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2023.01.19

コンタクトレンズの正しいこすり洗いの方法

Lumedia

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まとめ

●こすり洗いは、使い捨て以外の全てのコンタクトレンズの管理に必須です。
●こすり洗いをしないと、感染症やアレルギーの原因になるかもしれません。
●コンタクトレンズの種類によって、こすり洗いの方法は異なります。自分のコンタクトレンズの種類を確認して、こすり洗いを行いましょう。

皆さんの中には視力矯正のためにコンタクトレンズを利用したり、瞳を大きく見せたりするために「カラコン」を使っている方もいるのではないでしょうか。

確かにコンタクトレンズは非常に便利な道具です。一方でコンタクトレンズの管理を正しく行わないと、さまざまなトラブルを引き起こすことがあります。
実際、コンタクトレンズは高度医療管理医療機器として、その使用が医薬品医療機器法で厳重に管理されています (参考文献 1, 2) 。

この記事では、コンタクトレンズでトラブルを起こさないために「コンタクトレンズの正しいこすり洗いの方法」について解説します。こすり洗いは使い捨て以外の全てのコンタクトレンズ管理に必須の洗い方ですから、長くコンタクトレンズを使っている方も、管理の仕方が正しいか確認してみてくださいね。

この記事を書いた医師の名前

ドクターK(Doctor K)
医師

眼科医。皆さんの目を守るため、自身のメディア 『オンライン眼科』 及び Twitter で、科学的根拠に基づいた情報発信中。 お子さんの近視の進行を防ぐため、近視に関する情報をLINEで発信中。

【目次】
1.コンタクトレンズが原因で起こる目の病気 (参考文献 3)
2.コンタクトレンズの正しいこすり洗いの方法 (参考文献 4)
 2.1.ハードコンタクトレンズのこすり洗い
  2.1.1.ハードコンタクトレンズの外側のこすり洗い
  2.1.2.ハードコンタクトレンズの内側のこすり洗い
 2.2.ソフトコンタクトレンズのこすり洗い

コンタクトレンズが原因で起こる目の病気 (参考文献 3)

コンタクトレンズは様々な目の病気の原因になることがあります。コンタクトを長い時間付けていると、黒目の部分 (角膜) にキズが付いたり、そこにある細胞がはがれたりすることがあります。

そのキズからばい菌やカビが入り込むと「角膜潰瘍」という、黒目に強い炎症が引き起こされた状態になることがあります。この角膜潰瘍は治りにくく、治ったとしても黒目が白く濁ってしまったり、視力低下が残ったりしてしまう場合が多いので、十分な注意が必要です。

またコンタクトレンズの汚れによって、アレルギー症状が引き起こされることがあります。この状態になると、かゆみが生じたり、目ヤニなどが多く出たりして、コンタクトが付けられない状態になることがあります。

コンタクトレンズの正しいこすり洗いの方法 (参考文献 4)

こすり洗いは1日使い捨てのコンタクトレンズを除く、再使用可能なレンズの全てで行うべき洗い方です。この章ではこすり洗いの正しいやり方について、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分けて解説します。

このこすり洗いは日本コンタクトレンズ学会が推奨している方法ですので、ぜひ皆さんも実践してみてくださいね。

※ソフトコンタクトレンズを使用している方はハードコンタクトレンズの章を読み飛ばしていただいても問題ありません。

ハードコンタクトレンズのこすり洗い

ハードコンタクトレンズのこすり洗いはレンズの内側と外側とに分けてこすり洗いを行います。

ハードコンタクトレンズの外側のこすり洗い

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①まず石けんを用いて手をよく洗いましょう。
②きれいな手でコンタクトレンズを外します。
③外したレンズを水道水、または専用のすすぎ液ですすぎます。
④利き手と反対の手のひらの上に、レンズの内側が上になるように乗せます。
⑤そこに洗浄液を4-5滴、水道水を数滴たらします。
⑥利き手の人差し指の腹を、コンタクトレンズの内側に当てて軽く押さえます。
⑦レンズを前後左右に動かし、泡立つように30回ほどこすり洗いをします。

ハードコンタクトレンズの内側のこすり洗い

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①レンズの外側のこすり洗いが終わったら、利き手の親指、人差し指、中指でレンズを持ちます。
②レンズの内側を親指の腹で泡を立てるように、やさしく30回ほどこすり洗いをします。

これは汚れが目立たない人のこすり洗いです。汚れが強い人は、手のひらの上にレンズを乗せ、反対側の指でレンズの内側を念入りにこすり洗いします。

内側のこすり洗いの後は、水道水または専用のすすぎ液で、ぬめりが取れるまでよくすすぎ洗いをします。そして、保存液を満たしたレンズケースにレンズを保存します。

ソフトコンタクトレンズのこすり洗い

ソフトコンタクトレンズのこすり洗いについて解説します。

①ハードコンタクトレンズと同様、手を石けんで洗い清潔にします。
②コンタクトレンズを外し、保存液でレンズをすすぎます。
③そして、利き手と反対の手のひらにコンタクトレンズを乗せ、洗浄液を数滴落とします。
④利き手の人差し指の腹でコンタクトレンズを軽く押さえます。
⑤指をいろいろな方向に動かすとレンズが傷付くことがありますので、レンズを押えた指は、一定の方向にやさしく動かします。
⑥このとき、力を入れずに洗浄液が泡立つように、表面を約20-30回こすります。
⑦レンズ外側をこすり終えた後、コンタクトレンズをひっくり返し、同様に内側も洗います。

ソフトコンタクトレンズの中には、20-30回こすると傷つきやすい種類があります。高含水性ソフトコンタクトレンズ (2週間交換) などがそれに当たりますが、あなたのコンタクトレンズはどうでしょうか。購入した眼科などで確認するようにしてくださいね。

この記事では一般的なこすり洗いを、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズに分けて解説しました。コンタクトレンズによって管理の仕方が少し異なるので、コンタクトレンズの添付文書や眼科医の指示に従ってくださいね。

正しいコンタクトレンズのこすり洗いでキレイなコンタクトレンズを使いましょう!

参考文献

COI

本記事について、開示すべきCOIはありません。

COIの開示基準については、日本内科学会の『医学研究の利益相反(COI)に関する共通指針』に準じています。より詳細はこちらをご覧ください。

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