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2022.02.05

ごちゃつきがちな薬。整理の進め方と意識したいポイントとは【前編】

kencom公式:ライフオーガナイザー® ・門傳奈々

病院や薬局で購入した「薬」はどのように管理・整理をされていますか?部屋の中で薬の袋がごちゃごちゃになっていたり、期限切れの薬がそのまま放置されていたりと、整理にまで気持ちが回らない方も多いのではないでしょうか。

今回のテーマは「薬の整理」。前編では「薬の整理の進め方」について、後編では「飲み忘れをしないための仕組みづくり」についてお伝えします。

薬を持ち帰ってまずやることは?自身の行動を振り返ろう

皆さんは、病院や処方箋薬局から薬を受け取り、帰宅後どのような行動をとっていますか?

筆者の場合は、袋から薬を取り出すことなくキッチンカウンターに置いて安心してしまいます。この先は手洗いうがいなどを済ませ、薬のあるキッチンに戻ってくるわけですが…。その後もそのまま薬を放置してしまうことがほとんどです。

このように薬の収納方法や置き場が決まっていないと、置きっぱなしにした場所から薬を取り出して飲む、という行動が続きます。

薬が他の物で埋もれず飲み忘れることもないなら、その場所があなたにとっての「薬の定位置」ですが、飲み忘れたり他の物に薬が埋もれてしまう場合は、整理の仕方などを一度見直してみましょう。

薬の整理でまずやることは?

薬の整理を進めるにあたりまずしておきたいことは、薬の取り扱いで「何にストレスを感じるのか」を確認することです。例えば以下のような事柄です。

・薬の種類が多い
・薬の説明書の文字が小さい
・薬の形状が異なる(粉末、錠剤、クリーム、貼るものなど)
・薬の服用のタイミングがバラバラ
・(子どもの場合)兄弟によって種類が異なる
・保管場所に指定がある(常温保存、冷暗所保存など)

自分にとってストレスに感じるのはどの点かを知っておくことで、整理の方法が変わってきます。

薬の整理の進め方と大切なポイント

整理する前に処分する薬がないか確認を

使用期限を確認するのを忘れずに。

使用期限を確認するのを忘れずに。

まずは薬を整理する前に、以下のことを確認しておきましょう。

・今もしくは近い将来飲むものかどうか
開封してから期間の経った薬や、もう症状がなく飲む必要のない薬など、家の中を見渡してみると「いま必要ではない薬」が結構出てくるものです。それらはこれを機に処分しましょう。処分の方法は、薬の種類などによって異なるため自治体の決まりに沿って行ってください。

・使用期間が切れていないかどうか
薬のパッケージには、薬の使用期限が書いてあります。小さい文字なので見えづらい場合もありますが、表記を確認して、期限が切れているものはすぐに処分しましょう。

薬の整理作業の進め方

薬の整理では「出す→分ける→収める」の順番で作業を進めていきます。それぞれ具体的な進め方を見ていきましょう。

筆者と子供3人の薬を出してみると、写真ほどのボリューム。

筆者と子供3人の薬を出してみると、写真ほどのボリューム。

1.出す
まずは、現在服用している薬を全て出してみます。この段階では、服用する人や回数、薬の形状などがバラバラでも構いません。薬を出して並べ、ボリュームや形状などを俯瞰してみることが大切です。この段階で「どのようにしまうか」「どこにしまうか」を思い浮かべてみても良いでしょう。

分けるだけでもスッキリするのがわかります。

分けるだけでもスッキリするのがわかります。

2.分ける
出した薬を分けていきます。複数の人が飲む薬が混ざっていたら、この段階で人別に分けるようにしましょう。

また、冷蔵庫で保存する必要のある薬は、この段階で冷蔵庫に入れます。複数の病院から薬が出ている人は、病院別に分けたり服用のタイミングで分けてみましょう。

クリップで留めて壁にかける方法も。

クリップで留めて壁にかける方法も。

3.収める
家族別、病院別、服用タイミング別に分けたものをそれぞれ収納していきます。クリップで留めたり、ボックスに入れたり、ジッパー袋に入れるなど、自分が使いやすいと思った方法でまずは試してみましょう。

薬は「キレイに収納」がゴールではない

薬の整理で気をつけたいのは「キレイに収納する」というよりは、「飲み忘れないように収納すること」です。そのため、見えないと飲み忘れるという方は、薬を出しっぱなしにしておいたほうが良いでしょう。

その場合は、出しっぱなしでもよい収納を意識してみましょう。記事後編では「飲み忘れを防ぐための仕組みづくり」についてお伝えます。

▼後編はこちら

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著者プロフィール

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■門傳奈々(もんでん・なな)

ライフオーガナイザー(R)、メンタルオーガナイザー(R)、シニア生活環境オーガナイザー、整理収納アドバイザー1級。東京都在住。夫と子ども3人の5人家族。
結婚を機に国内外の引越しを経験する。その中で「暮らしを整えること」が人生において大切な軸になると感じ、2017年にライフオーガナイザー1級を取得。誰でも簡単にできる片づけの方法を伝えるため、講座の開催や整理収納に関する記事の執筆、個人宅を訪問しての片づけ作業を行っている。

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