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2021.10.09

本棚整理のイロハ。自分に合った本の買い方、手放し方、整理の仕方は?

kencom公式:ライフオーガナイザー® ・門傳奈々

書店やインターネットで簡単に購入できる「本」は、家の中でも増えやすいアイテムの1つです。「いつかまた読み返すかもしれないから…」と思っている本や、思い入れのある本は手放すのが難しいかもしれません。

とはいえ、家のスペースは限られているため、手元に残す本を選び上手に整理収納をしましょう。今回は「本の手放し方」と「整理術」をお伝えします。

まずは手元に残す基準を決め、4つに仕分ける

10冊程度ならすぐに仕分けることが可能。これを何度か繰り返して本棚全体を整理。

10冊程度ならすぐに仕分けることが可能。これを何度か繰り返して本棚全体を整理。

片づけの基本は、「ものを(棚などから)全部出す」⇒「分ける」⇒「戻す(手元に残すものだけ)」⇒「キレイな状態を維持」という4ステップで完了します。

しかし、本が床に高く積まれていたり家の中で点在している場合は、1ヵ所にまとめる作業が難しいこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、「10冊ごとに整理する」という方法です。

10冊程度なら短時間でも整理ができ、何日かに分けて作業することもできます。また、量が少ないので、判断もつきやすくなります。もちろん一気に整理したい方は、もっと数を増やしても大丈夫です。具体的な方法は、本を10冊(もしくはそれ以上)出したら、以下の4つに分けていきます。

・手元に残す
・売る
・譲る、寄付する
・処分する

手元に残す基準は?

作業する前に「手元に残す基準」を決めておきましょう。それをしないと、作業に入ってから悩む時間が増えてしまうからです。基準がはっきりしていれば作業効率もグッと上がります。筆者の場合は以下の4つを基準にしています。

・紙媒体として残しておきたいもの
・仕事で活用するもの
・この1年、折に触れて読んでいるもの
・自分にとって価値を感じるもの

それ以外のものを「売る」「譲る(寄付する)」「処分する」に分けていきます。続いては、それぞれの方法を一つ一つ見ていきましょう。

本の手放し方「売る」「譲る」「処分する」

その1「売る」

「売る」方法としては、リサイクルショップに買い取ってもらったり、フリマアプリなどの活用があります。

しかし、1度人の手に渡った本は、よほど貴重なものでない限り高値で売れません。筆者は本を売る際、リサイクルショップへ持ち込むかフリマアプリを活用していますが、比較的高く売れた本は以下のようなものです。

・販売して間もない本
・子育ての本
・資格関連の本やテキスト
・専門書

これらは探している人が比較的多く、買い手がつきやすいこともあり本の販売価格の6、7割で売れることもあります。反対に、値段が安くフリマアプリでもなかなか売れないものもあります。

・数年前のベストセラー本
・書き込みなどがしてあるもの
・絵本
・子どもの本

これらは供給量も多いので、価格も上がりません。ただし、絵本や子どもの本は、夏休みなどの長期休暇になると動きが良くなることがあります。おそらく読書感想文の本を探している人が多くなるからでしょう。

そしてフリマアプリで売る場合は、本の状態を撮影、説明文の投稿、値段設定、売れたら梱包して発送、という手間が発生します。その手間と時間をかけても売りたいか、自分に問いかけてみましょう。

その2「譲る・寄付する」

古くなった書籍を友人や知人に譲ったり、団体などに寄付することもあります。その基準は、それぞれ以下の通りです。

<譲る基準>
・友人、知人が読みたがっている本
・小さな子どもがいる友人に(絵本を)譲る

<寄付する>
・まだ読めるが、買い手がつかないもの
・一気に片づけたい時にまとめて寄付する
・1、2冊のためにフリマアプリに掲載する手間が面倒な時

寄付する場合は、団体によって古本だけでなく、CDなども受け付けてくれるところや、寄付する先を指定できるところもあります。また、配送料がかかる場合もあるので、どこに寄付するのが一番自分に合っているかを調べてから決めるのが良いでしょう。せっかく「役立てたい」という気持ちで行動しているのですから、気持ちよく送り出すことができると良いですね。

その3「処分する」

上記に当てはまらないものは処分しましょう。破れやページの欠けているもの、汚れや劣化の激しいものなどは処分の対象になります。自治体の指示に従って処分しましょう。

手元に残す本が決まったら収納していく

続いて手元に残す本だけを収納していきます。本棚にまとめて収納するもよし、読む場所の近くに収納するもよし、取り出しやすければ本棚以外に収納するのも良いでしょう。我が家の本の収納アイデアをいくつか紹介します。

収納アイデア1:所有者別に収納する

場所を決めておくと、これ以上増やさない意識が生まれる。

場所を決めておくと、これ以上増やさない意識が生まれる。

我が家は筆者と夫、中学1年生の長男、小学4年生の長女、幼稚園年長の次女の5人家族です。大人2人の本だけでなく、子どもたちもマンガや本が好きなので、本棚にはいつも本がいっぱい溢れています。そのため、本棚に限らず読む場所の近くにも収納しています。

夫婦2人の本は上写真の通り、上が筆者、中央が共用、下が夫の本と、人別に収納しています。こうすることで自分の場所に入る分だけ本を持つ意識が生まれます。

奥行きがある場所は、手前に背が低い本、奥に背が高い本を収納。

奥行きがある場所は、手前に背が低い本、奥に背が高い本を収納。

(長男)漫画はベッドの隙間を活用。

(長男)漫画はベッドの隙間を活用。

また、収納する場所がないからと安易に本棚を買うのではなく、まずは身近な場所に収納できないか工夫します。長男の漫画の場合は、二段ベッドの背の部分にあるちょっとした空間に板を貼り、その上に収納しています。漫画のサイズ感とぴったりです。

収納アイデア2:読む場所の近くに収納する

この本棚には夜寝る前に読む本を収納。

この本棚には夜寝る前に読む本を収納。

夜寝る前に読む本は、ベッドサイドの棚に収納しています。ベッドから手を伸ばせば届くので、読み終えた本を棚に戻してから就寝します。こうすれば本の散乱を防ぐことができます。

レシピ本は台所に収納すると読みたいときにすぐ取り出せる。

レシピ本は台所に収納すると読みたいときにすぐ取り出せる。

キッチンで読むことが多いレシピ本は、シンクの下に収納しています。「あのレシピの料理を作りたい!」と思った時にすぐに取り出して確認できるので便利です。

本を増やさないためにできることは?

本は、収納スペースもそれなりに取りますし、数が増えるほど整理するのに時間と労力がかかります。そこで考えたいのが「本の買い方を考えること」と「電子書籍の活用」です。本の買い方を変えるには、購入前に次のようなことを考えてみるのも良いでしょう。

・読み終わった本の収納スペースはあるか
・読み終わったら売るのか、手元に残すのか
・電子書籍で読めないかどうか
・図書館で借りられないかどうか
・紙媒体で持ち続けたいか

そして電子書籍を上手に活用してみましょう。電子書籍用のアプリを活用してみると、その使い勝手の良さに驚きます。筆者も少しずつ電子書籍を取り入れていますが、以下のようなメリットとデメリットを感じています。

<電子書籍のメリット>
・場所を選ばずに読める
・軽いので持ち運びできる
・安価に購入できる
・ページの行き来がラク
・キッチンなどの水回りでも安心して読める
・文字の拡大がすぐにできる

<電子書籍のデメリット>
・姿勢が悪くなる
・長時間見ることで視力への影響が考えられる

自分に合った本の買い方、手放し方、整理の仕方を見つけよう

本棚は、日常生活の中で片づけの優先順位が低い場所です。しかしおうち時間の増加で本を買って読む機会が増えた方が多いのではないでしょうか。新しい本を買う前に、一度自分に合った本の買い方や手放し方、整理の仕方を見つけてみましょう。

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著者プロフィール

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■門傳奈々(もんでん・なな)

ライフオーガナイザー(R)、メンタルオーガナイザー(R)、シニア生活環境オーガナイザー、整理収納アドバイザー1級。東京都在住。夫と子ども3人の5人家族。
結婚を機に国内外の引越しを経験する。その中で「暮らしを整えること」が人生において大切な軸になると感じ、2017年にライフオーガナイザー1級を取得。誰でも簡単にできる片づけの方法を伝えるため、講座の開催や整理収納に関する記事の執筆、個人宅を訪問しての片づけ作業を行っている。

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