2021.10.02
キッチンでかさばる「保存容器」に困ってない?スッキリ収納を専門家が伝授
どのご家庭にもあるものにかかわらず、うまく整理できず困っている人が多いアイテムが「保存容器」です。保存容器はたくさんあると安心ですが、量が増えると片づかない原因になります。
今回は、保存容器の収納の仕方について紹介します。
保存容器、そもそもの役割は?数は何個持っていますか?
そもそも保存容器は、食料品を保存させるためのものです。中身を入れて使用することでその存在意義があります。ですから、中身を入れていない保存容器が収納場所を占領しているのは、使い方と持ち方のバランスが崩れていると言えます。
「いつか使うかもしれない」と思い、家の中のスペースを使っていませんか。その「いつか」はいつ訪れるのでしょうか?少し考えてみましょう。
次に、家の中に保存容器が何個あるか数えてみましょう。
おかずを作り置きしている場合は、冷凍庫、冷蔵庫にたくさん並んでいるかもしれません。上手に活用できている場合は良いのですが、保存容器がキッチンの引き出しから溢れそうになっているなら数を見直してみたほうが良さそうです。
いつも保管している場所以外もチェックし、使用中と未使用が合わせて何個あるか数えます。すると、思っているよりも数が多いことに気がつくと思います。
実例:1週間で保存容器をいくつ使用したか数えてみた
筆者宅の保存容器の一部。用途によってサイズや素材を変えて使用。
筆者も自宅にある保存容器を洗い出してみました。作り置きなどの習慣がないので、保存容器をそれほどたくさん持っていません。その数は10個以内に収めているつもりでしたが、数えてみると、全部で16個ありました。
その16個の保存容器をどのくらい効率良く使用しているのか、1週間単位で数えてみました。「使用していない数=無駄な数」とは簡単に言い切れませんが、1週間で何個使用するのかは知っておくと良いでしょう。
筆者の場合、1週間で使った数は16個中の13個でした。使用した数が多ければ、効率よく使用しているといえます。反対に1週間以内に使わない保存容器の数が多いと、持ち数を減らしても良いかもしれません。
保存容器の収納方法、4つのポイント
キッチンの一番下の引き出し、赤枠内に収まる分だけ持つと決めています。
「ここに収まる分だけ持つ」という意識を
保存容器は、そもそも収納しておくためのものではありません。ですから、保存容器を収納する場所はそれほど大きく取らなくても良いのです。「このスペースは保存容器のための場所」と決めたら、その場所を広げてしまわないように持ち数に気をつけましょう。
フタと容器は別々にし、近くに収納する
保存容器はフタをしたままだと収納場所を取ってしまいますので、フタは外して本体の近くに立てて収納しましょう。本体は、積み重ねられるようであれば積み重ねて収納しておくとスペースを有効に使うことができます。
使用頻度の高いものは、手前に収納する
保存容器に限らずですが、引き出しや棚に収納する場合は「使用頻度の高いものを手前に収納」するようにしましょう。手前にあれば、引き出しを全部引き出さなくても取りたいものをサッと取り出すことができます。
安易に買わない意識を
プラスチック製の保存容器は、100円ショップなどで手軽に購入できるため、購入のハードルが低く数も増えやすくなります。これを防ぐには、安易に買わないように気をつけることと、保存容器が足りなくなったら他のもので代用できることを知っておくと良いでしょう。
筆者の場合、保存容器の代用品として以下のものを実践しています。
<冷蔵保存の場合>
・食器(耐熱用)+ラップ
・ジッパー付き保存袋
・ポリ袋(電子レンジ加熱が可能なタイプ)
<冷凍保存の場合>
・ラップ
・ジッパー付き保存袋
・ポリ袋(冷凍できるタイプ)
上記を試しながら、明らかにプラスチック製品の利用が多い、ゴミの排出量が多い、などの問題が出てきたら保存容器の購入を検討します。
保存容器の選び方のポイントは?
どのような食材を入れることが多いのかを考えて買う
普段の生活から、保存容器にどのような食材を入れることが多いのかを考えアイテムを選ぶのが良いでしょう。例えば、筆者宅の場合は以下の食材を入れます。
<冷蔵保存>
・ピクルス、漬物
・おかず(カレーやシチューが多い)
<冷凍保存>
・ご飯の冷凍
・常備菜が余った時に冷凍
カレーなどを冷蔵保存する場合は、プラスチック製のものに入れると匂いや色移りしてしまうので琺瑯やガラス製の保存容器に入れています。琺瑯容器は、直火にかけられ便利ですし、ガラス製のものは電子レンジ加熱ができるものを選んでそのまま加熱しています。こうすれば、鍋に移し替える手間が省け、洗い物も減らすことができます。一方冷凍保存する場合は、プラスチック製の保存容器を選んでいます。
収納する際に積み重ねられるようサイズを考えて買う
サイズ違いのものは入れ子にして収納。
保存容器を選ぶ際のポイントの1つは、サイズ感を意識することです。同じメーカーのものだと積み重ねて収納できるため、サイズ違いのものを購入しても良いでしょう。入れ子で収納することができるため便利です。
食料品以外のものを入れても良い
保存容器に入れておけば引っかかる心配もなく安心。
主にキッチンで使用する保存容器ですが、もちろんキッチン以外でも使用できます。透明や半透明のものが多い保存容器は、おもちゃや衣類の収納にも一役買ってくれます。
<子どものおもちゃ入れに>
細々としたおもちゃを保存容器に入れておけば、中身が見えるため探しやすくなります。例えば細かいパーツのブロックを色や形別に入れたり、人形と洋服をセットで入れても良いでしょう。保存容器は、子どもの力でも簡単にフタが締まるので、子どもの片づけ習慣をつけるのにもおすすめです。
<タイツ、ストッキング入れに>
少しの引っ掛かりで傷ができやすいストッキングやタイツも保存容器に入れて収納すると便利です。まとめて入っていることで見つけやすいですし、容器に入れておけば傷もつきにくくなります。
暮らしに合った「数」を持つ意識を
家の中で増えてしまいがちなものの1つ「保存容器」。収納を考える以前に、まずは「数の見直し」をしてから、収納する枠を決めましょう。また、保存容器を買う際は、サイズ感や素材を吟味してみましょう。
そして忘れずに意識したいのが、保存容器はあくまで「保存するための容器」であること。使っていない容器がたくさんある場合は、持ちすぎも考えられます。暮らしと数のバランスを考えてみると整理しやすくなりますよ。
▼門傳さんの過去の記事もチェック!
著者プロフィール
■門傳奈々(もんでん・なな)
ライフオーガナイザー®、メンタルオーガナイザー®︎、整理収納アドバイザー1級。夫と3人の子どもがいる5人家族。夫の転勤に伴い、中東、インドなどで海外生活を送った後、日本に帰国。「片づけが苦手」だった自分の経験を生かし、だれでも簡単に整理できる収納方法を提案するため、個人宅を訪問しお片づけのお手伝いをしたり、お片づけ講座、お片づけお悩みシェア会などを開催。