2016.10.13
美人ママ社長に聞く、ニッポンの本物の美と癒しとは?【インタビュー】
外国人観光客で賑わう東京・浅草駅から徒歩8分、日本全国の隠れた名品を紹介する商業施設 「まるごとにっぽん」 があります。
その商業施設の2階に居を構えるのが化粧品、入浴剤、アロマ・お香など、国産の健康美容品専門店「茉華(まつりか)」。過日行われたダイエット&ビューティーフェアでは第2回ジャパンメイド・ビューティアワード審査員も務め、 オリジナルの化粧品を開発しつつ、店舗・茉華も運営、と八面六臂の活躍をする、株式会社ALHAMBRA(アランブラ)社長・橋本真季さんに、国産の健康美容品を扱うに至った理由と、橋本さんご自身の健康やこれからについてうかがいました。
和服の似合う美人社長のお話から、その美の秘訣を探ります。
橋本真季さん:
(はしもと・まき)1979年奈良県出身。株式会社ALHAMBRA(アランブラ)代表取締役・ 茉華(まつりか)店主。また植物療法士(フィトセラピスト)・漢方養生指導士でもある。
2002年同志社大学経営学部を卒業後、伊藤忠商事株式会社・ブランドマーケティング事業部にて勤務。同社を退職後、2005年9月株式会社ALHAMBRAを設立し、アパレル商社として活動した後、オーガニックコスメを扱うようになり、2015年12月に浅草にオープンした商業施設「まるごとにっぽん」にて国産・健康美容品の専門店・茉華(まつりか)を立ち上げ、店主を務める。また2016年には自社オリジナルブランドTHERA(テラ)も立ち上げ、店舗やECにて販売を行う。2児の母でもある。
国産オーガニック化粧品を扱うに至った理由は?
出会いが仕事を運んできてくれた
浅草駅徒歩8分「まるごとにっぽん」2階にあるオーガニックコスメ専門店「茉華(まつりか)」
-今のお仕事についたきっかけって?
元々は新卒で伊藤忠商事でお仕事をさせていただくことになったんです。それも大阪の事業部で事務職としてだったんですけれど、学生時代に学んだスペイン語ができる、ということでスペインのブランドを担当させていただけるようになりました。
2年半務めた後、結婚を機に上京することになったんですけれど、東京で会社を作ってそのままご一緒させていただけることに。名刺には「アジアマネージャー」だなんてつけていただき・・・若くして本当に良い経験をさせていただきました。
その後も、アメリカやヨーロッパのアパレルブランドを見つけては、大手百貨店さんやセレクトショップに飛び込みで「面白いのがあるんです!」とご紹介したりして。他にも、セレクトショップなどのオリジナルブランドや企画の立ち上げのお手伝いをしたりしています。仕事は本当に周りの方々の縁に恵まれて、出会いからお仕事を与えていただきました。
アパレル業界から離れ、オーガニックコスメに出会った
でも、大手ファストファッションが日本で立ち上がり、海外からも続々と上陸してくるにつれ、この業界で女手一つでやっていくのは、なかなか厳しいな、と思っていたんです。
そんな中人づてに聞いて出会ったのが、カルフォルニアとニューヨークのオーガニックナチュラルコスメ・雑貨のブランド。オーガニックやナチュラルといったキーワードが徐々に人気を集めていた頃で、「オーガニックコスメ、面白い!いけるかも」と思ったんです。
これからの時代に、必要性を感じました。
日本にもある?オーガニックコスメ
和の薬草の代表・ヨモギ
それでしばらくは海外の面白い商品を見つけては日本に持ってくる、業務委託を受けて海外で生産し輸入するというようなお仕事をしていましたが、海外のブランドって香りやテクスチャーがやや強いものも多く、日本人には合わない場合もあるんですね。ちょうど「何か日本のものがほしい」という声をお客様からもいただいて、「あれ?日本にもあるのかな?」って調べ始めました。日本にもオーガニックナチュラルの素材や原料、そして歴史的に背景が何かあるんじゃないかって。
探してみると、ヨモギとかね、たくさんあるんですよ。日本中を旅に出て原料を見たり、畑に行ったり、人に会ってお話を伺ったりして、よくよく調べていくと、日本全国にその土地ならではの素材、慣習、古くからの歴史があって。特に故郷の奈良の、正倉院に日本の薬や健康・美容、香り文化のルーツがあったのを発見した時は驚きでした!
実は私は、奈良を出たくて東京に来たくて上京したし、海外のものも大好きで英語やスペイン語も学んで輸入の仕事をしていたのですが、「なんや!結局、本物は地元にあったやん!」って。ビックリしました。知らなかったことが恥ずかしかったし、今改めて地元に感謝してお世話になってみようと考えたんです。
薬・美容のルーツは故郷・奈良にあった
―あんなに出たくて出た地元にすべてあったんですね?(笑)
それから奈良のことを色々調べたんですけど、地元のことなのに、なーんにも知らないんですよね。古い香木や香炉の記録が正倉院にあったし、日本最古のお風呂も、私自身が通った高校のすぐ近くの法華寺というお寺にあるんです。たとえば、昔疫病が流行ったりすると、そのお寺のお風呂で薬草湯を炊いて、周りの皆さんを呼んでお風呂に入れて治すんですよ。なんかすごいですよね。
奈良はかつて生薬の原産地だったりするので、昔の薬草を育てていた記録がたくさん残っているんですよ。でも、西洋医学が日本にやってきて、東洋医学が廃れていったときに、薬草の栽培を止めてしまった農家もたくさんあります。それでもやっぱり国産の薬草がほしい!と思って、今奈良で薬草を復活させるプロジェクトを始めるべく、活動しています。
薬草は臭くて苦くて茶色い?
いい匂いのする、おいしい、カラフルな薬草もある
オリジナルブランド「THERA(テラ)」は、陰陽五行説に基づき、「怒」 「嬉」 「思」 「悲」「恐」5つの感情に合わせた精油(薬草の香り成分を抽出したもの)をブレンドしたエッセンシャルオイル・ハンドクリーム・アロマスプレーを揃える
―これからはどんなことを目指しているんですか?
薬草って臭い、苦い、茶色いっていうイメージって強いじゃないですか?でも、いい匂いがして、おいしくて、カラフルな薬草や化粧品があってもいいなと考えていて、そういう商品を紹介したり、開発したりしたいと考えています。
興味はあるもののイメージが先行して…という声をいただくことがあまりに多くて。まずは漢方や薬草に興味を持っていただいて、気軽に生活の中に取り入れていただき、その気持ちよさや素晴らしさを体感していただけたらなと。
今の私のような30代・40代で都会で働いていて疲れている人ってたくさんいると思うんです。そういう人に向けて国産の、本物の、薬草の力を感じてもらえるような商品や環境を作っていくのが、これからの私のやりたいことです。
和の薬草ばばあになりたいんです(笑)。薬草や薬効のある植物って白ゴマ、黒ゴマ、しょうが、どくだみ、しそ・・・身近な生活にもたくさんあるんですよ!季節や体に合わせて上手に取り入れていってほしいなと。
点で見るのではなく、線でものごとを見たい
店舗正面は、奈良県・桜井市にある聖林寺の茶室をモデルにしたという、店員とお客様のおしゃべりスペース
―ところで、橋本さんご自身の健康やプライベートはいかがですか?
正直、全然ダメなんです(苦笑)。数年前に若年性更年期障害というのに罹ってしまったこともあるし、去年12月にこのお店を立ち上げた後は本当に忙しくて、ママとしても十分に子供を向き合えていないな、と反省ばかりです。
ただ、常に家庭と仕事のバランスを50:50に維持するのって難しいので、点で考えてはダメだなとは思っています。線で、つまり、長い目で見たときに、全体として大切なものを大切にできている、そういうバランスを心がけたいなと。またそのためにも、子供や仕事でも、もっと未来やなりたいこと、今がんばっている理由を丁寧に話して共有しないといけないなと思っています。
またスタッフや仕事仲間とは、「お互い様」「おかげさま」の精神で、それぞれのいいところを活かして、楽しくやっていきたいです。
とはいえ、仕事と家庭、実はなかなかうまく両立できていないので、家族にも仲間にも助けられる一方です。本当にいつも感謝ばかりです。
ハーブや薬草の魅力を伝えたい
自分が体を壊したこともあり、ハーブや薬草の魅力を知るにつれ、それを自分が試してみて、それを家族に試して、それからお客様に紹介して、そうやって、少しずつその魅力を伝えていくなかで「よくなったよ」「ありがとう」って言われると嬉しいなぁというのが私のモチベーションの源泉です。
まだまだがんばり足りないなと思っていますが、自分にできることをやるしかないので、自分自身がやることを丁寧に選んで、言葉を尽くして、しっかりやっていきたいと思っています。
美しいもち肌美人の橋本真季さん
本当の美は日常の延長にあるのかも
子持ちの女性が、女手一つで商社と店舗を切り盛りし、オリジナルブランドを立ち上げ、スタッフを育て、家事育児をするというのは、本当に並大抵のことではないと想像します。
それでも「私は薬草ばばあになりたい(笑)」と明確に自らの役割をまい進する若き女性経営者。彼女がいきいきと魅力的で美しいのは、日常の中で自分の体と向き合い、わが子と向き合い、お客様と語り合う、そんな日常の中で「ありがとう」と喜ばれる商品を見出して、その本質を求めて日々前進してきたからなのかもしれません。
本物の美容健康の知恵は、日本各地に、地元奈良にあった、という橋本社長の言葉のとおり、本当に美しいもの、本当に大切なもの、人生を支えてくれるものというのは、実は身近な日常の中にあるのかもしれません。
今後のさらなるご活躍が楽しみです。
(取材・文:KenCoM編集部)
茉華のおすすめ商品
THERA back to the source LINE ・吉野ひのきの精油 \1,188円(税込) ・吉野ひのき香り袋 \486円(税込) ・吉野ひのき水(蒸留水) \972円(税込) 奈良・吉野地方のひのき精油を使った商品。防虫・防カビの効果もあるほか、森林浴気分を味わえます。
5エモーションズフレグランスハンドクリーム 各1,728円(税込) 陰陽五行説に基づいた怒・喜・悲・思・恐の5つの感情のバランスをとる色と香りのハンドクリーム。 たとえば写真右端「怒」にはリフレッシュしたい方へ、ユズ、グレープフルーツ、ヒノキ、ハッカなどの精油が含まれています。
薬王の薬湯 \756(税込) 奈良県産生薬"大和当帰"配合漢方薬用入浴剤です。冷え性、血行障害、強壮、鎮痛薬などの漢方薬「当帰」として処方されている「大和当帰(やまととうき)」をはじめシャクヤク、コウカ、ショウキョウ、チンピなど10種類の自然生薬を配合しています。
茉華(まつりか)ショップデータ
まるごとにっぽん 2階 暮らしの道具箱ゾーン
〒111-0032
東京都台東区浅草 2 丁目 6 番地 7
Tel 03-3847-0030
営業時間
10:00-20:00
アクセス
つくばエクスプレス「浅草」駅から徒歩1分
東武スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩7分
東京メトロ銀座線「浅草」駅から徒歩8分
都営浅草線「浅草」駅から徒歩8分