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2021.04.05

食事でストレス対策を!フライパン1つで簡単のっけ弁当

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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4月になり就職、転職、異動など、新生活がスタートした方も多いのではないでしょうか。そんな環境の変化が激しい春は、希望と同時にストレスがかかってくることも事実です。

2019年の国民健康基礎調査では、ストレスを感じている人の割合は12歳以上で約50%、30~50代においては約55%の人が「悩みやストレスがある」と答えています。

私たちの体はストレスを感じると、神経の興奮を沈めたり精神を安定させる作用がある栄養素を消費し、抗ストレスホルモンを出す作用が働くなど、ストレスから身を守ろうとしています。

そのため、そうした栄養素や抗ストレスホルモンの原料となる栄養素が不足してしまうと、ストレスに負けやすい身体になってしまう可能性も。今回はストレスに強くなる栄養素をたっぷり摂れるお弁当をご紹介します。

お腹と心を満たす「のっけ弁当」

材料(1人分)

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豚もも肉(脂身をカットしたもの) 100g
切り干し大根(乾燥) 15g
赤パプリカ 30g(1/4個)

オイスターソース 小さじ2
しょうが(チューブ可)2g
ごま油 小さじ1/2

ごはん 200g

デザート:ヨーグルト 100g

主な栄養素(1人分)

・649kcal (成人男性の1日必要量約30%、成人女性の1日必要量約1/3)
・たんぱく質 33.4g(成人男性の1日必要量の約50%、成人女性の1日必要量の約2/3)
・ビタミンB1 1.1mg(成人男性の1日必要量の約80%、成人女性の1日必要量の100%)
・ビタミンC 59mg(成人男性の1日必要量の約60%、成人女性の1日必要量の約60%)
・カルシウム 240mg(成人男性の1日必要量の約30%、成人女性の1日必要量の約1/3)
・マグネシウム 95mg(成人男性の1日必要量の1/4、成人女性の1日必要量の約40%)

作り方

1.切り干し大根はさっと洗ってから100mlの水で戻す。(前日から水に浸けておくとちょうどよくなります)

2.豚もも肉は余分な脂をキッチンバサミで取り除き、3cm幅に切る。赤パプリカはせん切りにする。

3.フライパンにごま油を入れてしっかりと熱したら豚肉、赤パプリカ、切り干し大根の順に炒める。

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4.しょうが、オイスターソースを加え、水気がなくなるまで炒める。

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5.粗熱が取れたらご飯の上にのせて出来上がり。

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ストレスに強くなる栄養素って?

ストレスに強くなる栄養素についてご存じですか?神経の興奮を沈めたり精神を安定させる栄養素は、ビタミンB群やカルシウム、マグネシウムなどがあり、これらが不足するとイライラしたり、よりストレスを感じやすくなると言われています。

次に、ストレスを感じると出てくるホルモンがあります。これは副腎皮質で作られこの原材料となるのがたんぱく質です。そして合成に不可欠なのがビタミンB群やビタミンC。このホルモンが合成されればされるほどこれらの栄養素が消耗されるので、ストレスを感じているときは、より積極的に摂った方が良いとされています。

また、たんぱく質の中でも必須アミノ酸「トリプトファン」はしあわせホルモンと呼ばれるセロトニンの原材料です。そのため豊富に含まれる食材を選んだ方が効果的と言えるでしょう。

このお弁当のストレスに効果的なポイントを解説!

ポイント1:たんぱく質、ビタミンB群が豊富な「豚肉」

このお弁当で使っている豚肉にはたんぱく質やビタミンBが豊富です。ストレスにはビタミンB1やB2といった単独ではなく群が必要となるため、豚肉が全てをカバーできるわけではないですが、他の食材と比べるとバランスよく含まれています。またトリプトファンが豊富な点も優れています。

ポイント2:「切り干し大根」は栄養の宝庫!戻すときは最小限の水で

切り干し大根はストレス時に大切な栄養素、カルシウム、マグネシウム、そしてビタミンB群であるナイアシン、葉酸などを豊富に含み、積極的に食べて欲しいスーパー食材です。

しかしこの栄養素は水に溶けやすく、戻すときの水に溶けだしてしまいます。そのため「最小限の水で戻す」もしくは「戻した水も捨てずに使う」と栄養素を効率よく摂ることができます。

ポイント3:ビタミンCを沢山とれる「赤パプリカ」

栄養豊富な豚肉と切り干し大根ですが、唯一ビタミンCが含まれていません。なのでビタミンCを豊富に含む食材を併せるのがおすすめです。

赤パプリカはビタミンC含有率が野菜の中で2位、100g中180mgも含まれています。ちなみに1位はトマピーという野菜ですが一般的に売られていないため、ポピュラーな野菜の中で1位と言ってよいでしょう。ビタミンCを含む食材選びに迷ったら「赤パプリカ」と覚えてください。

赤パプリカの他にも、ブロッコリーや菜の花もビタミンC豊富なのでおすすめです。

ポイント4:デザートに「ヨーグルト」をプラス

先述の通り、ストレスに必要な栄養素の一つ「カルシウム」は切り干し大根に豊富に含まれているとお伝えしましたが、植物性は吸収率が低いのが難点です。

カルシウムの吸収率は牛乳・乳製品は約50%、小魚は約30%、野菜、大豆製品は約18%と言われています。牛乳のカルシウムは吸収率が高いうえ、一度の摂取量も多いため、1日200ml(カルシウム220mg含有)を目安に取り入れることが推奨されています。

今回はデザートに小さなヨーグルトをプラスしました。吸収率が良い上に持ち運びしやすく衛生面でもおすすめですよ。

インナーケアでストレス対策を!

いかがでしたか?今回はストレスに効果的な栄養素とその食材&レシピをご紹介しました。

あまりハードルを高くしてお弁当作り自体がストレスになっては本末転倒です。ご紹介した内容を参考にし、手軽に取り入れられる方法だけでもお試しくださいね。

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著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。