メニュー

2021.09.04

大人の親子間コミュニケーションの取り方。意識したい7つのこと

kencom公式:ライフオーガナイザー® ・門傳奈々

記事画像

親の老後の暮らしや介護、葬儀のことなどが気になる年齢になると、親にどう話を切り出したら良いのか悩んでしまいますね。今回は、筆者の実例を交えて「大人の親子間のコミュニケーションの取り方」をお伝えします。

親の老化に自分の気持ちが追いつかないことを理解する

記事画像

筆者の親はともに健在ですが、年齢的には後期高齢者です。遠方に住んでいるため、会えるのは年に数回ほど。たまに会う親の姿は、会うたびに年老いていくように思えます。親の老化という現実に筆者自身、気持ちが追いついていないことを毎回実感して帰路につく…そんな状態です。

大きな存在であった親が、老化と共に小さい存在に感じることもありますが、親とのコミュニケーションを考える時、まずは自分が考える親の姿よりも実際の親は年老い、判断力などのスピードが落ちている、ということを理解することが大切です。

同じような経験をしていませんか?筆者の失敗例

先述の通り、親の老化を自分が受け入れられないでいると、親とのコミュニケーションもうまくいかないことが増えてきます。筆者も親とのコミュニケーションで険悪なムードになってしまったり、言い争ってしまった失敗があります。そこで、経験した失敗例をいくつか紹介します。

失敗例1:親の都合を考えずに行動

記事画像

実家の片づけが気になった時に起こった失敗です。「実家に帰ったタイミングで実家を片づけよう」と、帰省してすぐに片づけをスタートし、親には「物が多すぎるよ、片づけるよ!」と一方的に伝えてしまいました。

「これいるの?」「もう使っていないんじゃない?」など処分するよう促し、初めのうちは両親も「いや、それはまだ使っているよ」「それはないと困る」などとやんわり断っていましたが、最後は「もう、自分たちでやるから触らないで!」と強く言われてしまいました。

今思えば、「高齢になっていると物の処分が大変になってくるから、今のうちに手伝わせて欲しい」と素直に言えばよかったと反省しています。

失敗例2:子ども側の思いの押し付け

記事画像

父親に免許を返納して欲しいと思った時に生じた失敗です。高齢者の車の事故の報道を見るたびに、「父親が車の運転で事故を起こしたらどうしよう。他の人に迷惑をかけたらどうしよう」と心配ばかりしていました。

帰省した際、父に事故の報道を見ると心配になることや、免許の返納について話を切り出しました。父親も返納については考えていたようで、「次の書き換えを最後に返納する」と約束しましたが、いざその時期が来ると「やっぱり車は必要。返納しない」と言いだす始末。

その時筆者は「もういい歳なんだから、返納しないと。事故を起こしたらどうするの?困るのはお父さんだよ!」と強い口調で責めてしまいました。やりとりは電話でしたが、明らかに父は落ち込んでいる様子でした。言いすぎたと思ったものの、その場で謝ることはできず、そのまま電話を切ってしまいました。

失敗例3:親の返答を待たずに先回り

記事画像

親も老化とともに話し方が遅くなったり、反応が鈍くなったりしてきます。頭では理解しつつも、返答が遅い親に対して「つまりこういうことだよね」と、親の言いたいことを先回りして話をどんどん進めてしまいます。
そんな子どものイライラは親に伝わるようで、親も言葉を飲み込んでしまい、言いたいことを言えずにいるのです。

このように失敗談は挙げればきりがないのですが、子ども側の気持ちの押し付けや、親への理解不足が失敗を生んでしまいます。以上のことから、親子間のコミュニケーションで大切なことをご紹介します。

大人の親子間コミュニケーションで意識したい7つのこと

記事画像

1.親の話を聞く姿勢が大切

先述の失敗から学んだことは、親の話、言い分を聞いてあげる姿勢を忘れないようにすることが重要だということ。子ども側の意見を押し付けるのではなく、親に「どうしてこうなったのか」「どう思っているのか」「どうしたいのか」をひとつひとつじっくり聞いていくことが大切です。

その際は、「共感」と「傾聴」を忘れずに。相づちや親の話を広げてあげることで親がもっと話をしたくなります。しばらくすると、本当はどう感じているのか本音で話してくれるようになります。

2.親の悲哀を理解する

誰でも老化は悲しかったり苦しかったりするものです。そのため、親も自分自身の老化に気持ちが追いつかない場合があります。

できることができなくなる悲しさや、体が思うように動かせない苦しみは本人にしかわからないことです。その不安や悲しさが親自身の殻に閉じこもってしまうといった態度に表れているのかもしれません。そんな親の気持ちをまずは理解してあげましょう。

3.親の体調を考慮して話をする

記事画像

筆者の義父は、梅雨時や雨の日に元気がないことが多く、気圧の変化に敏感なのかもしれません。

このように親の体調の良し悪しも考慮して話をすることが大切です。誰だって気分の悪い時に、難しいことを考えたり話したりするのは控えたいものです。「親だからいつでも子どもの話を聞いてくれるのは当たり前」と思ってはいけません。

4.急に話を振らない、返答を急がない

子どもが日頃考えていることを親も考えているとは限りません。今は元気な親に対して急に「延命措置の話を」といっても、親が普段考えていなければ受け入れられることは難しいでしょう。

また、すぐに返答を求めるのも親を困らせてしまいます。何か考えて欲しいことがある場合は、返答までに時間のゆとりを持ちましょう。

5.他の人の例を出してみる

高齢の親と話しておきたい事は、介護や病気、葬儀やお金のことなど、重い内容になりがちです。話も弾む内容ではないため聞き出しにくいですよね。

そこで有効なのが、他の人の例を出して聞き出すこと。

「会社の同僚の親が亡くなった時に『親にもっと早く聞いておけばよかった』と言っていたから聞かせて欲しい」など、例を出してみると話が進みやすくなります。

6.時間をかけて少しずつ話す

記事画像

今は元気な親に対して、老後の話や葬儀、お金の話をすると、嫌悪感をあらわにする方もいるようです。誰しも親の葬儀の話を好んでしているわけではなく、心配だからしているのです。その「心配だから」という気持ちを素直に伝えて、少しずつ話を進めていきましょう。

7.手段を変えて伝える

直接話すのは気まずい、話せないという場合は、手紙などに気持ちや聞きたいことを書いて親に届けるのも良いでしょう。面と向かって聞いたり答えにくいことも、手紙ならできることがあります。

大切なのは気持ちのやりとり

記事画像

他人に対して抱く遠慮や思慮深さが親子の間では薄くなりがちです。そのため、厳しい言葉や気持ちの押し付け合いになってしまうこともあります。「本当はこんなこと言いたくないのに勢いでつい言ってしまった」といった失敗は誰にでもあるでしょう。

親子の間のコミュニケーションで大切なことは、気持ちのやりとりです。親は「子どもに迷惑をかけたくない」、子どもは「親が心配。役に立ちたい」というものではないでしょうか。その気持ちをやりとりするつもりで言葉を選び、親子のコミュニケーションをとってみませんか。

▼門傳さんの過去の記事もチェック!

著者プロフィール

記事画像

■門傳奈々(もんでん・なな)

ライフオーガナイザー®、メンタルオーガナイザー®︎、整理収納アドバイザー1級。夫と3人の子どもがいる5人家族。夫の転勤に伴い、中東、インドなどで海外生活を送った後、日本に帰国。「片づけが苦手」だった自分の経験を生かし、だれでも簡単に整理できる収納方法を提案するため、個人宅を訪問しお片づけのお手伝いをしたり、お片づけ講座、お片づけお悩みシェア会などを開催。

この記事に関連するキーワード