。ですが、「歩き終わった後に味わえるビールのためにもう一息」と、その足を進めます。

8.葛飾八幡宮の「千本公孫樹」

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本八幡に着いたら、必ず立ち寄りたいスポットが「葛飾八幡宮」と呼ばれる神社。

こちらの神社では、国指定天然記念物である「千本公孫樹(せんぼんいちょう)」を見ることができます。

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千本公孫樹は、多数の樹木が寄り集まって、まるで根元から一本の大樹が伸びてみえる様からその名で呼ばれてきました。推定樹齢は1200年を超えるそう。

古くから、千本公孫樹には白蛇が棲むと言われ、その姿を見た者は幸福を授かり、長寿になるという言い伝えがあります。

9.BAR「Blue Doors」にて、ベルギービールを堪能

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そしてついに、最終ゴール地点であるBAR「Blue Doors」に到着。ここでウォーキングは終了となり、いよいよ参加者お待ちかねのベルギービールを堪能することができます。

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ベルギービール:ストロベリー

ベルギービール:ストロベリー

ここで味わえるのが、日本発上陸のベルギービール"Blanche Fraise”です。口の中に広がるフルーティーな香りと苦味のバランスが絶妙な味わいを感じさせてくれます。運動後のビールに参加者の多くが満足し、楽しんでいました。

柴又は「歩くのつらいよ」とは言わせない散歩スポット

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「健康のためには1日30分以上の運動も必要。」と言われても、なかなか実際に行動にうつすのは難しいもの。

そんな時には、友人や家族と一緒に柴又を散歩してみることから始めてみてはいかがでしょうか。温かい人や、歴史を感じさせてくれる建物・自然が、あなたの日頃のストレスや疲れを癒してくれるかもしれません。

ウォーキングイベント「Beer&Walk」って?

ウォーキングとビールのコラボ企画「Beer & Walk」

当イベントは、ウォーキングなどの健康向上イベントを通じて、飢餓で困っている人たちへの支援活動を行っているNPO法人「メタボランティア」協力のもと、ベルギービールの輸入を行っている「レイズ」によって開催されました。

今回のイベント内容は、東京下町の柴又を出発地点として柴又帝釈天、江戸川を通って、終着点である本八幡駅までの10kmを歩き、その後には日本初登場のベルギービール”Bobeline Black Label”を味わうという、大人に嬉しい企画となっています。

NPO法人メタボランティア

メタボランティアは、自分と世界が一緒に健康になってゆくプロジェクト

参照元:http://www.metavolunteer.com/about/

メタボランティアは、自分と世界が一緒に健康になってゆくプロジェクト

イベントを企画した、NPO法人メタボランティアは「あなたの脂肪が、世界を救う。」をコンセプトに、ウォーキングやヨガなどの健康向上イベントを通じて、飢餓で困っている人たちへの支援活動を行っている団体です。
ウォーキングを中心に様々なイベントを開催し、参加した人が消費したカロリーを1kcal=1円とし、参加費や企業の協賛金から飢餓で困っている人への寄付を行っています。

イベント企画者の近藤さん

イベント企画者の近藤さん

今回のイベントの運営者:近藤美子氏。3年前にボランティアと出会い、ウォーキングイベントなどの運営活動をしています。今回のようにウォーキングとビールを組み合わせたイベントは初めての試みとのこと。

近藤氏は「ウォーキングは気軽にできるスポーツです。しかし、楽しくなければそれも続けることが難しい。歩いた後にはビールが飲める!というような楽しみがあるイベントを通じて、歩くことの魅力を知り、そこで得た正しい知識を、皆様が今後の生活に活かすことができればと思います。」と、ウォーキングイベントへの想いを話してくれました。

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