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2021.07.12

レンチンしても柔らかい!夏バテ防止にも◎タンドリーポーク弁当

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

夏になると、疲れが抜けない、食欲低下、だるさなど、いわゆる「夏バテ」になってしまう方もいらっしゃるのでは。
暑いとどうしても喉越しの良い麺類ばかり食べてしまい、栄養素が炭水化物に偏りがちになります。炭水化物はとても身近なエネルギー源ですが、炭水化物だけ摂ってもその代謝を助けてくれる栄養素を一緒に摂らないとエネルギーにはなりにくく、結果夏バテのような体調不良が起こるのです。

今回は、夏バテ予防に良いお弁当として、ビタミンB1が豊富な豚肉を使ったおかずをご紹介します。
夏バテ予防には、まずエネルギーを代謝してくれるビタミンB群や、不足しやすいタンパク質やミネラルなどを意識しましょう。タンパク質を多く含む肉や魚、卵、大豆製品と、ビタミンやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜を毎食取り入れることが夏バテ防止に有効です。

また、夏は気温の観点から食中毒が心配な季節。お弁当をしっかり保冷するのが大切ですが、食べるときに温めなおしたお弁当は具が固くなりやすいことも。そこでレシピでは、温めなおしてもお肉が柔らかく、美味しく食べられるよう工夫しました。

レンチンしても柔らか!夏バテ予防のタンドリーポーク弁当

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材料(1人分)

豚もも肉 150g
赤ピーマン 1/2個


ヨーグルト 大さじ1
カレー粉 小さじ1
中濃ソース  小さじ2
ケチャップ  小さじ2
蜂蜜  小さじ1
生姜のしぼり汁 小さじ1

ブロッコリー 30g
ミニトマト  30g
ごはん 200g

主な栄養素

595kcal(男性25% 女性33%)
タンパク質 41.9g(男性70% 女性84%)
ビタミンB1 1.61mg(男性115% 女性147%)
ビタミンC 156mg(男性 女性とも156%)
※()内は1日当たりの所要量に対する充足率

作り方

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1.豚肉は角切りにし、フォークで穴を空けてから軽く塩胡椒をする。

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2.ビニール袋に豚肉と調味料(A)を全て入れてよく揉み込み、5分以上おく。

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3.クッキングシートを手で軽く揉んでくしゃくしゃにし、水で一度濡らしてから耐熱皿に敷く。乱切りにした赤ピーマンを入れて電子レンジ600Wで1分加熱する。

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4.2を加え、赤ピーマンをお肉の間に挟むように入れる。

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5.ふんわりとラップをして、電子レンジ600Wで2分加熱し軽く火を通す。

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6.ラップを取り、予熱したトースター1000Wで5~8分加熱する。

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7.粗熱が取れたら、茹でたブロッコリーとミニトマトと一緒にお弁当に詰める。

このお弁当の栄養ポイントを解説!

夏バテに特に注目して取りたい栄養素はビタミンB1

夏はそうめんやお蕎麦など口当たりの良い炭水化物や、アイスクリームなど糖質を多く摂りがちに。偏った食事が続くことで糖質を代謝しきれず、疲れの原因になってしまうのです。

この糖質をエネルギーに変えてくれるのがビタミンB1で、食材の中でも圧倒的に多く含まれているのが豚肉です。お肉の中でビタミンB1の含有量ランキングを調べると、60位中実に59個が豚肉なのです。特に豚もも肉に豊富に含まれており、このお弁当で一日分をゆうゆうにクリアできるのです。水溶性ビタミンで脂質が低い部位に多く含まれる傾向にあるので、部位で悩んだら脂質が少ない赤身を選ぶようにしましょう。

ヨーグルトでお肉を柔らかく

ヨーグルトにはお肉を柔らかくしてくれる成分があるため、脂質が少ない赤身肉でも柔らかくしてくれます。できれば一晩漬けるのが理想ですが、5分程でもよく揉めば効果が期待できます。

生姜も同じ効果があり、今回はヨーグルトと生姜のダブル使いにより、食べるときに電子レンジで再加熱しても比較的柔らかく食べられるようになります。

やっぱり食べるなら栄養価の高いもので効率よく

せっかく食べるなら効率よく、栄養価の高いものを食べたいですよね。

野菜からとれる栄養素はビタミンとミネラルです。特に緑黄色野菜には多く含まれる傾向にあり、今回使用している赤ピーマン、ブロッコリー、ミニトマトはどれも栄養価が高い野菜。
この1食でビタミンCは1日の150%以上を摂れてしまうのです。朝食を食べられなかったという時も、このお弁当を食べればビタミンCはばっちりというわけです。

カレー粉など香辛料で食欲増進

夏の食欲不振は、香辛料の刺激を利用してみましょう。

カレー粉は日本人にとてもなじみのある香りで食欲増進効果が期待できます。美味しさはもちろんのこと、辛味成分は消化器の粘膜を刺激し消化液の分泌も促すため、食欲だけでなく消化促進効果も期待できます。

夏場に気を付けたいお弁当のPOINT

夏はお弁当の食中毒が心配な季節です。以下の点に気を付けましょう。

お弁当を作るときの注意

・お弁当箱と調理器具は清潔に扱いアルコール消毒を
・おかずは素手で扱わない
・中までしっかり加熱する
・ご飯やおかずは冷ましてから詰める
・持ち運び時には保冷剤や保冷バッグを活用し、10度を超えないようにする
・できれば食べる直前に再加熱する

食中毒の基本は、①つけない②増やさない③やっつける(殺菌)です。以上の事をすればそんなに心配なことはありません。今回のお弁当は温めるときにミニトマトは別に分けておくとなお良いですね。

夏を元気に過ごすために、生活習慣も整えると○

夏はなんとなく不調を感じやすい季節。栄養価の高い食事に加えて、以下を意識して夏も元気に過ごせるよう心がけてみてください。

夏を快適に過ごす生活習慣

・規則正しい生活をおくる
・睡眠時間を十分にとる
・こまめな水分補給
・クーラーを上手に使う
・冷たいものの摂りすぎに注意する
・適度に汗をかく

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前田 量子(まえだ・りょうこ)

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管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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