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2021.08.05

新型コロナが流行すると喘息憎悪が減るのはホント?【kencom監修医・最新研究レビュー】

kencom監修医:石原藤樹先生

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手洗いの徹底やマスクの着用などにより、風邪やインフルエンザなどの感染症に罹ることが減りました。これにより、どのような影響があるのでしょうか。

当連載は、クリニックでの診療を行いながら、世界中の最先端の論文を研究し、さらにkencom監修医も務める石原藤樹先生の人気ブログ「北品川藤クリニック院長のブログ」より、kencom読者におすすめの内容をピックアップしてご紹介させていただきます。

今回ご紹介するのは、Lancet Respiratory Medicine誌に2021年7月9日ウェブ掲載された、新型コロナウイルス感染症と気管支喘息についての解説記事です。

▼石原先生のブログはこちら

コロナ流行により気管支喘息の急性憎悪が減っている?

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新型コロナウイルス感染症が流行することにより、増える病気もあり、また減る病気もあります。

増えている病気の代表は痛風で、新型コロナウイルス感染症が流行して以降、クリニックでも痛風発作で受診される患者さんが、多分3倍くらいには増えています。

おそらくはコロナの流行で在宅ワークが増え、運動不足になった上に、間食でお菓子を食べたり夜遅くにインスタントラーメンを食べるような食生活が、内臓脂肪の増加に拍車を掛けて、尿酸値がボーダーラインであったような人が、高尿酸血症に進行して、痛風の増加に繋がったのではないかと思われます。

その一方で減っている病気もあります。その代表が「気管支喘息の急性増悪」です。

これは日本ばかりでなく、世界の多くの国で小児喘息、成人喘息を問わず認められている現象です。何故こうした現象が起こっているのでしょうか?

マスクなどの感染症対策が喘息の憎悪を防いでいる

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喘息の急性増悪はウイルス感染などの感染症がきっかけとなることが多いのですが、新型コロナウイルス感染症対策で、マスクをしたり密を避けたり、手洗いをしたりの予防習慣が定着することにより、コロナ以外のウイルス感染の機会が減り、それが急性増悪の減少に繋がっていると想定されています。

これは喘息の患者さんにとっては朗報ですが、喘息患者を診る医療者からすると、それを本当の喘息の改善と考えて良いのか、迷うところでもあります。通常小児の喘息治療のガイドラインにおいては、喘息のコントロールが改善し急性増悪がなければ、薬の減量などの措置を取ることが一般的です。

ただ、新型コロナウイルス感染症の流行期において、同じ理屈は当て嵌まらない可能性もあります。

新型コロナ流行期の他のウイルス感染の減少は、一時的な現象である可能性もありますし、環境要因が一時的に変化しただけで、喘息そのものの状態が改善した訳ではないという考え方もあります。

たとえば秋に喘息コントロールが改善しても、安易に薬の減量はするべきではない、という考え方があります。冬にはインフルエンザなどのウイルス感染症が増加するので、そのリスクを考えるべきだと言うのです。

一時的な現象である可能性も

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同様に、今の新型コロナ流行による環境変化は、一時的な現象であると考える必要があるのではないでしょうか?

新型コロナウイルス感染症流行期の喘息急性増悪減少は、非常に興味深い現象ですが、その解釈と治療変更への考え方については今後慎重に検証される必要がありそうです。

▼参考文献

<著者/監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。2021年には北品川藤サテライトクリニックを開院。著書多数。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36