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2021.07.09

メロンとパイナップル、血圧が気になるならどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.40】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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夏は冷たくひやした果物がおいしく感じますよね。最近では台湾産のパイナップルの人気が高まっているのだとか。甘みが強く、芯まで食べられるというのが人気の理由だそうですよ。

そこで今回は、今がおいしいパイナップルと、夏の果物の王様とも呼ばれるメロンを比べてみましょう。

メロンとパイナップル、血圧が気になるならどっち?

正解は、メロン

高血圧は日本人が罹りやすい生活習慣病のひとつです。様々な原因がある中で、そのひとつが「食塩のとりすぎ」といわれています。血圧が気になる中高年になると減塩を意識したいものですが、そうはいっても実践するのはなかなか難しい面があります。

そんなときは、「カリウム」という成分を意識してみましょう。カリウムは野菜や果物に多く含まれ、体内の余分な塩分を排出する働きがあるため、高血圧の予防に有効です。

このカリウムを多く含む果物が、メロンです。メロンのカリウム量は100g中340mg(※)、一方パイナップルは150mgと2倍以上の差があります。また夏の果物の代表、スイカは120mgなので、メロンのほうが約3倍も多く含まれているのです。

(※)温室メロンのカリウム量

パイナップルと相性のいい食材&酢豚にいれるメリットは?

一方、パイナップルに多い成分としては「食物繊維」があります。メロンの食物繊維量は100g中0.5gと少なめですが、パイナップルには1.2g含まれます。

この他にも、パイナップルには鉄分の吸収を高めるビタミンCやクエン酸が含まれているため、鉄分を多く含むほうれん草や小松菜と一緒にスムージーにすると好相性です。

また、そのまま食べてももちろんおいしい果物ですが、パイナップル入りの料理として代表的なものが酢豚ですよね。これは味を良くするだけではなく、パイナップルに含まれる酵素が肉のたんぱく質の消化を助け、胃もたれを予防するという役目もあるのです。ただし酵素は熱に弱いため、酢豚を作る際は仕上げにパイナップルを入れ、加熱をしすぎないよう注意しましょう。

生ハムにメロンは理にかなっていた!?

実は、メロンに生ハムの組み合わせも理にかなっています。メロンのカリウムによって生ハムの塩分が排出されやすくなるので、好ましい食べ合わせになります。

果物は夏の水分補給にも役立ちます。ぜひ旬の果物をおいしく健康的に召し上がってくださいね。

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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