2024.03.30
健康の新常識!忙しいあなたにやってほしいたった3つのこと
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健康上の問題によって日常生活が制限されずに生活できる期間を“健康寿命”と呼びます。健康寿命を伸ばすためには、適度な運動で生活習慣病を予防することが不可欠です。身体を動かすことが大事だと思っている方は多いと思いますが、どれくらいの時間、どの程度の強度で運動したらいいのか分からない方も多いかもしれません。
厚生労働省の『健康づくりのための身体活動・運動ガイド』は、健康づくりに関わる専門家(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師など)が携わり、指針をまとめたもの。2013年以来、実に10年ぶりに『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』として改訂されました。
信頼できる健康情報を選ぶのは難しい
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世の中は、星の数ほど多くの健康情報であふれています。なかには、医学的なエビデンスが不十分で効果が不確かなものや、間違った情報も。正しい情報を選ぶためには、医学的な知識が不可欠で、一般人にはなかなか難しいものです。
その中で、厚生労働省が発信する情報は、専門家が研究、内容をチェックしており、多くの人の健康に寄与する信頼性の高いものと考えて良いでしょう。今回改訂された『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』は、医学的に検証された最新の情報が取り入れられており、多くの人にとって健康に有益な情報が詰まっています。
年代別、健康増進のためにやるべきこと
出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf) 制作:kencom編集部
本ガイドラインでは、すべての人が等しく取り組む内容ではなく、個人差を踏まえて柔軟に対応する必要があるとしています。そのため、年代別の行動目安が提示されています。
また、本ガイドラインには、運動強度としてメッツという単位が出てきます。メッツは身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位。座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツとされています。
出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf) 制作:kencom編集部
以上の運動強度を踏まえて、具体的にどれくらいの運動が適切なのか、年代別に詳しく見ていきましょう。
成人:ウォーキング習慣に加えて、筋トレを始めよう
個人差を踏まえ、今よりも身体を動かすことが推奨されています。
①1日8000歩あるいは60分の歩行
②筋力トレーニング週2〜3回
③座位時間を減らす
筋力トレーニングは具体的には息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上とされています。仕事などで忙しくて運動をする暇がないという方もいるかもしれませんが、自宅でできる自重トレーニングでも筋トレになります。1日10分、スキマ時間に身体を動かす習慣をつけましょう。
高齢者:自分に合わせた運動を両立しよう
高齢者は持病などのリスクがある人も多いので、運動と上手に両立させることが大切です。
①1日6000歩あるいは40分の歩行
②筋力トレーニングを週2~3日
③座位時間を減らす
高齢者にも筋トレは推奨されています。ただし、筋肉が衰えている高齢の方がいきなり運動をすると、転倒などけがにつながりかねませんし、けがをすることで寝たきりになる可能性もあって危険です。軽い運動から始めて、周りのサポートを得ながら安全に行いましょう。
子ども:遊びも含めて毎日60分以上身体を動かそう
今回、ガイドラインに初めて子どもが加わりました。背景には、テレビやゲーム、スマートフォンなどの前で過ごす時間が増えて活動量が減り、身体を動かす習慣がない子どもが増加していることが挙げられます。ここでは、特に身体を動かす習慣のない子どもが対象です。
①1日60分以上の身体活動
②強めの運動を週3日以上
③ゲームやスマホの使用時間を減らし、座っている時間を減らす
身体を使った遊び、生活活動、体育、スポーツを含めて、毎日60分以上身体を動かすことが推奨されています。座りすぎは肥満症の増加や体力低下、社会的な行動への不適応、また睡眠時間の減少と関連しているとされています。子どもの時から身体を動かすことを習慣化し、健康に対する意識を育てていくことが重要です。
健康の新常識!知らないと損する2つのこと
今回のアップデートでは、歩数の目標値の設定、筋トレの推奨、座位行動を減らす、子どもの具体的な目標(※身体を動かす時間が少ない子どもが対象)が追加されました。その中でも働く世代が知っておくべき2つのことをご紹介します。
筋トレをすると病気リスクが下がる
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2023年のアップデートで、筋トレの推奨が追加されました。これは、国際的な研究によって、筋トレにより筋力、身体機能および、骨密度が改善し、高齢者では転倒や骨折のリスクが低減することがわかってきたためです。
また、筋トレをすることで、総死亡および心血管疾患、全がん、糖尿病、肺がんの発症リスクが、10~17%低くなることが示されています。
筋トレは、ジムなどで行う本格的なものだけでなく、自宅でできる自重トレーニングも含まれます。ウォーキング習慣以外にも週に2〜3回の筋トレ習慣が今後の健康増進のスタンダードになっていきそうです。
座りすぎは健康を害する
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座位行動とは、座ったり寝転んだりして過ごすことを指します。例えば、デスクワークや、テレビやスマートフォンを見ることなど、現代人の多くが座位行動に多くの時間を費やしています。
最近の研究では、座位時間が長いほど死亡リスクが高まるとされています。一方で1日60分以上の中強度以上の運動によりそのリスクが低下すること、座りっぱなしにせず30分ごとに立つなど適度なブレイクを入れることがリスク低下のために重要であることもわかっています。
デスクワークが多い方は、スタンディング作業を取り入れたり、30分〜1時間に1度は立って背伸びをするなど、身体を動かす習慣を取り入れましょう。
人生100年時代を楽しく過ごすために
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一旦抱えてしまった腰痛や膝痛、生活習慣病などから逃げることは至難の業。できることならそうしたことに悩まず元気で長生きしたいものです。人生100年時代に突入した今、日々の生活習慣を正して、健康維持することは人生の満足度を高めるために不可欠。
そのためにどんな運動をすべきか、身体づくりをすべきか、現段階での最適な指針となるのが今回の『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』です。これまでに自分で続けてきた方法をお持ちの方も、これまでは何もしてこなかったという方も、ぜひこの機会に自分なりの健康づくりを見直してみませんか。
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文:kencom編集部