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2021.03.22

ねむーい春こそ整える!眠りのコントロール術【眠りの秘めたる力#10】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

「春眠暁を覚えず」ということわざがあるように春になるとなんだか眠い……、という方もいらっしゃるはずです。
ただ眠いだけならまだ我慢できますが、日中、ぼーっとしたりあくび連発したりなんてことになると大変。

だからと言ってズルズル眠ってしまうとかえって不調を招いてしまいます。
今回は春だからこそ取り入れたい、上手に睡眠をコントロールして日中のパフォーマンスを上げる方法を紹介します。

麗らかな春こそ実践!睡眠コントロール術

そもそもなぜ春は眠くなるの?

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なぜ春は眠くなると言われるのでしょうか。
季節が変わることによって気温が上昇し、疲労しやすいことも一因とされていますが、他に大きいのが自律神経の切替わりの影響でしょう。
春・夏にかけて気温上昇と気圧の低下が起きてきますが、その環境の変化へ適応できるように、私たちの身体は準備をします。
この働きにより、3月末からリラックス状態で活発になる副交感神経の活動が優位になると言われています。

これは夏に向けて気温が上昇し体力が奪われるので、その分消化能力を高めてエネルギー効率を上げ内臓への負担を軽減させる仕組みです。
副交感神経の働きが高まると睡眠欲求が増すので、春には眠くなりやすくなります。

眠さにかまけるとバランスが悪くなることに

身体が自然にそうなってしまうなら、自然にまかせて、眠れるだけ眠ってしまおう! と考える方もいるかもしれません。
しかし、それは眠りをよくする観点からするとNGです。
特に眠いからといって休日、たっぷり昼頃まで眠ってしまうなんてことをすると、体内時計のリズムが崩れる原因になってしまいます。

二度寝、三度寝した後、かえって頭がボーッとしたり、身体がだるく感じ、スッキリしない経験はありませんか?
そうならないためにも、春に眠り続ける癖は付けないようにしましょう。

そうは言っても、お布団の温もりを感じながら気兼ねなくのんびりできる休日の二度寝は幸せな時間という方もいらっしゃると思います。
そんな時は部屋を明るくしてから二度寝をすると、深く眠らずにすみますよ。

まずは起床時間を揃えるところから

では、この春に睡眠の質を上げるためにはどんなことをすればいいのでしょうか。まず最初に行いたいのは起床時間を揃えることです。
まずは平日だけでなく、休日も同じ時間に起きることから始めてみてください。
コツは、平日の朝と同じ時間(前後1時間程度のズレでしたらOK)に起きたら、すぐに電気をつけたり、遮光カーテンを開けて太陽の光が入るようにしたりして部屋を明るくしましょう。
目を瞑っていても、まぶたから光を感知できるので体内時計がズレにくくなります。
暗いままだと寝すぎてしまう原因になるので気をつけましょう。

ちなみに私は遮光カーテンを開けて眠り、朝の光を自然と浴びて目覚めやすくしています。

花粉症で眠りの質が低下しているかも

春に眠りが乱れる別の原因に、花粉症があります。
春の訪れとともに花粉症のシーズンが到来するわけですが、鼻の通りが悪くなったり、くしゃみが出たりで寝付きが悪く、ぐっすり眠れないという方もいらっしゃるでしょう。
特に鼻の通りが悪くなると、睡眠の質は下がります。

鼻の奥には脳につながる血管が通っており、鼻呼吸によって脳温度の調節を行っていると言われています。
鼻が詰まってしまうと脳の血管を冷やす作用が低くなるため大脳の温度が下がりにくくなり、寝付きが悪くなったり浅い睡眠になってしまったりするのです。

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これを解消するには、脳の温度を下げ、交感神経活動を低下させてあげることが大事になります。
つまり、外部から脳を冷やしてあげれば良いのです。

氷枕やアイスノンで『耳から上の頭部』を冷やすと脳の温度が下がりやすく、寝付きやすくなります。
この時、気を付けて頂きたいのは『耳から下の頭部』を冷やさないことです。耳から下を冷やすと脳が覚醒して逆効果になってしまうからです。

ちなみに『耳から上の頭部』を冷やして脳の温度を下げるのは、花粉症対策だけでなく、PCなど液晶画面を見続けた後の不眠対策にも活用できます。
眠る直前までパソコンで仕事していたり、テレビやスマホの画面を見ていると、脳の温度は上がってしまいます。
脳の温度が上がると、深部体温も上がってしまうので深く眠れなくなるのです。ここを冷やしてあげることで、寝入りやすさを高めることができます。

変化の多い春は頭の冷却と起きる時間で整えていこう!

春は環境や生活リズムの変化が多い季節でもあります。知らず知らずのうちに身体と心が緊張しているなんてこともあるでしょう。
頭の中でグルグル悩み事や考え事をして脳が興奮していると感じたら、『耳から上の頭部』を冷やして、眠り始めの脳の温度を効果的に下げて、深い睡眠をつくっていきましょう。
そして、起きる時間を意識して整えていく。こうすることで眠りの質が高まり、身体と心の緊張を押さえるのに一役買ってくれますよ。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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