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2023.10.08

コツを掴めば簡単で美味しい!うま味が詰まった松山風鯛めし【シーフードの気分】

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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魚の脂質に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させ、動脈硬化予防に役立つと考えられています。具体的には、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や、脳梗塞などの脳血管疾患、脂質異常症に認知症など、生活習慣病の予防が期待できます。

本連載では、季節の海の幸が豊富な神奈川県三浦と東京で二拠点生活を送る料理研究家のりんひろこさんに、旬を迎える魚介レシピを教えてもらいます。

今月のテーマは鯛です。鯛は年中スーパーで見かけますが、秋と春が一番美味しい時期です。秋頃に漁獲される鯛を紅葉鯛(もみじだい)と呼びます。鱗が赤く色づいた紅葉のような色あいになり、脂がのって美味しいのです。

焼いて炊飯器に入れるだけ。松山風鯛めし

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愛媛県は鯛の漁獲量・生産量が多く、昔から鯛を使った郷土料理が数多くあります。その中でも有名なのが、鯛めしです。

愛媛の松山市と宇和島市では、同じ県内でありながら、鯛めしの作り方が異なります。松山市は鯛と米を一緒に土鍋で炊きこみますが、宇和島市は炊いた白いご飯に黄身と甘い醤油につけた刺身の鯛をのせてます。同じ鯛めしでもこんなに違うのです。どちらも美味しいのですが、今回は松山風の鯛めしレシピをご紹介します。

材料(3~4人分)

米 2合
鯛(切り身) 2切れ
塩 少々
青ねぎ(小口切り) 少々
※みつばや長ねぎ(小口切り)などでもOK

【調味料】
昆布(5×10㎝程度) 1枚 ※なければ、顆粒だし小さじ1で代用
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
塩 小さじ1/2

作り方

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1. 米は洗って吸水させておく。

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2. 鯛の切り身に塩をふりかけ、5分おいておく。

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3. 鯛の切り身から出てきた水分をペーパーなどで軽く拭き取り、魚焼きグリル(強火)で皮目に焼き色がつくまで3分程度焼く。この時、中まで火が通っていなくても問題ない。

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4. 切り身を取り出し、裏返して骨を取り除く。

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5. 米の水を切って炊飯器に入れ【調味料】を加えてから、水を2合のメモリのところまで入れる。2合のメモリよりやや少なめにすると粒が立ってふっくら仕上がる。4で取り外した骨のうち、太い中骨は一緒に入れる。

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6. 炊きあがったら中骨を取り出し、小口切りにした青ねぎを散らせば完成。

りんさんからのアドバイス

鯛の炊き込みご飯は、鯛の鮮度が少しでも落ちると生臭くなってしまうのですが、塩をふってペーパーで拭くことと、炊く前に一度皮目をしっかり焼くことで、臭みがなくうま味がしっかり感じられるご飯に炊きあがります。

炊飯器で米を炊く際に、鯛の骨を入れるのもポイント。骨とともに炊くことで、うま味が出て美味しくなります。

鯛のたんぱく質に含まれるうま味成分のイノシン酸は分解速度が遅いので、調理後もうま味が損なわれにくいのが特徴です。鯛めしが余ったら、おにぎりにしてラップで包んでジッパー付き袋に入れ冷凍しておくと、レンジ加熱するだけでまた美味しい状態が楽しめるでしょう。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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りんひろこ
料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

制作

文・レシピ・写真:りんひろこ

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