2021.06.11
青じそと大根のつま、コレステロールが気になる時に刺身と一緒に食べたいのは?【管理栄養士がジャッジ Vol.38】
刺身の盛り合わせには必ず「青じそ」と「大根のつま」がついていますよね。これらの添え物は刺身の見栄えをよくするためだけでなく、食中毒の予防になるという役割もあります。
では他にも、身体によい働きが何かあるのでしょうか?
青じそと大根のつま、コレステロールが気になる時に刺身と一緒に食べたいのは?
正解は、青じそ
「青じそ」の香り成分には殺菌作用があるため、特にこの梅雨時期には大切な防腐作用を発揮します。さらに青じそには、食中毒予防だけでなく健康面でも期待できることがあるのです。
魚(特に青魚)にはオメガ3脂肪酸という脂が多く含まれます。オメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らしたり血栓(血のかたまり)ができるのを防いだりと動脈硬化予防の働きがあります。
ただ、オメガ3脂肪酸は酸化しやすいのが欠点。そのため、抗酸化作用の強い食材と一緒に食べるのがおすすめなのですが、青じそには抗酸化作用の強いべータカロテンやビタミンEなどのビタミンが多く含まれています。
特にべータカロテンは、にんじんが8,600μgに対して青じそは11,000μgも含まれるのが特徴(どちらも100g中)。青じそを1度に食べる量は少量ですが、それでも1枚で約100μgとれるというのはかなりのものです。
大根のつまを食べるメリットは?
一方、刺身の添え物として必ずある「大根のつま」は、刺身から出る水分を吸い取って鮮度を保つ働きがあります。また、大根の辛み成分であるアリルイソチオシアネートにも抗酸化作用があります。
ただ、アリルイソチオシアネートは水に流れ出やすいため、水にさらしてシャキッとさせて作る大根のつまには、抗酸化作用はあまり期待できないでしょう。
では、大根のつまを食べるメリットはなんでしょうか?それは、水に溶けだしにくい食物繊維になります。
ちなみに刺身に欠かすことのできない「わさび」は?
刺身に欠かせない薬味に、わさびがありますよね。わさびは醤油に溶く派ですか? 刺身に付ける派ですか?
わさびにも抗酸化成分のアリルイソチオシアネートが含まれています。醤油に溶くと成分が流れ出てしまうことになるため、刺身にわさびを直接のせて食べたほうがアリルイソチオシアネートを摂りやすくなりますよ。
刺身をいただくとき、添え物や薬味にも少し意識を向けて味わってみてはいかがでしょうか?
▼参考文献
・旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)
・栄養成分バイブル(中村丁次監修/主婦と生活社)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。