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2021.05.19

生活習慣病予防、エイジングケアに!新茶に期待できる効果って?

ILACY

日本人にとって身近な存在の緑茶。中でも、春にしか出会えない新茶は、旨味成分であるテアニンの含有量が増し、味や香りはもちろん、栄養面においてもILACY(アイラシイ)世代の女性へのメリットが多くなるといいます。

今回は、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・星野が、新茶ならではの魅力のほか、より効果的な摂取法や保存法を紹介。また、フードコーディネーターの清水加奈子さんから、新茶の栄養を丸ごととれるレシピを教えていただきました。

新茶にはリラックス効果を促すテアニン、エイジングケアに◎なカテキンが豊富

新茶とは、その年に最初に生育した新芽を摘み取って作ったお茶のこと。ほかの時期の茶葉に比べて、旨味成分のテアニンが豊富に含まれているのが特徴です。

「テアニンはアミノ酸の一種。甘みを含んだまろやかな味わいで飲みやすくなるほか、心身をリラックスさせる効果が期待できます。日々のストレスや更年期世代が感じやすいイライラには、テアニンのリラックス効果が有効と考えられるでしょう。

お茶には、覚醒作用のあるカフェインも含まれていますが、緑茶のカフェインはコーヒーより少ないことに加え、新茶の場合はテアニンがより多く含まれるため、バランスとしてはテアニンのリラックス作用のほうが強く働くといわれています」

さらに、新茶に含まれるカテキンには、更年期世代にうれしい効果があるそう。

「ポリフェノールの一種であるカテキンがもたらすメリットのひとつが、抗酸化作用。動脈硬化などの予防のほか、エイジングケアにもつながります。ほかにも、コレステロールの吸収を抑えたり、脂肪燃焼を促したりする働きもあるので、更年期世代の女性にはぜひとっていただきたいです。

さらに、抗菌や抗ウイルス効果も期待できますよ」

新茶の入れ方などによって、摂取できる栄養成分の量に違いが

新茶を含む緑茶の栄養素は、テアニンやカテキンだけではありません。カリウムやカルシウムといったミネラル、ビタミンC、ビタミンAなど、体に欠かせない成分もたっぷり含まれています。

それらを新茶から効率良く摂取するためには、気を付けたいポイントがあるそう。

「テアニンやカテキンはお茶の中に溶け出しやすいのですが、ミネラルやビタミンの中には水に溶け出しにくい脂溶性の成分もあります。そのため、お茶を飲むだけでは十分に摂取できない栄養素が出てくることも。

骨や歯を作るために欠かせないカルシウムのほか、免疫力を高めたり、髪や肌を美しく保つ働きを促したりするビタミンAは脂溶性にあたります。中でもビタミンAは、お茶を入れた後の茶葉に約7割も残っているともいわれているんですよ。

そのため、カルシウムやビタミンAの栄養をしっかりとりたい場合は、新茶の茶葉を料理に使ってみるのも良いでしょう」

一方、水溶性の成分であっても、飲むときは温かいお茶より水出しした冷たいお茶のほうが、味わいなどの面で理想的なのだそう。

「お茶に含まれる水溶性の成分、渋味を出すカテキンや苦味を出すカフェインは、お湯の温度が高いと溶けやすい性質があります。温度が60℃以上になると、成分が溶け出す量がグンと増えてしまうので、お茶の苦味や渋味が苦手な人は水出しのほうがいいでしょう。

さらに、カテキンにはビタミンCを守る働きがあるため、お茶に含まれるビタミンCは比較的壊れにくいのが特徴。カテキンとビタミンCは、ともに水溶性なので、水出しで十分に抽出することによって、より多く栄養を摂取することができますよ」

新茶の風味や成分を損なわない保存法とは?

緑茶の中でも、特に風味や香りがいい新茶。それらを損なわないようにするためには、保存の仕方も重要です。

「お茶の味を損なうおもな原因は、湿気・温度・酸素・光・においの5つ。特に、温度の変化や光によって酸化が進むと栄養成分が減ってしまうため、開封後は2週間から1ヵ月程度で飲みきるようにしてください。

保存する際は、密閉性と遮光性のある容器に入れて、冷暗所で保存するようにしましょう。

もし、長期間保存する場合は、開封せずに冷凍庫で保存するのがおすすめ。ただし、冷凍庫から出したときの温度差によってつきやすい結露は、茶葉の劣化の原因となるため、飲むときは前日に冷凍庫から封を切らずに冷蔵庫へ移し、当日は室温でゆっくり常温に戻してから使用するのがベターです」

また、作り置きをして保存する場合は、煮出した物よりも水出しのほうが長持ちするそう。水道水であれば塩素の殺菌効果が期待できますが、ミネラルウォーターや浄水器を通した水はその効果がないため、早めに飲みきることが大切です。

日頃の水分補給としても口にする機会の多い緑茶ですが、新茶はいっそう栄養価が高いことを初めて知った人も少なくないと思います。季節限定の物ですので、長所を活かした取り入れ方を意識してみてください。

子供といっしょに作るのも◎!茶葉をいただく「新茶クッキー」

ここからは、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、新茶の茶葉をそのまま食べるオリジナルレシピを教えていただきます。ホットケーキミックスを使うので、材料も少なく、簡単に作ることができますよ!

<材料(約16枚分)>

ホットケーキミックス...100g
新茶(粉にする)...大さじ2
砂糖...大さじ3
バター...50g

<作り方>

1. 粉にした新茶、ホットケーキミックス、砂糖をビニール袋に入れて混ぜ合わせる。そこに、室温に戻したバターを加えて、粉っぽさがなくなるまで練り混ぜる。

2. 「1」を、麺棒で厚さ1cmの正方形(12cm×12cmくらい)に伸ばす。さらに、3cm×3cm程度の正方形にカットし、表面に新茶をのせる。

3. 170℃に予熱したオーブンで15分程焼く。

新茶がほんのり香る、甘さ控えめな仕上がりに。バターの塩気が程良いアクセントになります。塩気が気になる人は、無塩バターを使ってもいいでしょう。

おうち時間にお子さんといっしょに作るのにもおすすめ!飲用だけでない新茶の楽しみ方として、レパートリーにぜひ加えてみてください。

<レシピ監修>

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フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)

管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。

<記事監修>

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管理栄養士 星野

(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。大学の栄養学科卒業後、保育園で新メニューの開発や、食育などに携わる。自然派化粧品会社勤務を経て、2017年よりアドバンスト・メディカル・ケアに入社。2018年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康診断や人間ドックの結果をもとに生活習慣に関するカウンセリングや、食生活のアドバイス、さらに美容、ダイエットのご相談など管理栄養士の立場からサポートをしています。

<ヘルスケアショップTMMC Plus>

お客さまが、"より健康でより美しい生活"を過ごされるためのさまざまなご要望にお応えする「メディカルヘルスケアショップ」。Facebookでさまざまな栄養情報を発信中。

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