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2023.11.16

「暗いところでものを見ると目が悪くなる」は誤解!? 眼科医が教える"目の悪習慣"とは?

マイナビニュース

SBクリエイティブは、このほど『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/平松 類著)を発売した。本書では、眼科医が特に勘違いされがちな目の健康法、健康情報を取り上げ、解説をしている。

『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)

参照元:https://news.mynavi.jp/article/20231116-2813804/

『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)

著者は、眼科医であり医学博士の平松 類氏。二本松眼科病院副院長を務めており、さまざまなメディアでコメント・出演・執筆等を行っている。同氏によると、何となくの思い込みや、ふんわり、ざっくりとした理解では、目の健康を守ることはできないという。

目に関する「正しい基礎知識」をまとめた同書の中から、「暗いところでものを見ると目が悪くなるのかどうか」についての解説を抜粋。みなさんは情報を正しく理解できているだろうか。ぜひチェックしてみてほしい。

■ちまたに溢れる「目の健康常識」は眼科専門医の非常識

視力低下には直結しないが、避けるに越したことはない

暗いところで本を読んだりしていると「目が悪くなるよ」と言われたことは、きっと誰にでも覚えがあると思います。だから「これも間違いなの?」と驚かれたかもしれませんが、ものを見る環境の照度そのものは、実は視力低下と関係がないのです。

考えてもみてください。例えば映画館は暗い環境ですが、「映画館で映画をよく観る人のほうが、目が悪くなりやすい」なんていう話は聞いたことがないでしょう。

視力低下と関係があるのは「距離」です。「あまりにも近距離で本を読んだりしていると目が悪くなる」というのなら正解といえます。

「暗いところでものを見ると目が悪くなる」と言われるようになったのは、おそらく、暗いところではおのずと近距離でものを見ることになるからでしょう。しかし本当に問題なのは「暗いところで」ではなく、「近距離で」ものを見るの部分というわけです。

とはいえ、暗いところでものを見ることにまったく問題がないわけではありません。暗いところでものを見ていると眼圧がかかり、眼球が硬くなりやすいという別の問題があります。

ですから、暗いところでものを見るのは、視力低下につながる悪い習慣とはいえないけれども、決していいわけでもない、したがって避けるに越したことはないと心得ておいてください。

「スマートフォン」「タブレット」は特に目の敵

この「近距離でものを見る」問題は、ここ数十年で、ますます深刻になってきています。言うまでもないでしょうが、スマートフォンやタブレットが浸透したことで、人々は、より長時間、近くでものを見るようになってしまいました。

こうしたデジタルデバイスがなかったころは、「近くでものを見る」といえば、せいぜい本や新聞といった紙媒体くらいのものでした。また、パソコンはデジタルデバイスですが、過度な光の刺激は目によくないとはいえ、モニターに顔を近づけて見ることはあまりないでしょう。

やはりスマートフォン、タブレットという「手元で操作するデジタルデバイス」の普及が、現代人の目にとって、いっそう過酷な環境を作り出していることは確かなのです。

しかも、読書の際の目と本の距離は、一般的に約30センチメートルであるのに対し、スマートフォンと目の距離は約20センチメートルと、より近くで見るようになってしまっています。実際、スマートフォンを30分間見続けると、眼圧がみるみる上昇してくるという研究もあるほどですから、やはりスマートフォンやタブレットの扱いには特に注意が必要です。

電子書籍の是非は「読むデバイス」次第

よく患者さんなどから「目の健康のためには、やはり紙の本を読むのが一番いいのか? 1台で事足りるiPadなどのタブレットや、Kindle paperwhiteや楽天 Koboなど電子書籍用タブレットはダメなのか?」と聞かれます。

今までの話からすると、デジタルデバイスで読書をしてはいけないと思われるでしょうが、実は、どれが最も近視を進行させるのかという明確なデータはありません。

ただ、デジタルデバイスが発する強い光はまばたきの回数を減らし、目を非常に疲れさせます。人は生来、点滅しているものを凝視するようにできているからです。目が疲れにくいという点では、やはりタブレットよりも紙媒体がいいでしょう。

実はKindle paperwhite や楽天Kobo など電子書籍用タブレットも、紙媒体と同様です。見た目は似ていますが、電子書籍用タブレットは通常のタブレットと違って、それ自体は光を発していません。

簡単に言うと、電子書籍用タブレットは周囲の光を反射して文字が読めるようになっており、いわば本物の紙に近いのです。したがって目の疲れにくさも、紙の本と同等と考えてかまいません。目が疲れにくいというのは、それだけ速く読めるし、読み続けられるということでもあります(長時間、連続して読書するのはおすすめしませんが)。

そもそもデジタルデバイスを凝視することは、自覚はなくても動いている光を目で必死に追いかけるようなものです。それだけ頭のリソースも食うということですから、デジタルデバイスだと読書速度はぐんと落ちるはずなのです。

つまり効率的にも紙の本、もしくは電子書籍用タブレットで読むのがベストな選択といえます。

一般的に健康的な人などは、多少これらの行動を行ったからと、そく何かが起きることはありませんが、少しでも目にいい生活を送っていただければと思います。

いかがだっただろうか。知らなかった知識もあったのでは? ぜひ、正しく理解し、自身の目の健康を守っていこう。

書籍『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)

『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)

参照元:https://news.mynavi.jp/article/20231116-2813804/

『眼科医が警告する視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(990円/SBクリエイティブ刊)

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