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2022.07.06

【新発見!】最近の研究から見えてきた、低炭水化物ダイエットの問題点とは

ダイエットプラス

現在、多種多様なダイエット方法がありますが、中でもよく耳にするのが、炭水化物を制限したダイエットです。この「低炭水化物ダイエット」が、腸の健康に悪影響を及ぼすかもしれないという、研究結果が報告されました。今回は、その全容を管理栄養士の視点からご紹介いたします!

そもそも、炭水化物ってどんな栄養素?

炭水化物とは

ぶどう糖や果糖などの単糖から構成されているものを総称して「炭水化物」と言います。炭水化物には大きく分けて、体内に吸収されてエネルギー源となる「糖質」と、消化吸収されずエネルギー源として、ほぼ使用されない「食物繊維」に分けることができます。

糖質のエネルギー量と役割

炭水化物のうち、ショ糖やでんぷんなどの糖質は、体の中で約4kcal/gのエネルギーを生産します。主な役割は、脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋等、通常はぶどう糖(グルコース)しかエネルギー源として利用できない組織にぶどう糖を供給することです。

食物繊維のエネルギー量と役割

食物繊維は、腸内細菌による発酵分解によって、エネルギーを生産しますが、有効なエネルギーは0~2kcal/gと考えられており、ほとんどエネルギー源としての役割は担っていません。
一方、食物繊維の摂取量は、数多くの生活習慣病の発症率又は死亡率との関連が検討されています。例えば食物繊維をほとんど摂取しない場合に比べて、20g/日程度摂取していた群では、心筋梗塞の発症率が15%程低かったとの報告もあります。

では、「低炭水化物ダイエット」が腸の健康に悪影響を及ぼすかもしれないという、今回の研究結果を見ていきましょう。

「低炭水化物ダイエット」に関する研究とは

キーとなるのは、食事パターン!

今回の研究では、食事パターン別に5つのグループに分け、グループごとの腸内細菌の分析を行ったものです。5つの食事パターンは次の通りです。

1.植物ベース

肉をほとんど、または全く摂取せず、果物、野菜、全粒穀物を大量に摂取する、菜食主義食及び、ビーガン(厳密菜食主義者)食のグループ。この食事は他の4つの食事パターンと比較して、食物繊維が最も多かったとされています。

2.フレキシタリアン

植物ベースの食品を豊富に食べ、肉を少々と大量の乳製品を摂取するグループ。

3.健康志向の米国人の食事

ナッツ、全粒穀物、乳製品が豊富で、甘いお菓子や精製穀物も多いグループ。野菜の摂取が少ないのも特徴です。

4.標準的な米国人の食事

砂糖入り飲料と、加工食品の摂取量が最も多く、植物ベースの食品の摂取量が最も少ないグループ。食物繊維の摂取量が最も少ないなど、すべてのグループの中で最も食事の質が低いとされています。

5.エクスクルージョンダイエット

この制限食は、他のすべてのパターンと比較して炭水化物が最も少なく、脂肪と動物性食品が最も多いグループ。でんぷん質の食品やスイーツはほとんど含まれなかったとされています。

腸内細菌の分析結果

ポイントは「食物繊維」+α

今回の分析結果で、腸内細菌の一つの環境における多様性は、フレキシタリアンに比べて、標準的な米国人の食事の方が有意に低いことがわかりました。
またエクスクルージョンダイエットを摂取した人が、ビフィズス菌の量が最も少ないことも見えてきました。両者の共通点は、「食物繊維」を摂っているかどうかということです。

しかし、食物繊維を一番摂取している植物ベースの食事と、標準的な米国人の食事の腸内細菌叢の多様性が類似していることから、単純に食物繊維だけでは腸内細菌が活動するのに適した環境とは言えないことが分かりました。食物繊維だけでなく、動物性たんぱく質も微生物の多様性を高めることにつながっているとも考えられます。

まとめ

管理栄養士がみる、今回の研究結果とは

今回の研究結果を踏まえみえてきたことは、有効性が確認されている栄養素でも、そればかりに頼って偏った食事をしてはいけないということです。糖質の代謝にビタミンB1が必要なように、それぞれの栄養素は相互性を持っています。それぞれの特性を活かすことができるように、日ごろから、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(食物繊維、ビタミン、ミネラル)を意識した食事が大切であるということですね。

【参考文献】
・LINK・de・DIET世界の最新健康・栄養ニュース/栄養/人気のダイエットが腸の健康に悪影響を及ぼす?
(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=77070&-lay=lay&-Find.html)
閲覧日:2022年3月8日

・伊藤貞嘉、佐々木敏監修「日本人の食事摂取基準2020年版」第一出版,2020年

(著者:山田 みゆき (管理栄養士))

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