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2023.03.21

あの眠気、あの湿疹は薬の影響?知っておくべき薬の副作用【おくすりコラム】

kencom公式:薬剤師ライター・高垣 育

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薬を飲んだときに、こんな経験をしたことはありませんか。

「花粉症の薬を飲んだら、つらい鼻水の症状がぴたっとおさまった一方で、眠くなり困った」

この薬を飲んだときに現れる症状は、もしかしたら副作用かもしれません。今回は、薬を安心安全に服用するために、改めて副作用について確認していきましょう。

薬を飲む人に知ってもらいたい副作用のこと

薬には、主作用と副作用があります。主作用は、薬本来の目的の働きのこと。副作用は、薬が病気やけがを治療する効果のほかに現れる、”望ましくない症状”のことをいいます。

例えば、
・花粉症の治療で抗アレルギー薬を飲んだら眠くなった
・抗菌薬を飲んだら下痢になった
・痛み止めの薬を飲んだら胃に不快感を生じた
などの症状です。

薬を飲んだときに、もしこうした症状が現れたら、それは副作用かもしれません。

副作用はなぜ起こる?どう防ぐ?

副作用は、なぜ起こるのでしょうか。主な原因は3つです。

①服用方法を間違えた

例えば、朝の薬を飲み忘れたから、お昼に2回分まとめて飲むなど、薬を飲む量や飲むタイミングなどを間違えてしまうと、効き目が強く出すぎてしまうことがあります。

副作用を防ぐために、医師や薬剤師から説明された薬の飲み方を必ず守るようにしましょう。

②アレルギーがある薬を服用した

薬を飲んだときに、その薬に対するアレルギー反応で湿疹などの副作用の症状が出た経験がある人は、薬を飲む前に医師や薬剤師に伝えましょう。そうすれば、自分の身体に合わない薬を飲むことを未然に防ぐことができます。

お薬手帳を活用すれば、効率よく薬剤師に副作用歴を伝えられるのでおすすめです。

③薬が合わなかった

腎臓や肝臓など薬の代謝や排せつに関わる臓器のはたらきが弱くなっている方では、薬の作用が強く出すぎることがあります。

もうひとつは、治療中の病気がある場合です。

前立腺肥大の治療をしている方がアレルギーの薬を飲むと、尿が出にくくなったり好ましくない症状が出ることがあります。治療中の病気がある場合は、医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。

副作用かなと思ったら…

副作用がいつ出るかは、薬の種類によって異なります。もし、服薬中に、いつもと違う体の異常を感じたら、我慢せずにすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。

また、はじめての薬を使うときには、副作用の早期発見・早期治療につなげるため、
・どんな体調の変化に気をつけるべきか
・服用後の変化はいつ頃現れやすいか
など、医師や薬剤師に確認しておくことが大切です。

服用中は副作用を意識しよう

病気や怪我のつらい症状を和らげる頼もしい存在である一方で、まれにではありますが正しく薬を使っていたのにも関わらず、健康被害が生じることがあることも覚えておいてください。

もし副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医薬品副作用被害救済制度を活用してください。いざというときには、医療費や年金の給付を受けることができる仕組みです。

薬と上手に付き合って、困り事や心配事があれば、ためらわずに医療従事者に相談すること。それがあなたの健康を守る1番の方法です。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

高垣 育(たかがき・いく)
2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書『犬の介護に役立つ本(山と渓谷社)』を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。

制作

文:高垣育

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