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2021.03.27

男性必読!!生まれてくる子供のためにバランスの良い食生活を

MYCODEトピックス

将来生まれてくる子供のために、男性が気を付けるべきこととは?(写真:Shutterstock.com)

参照元:https://mycode.jp/topics/child-rearing/father_folic_acid.html?src=my_kcm_father_folic_acid_07

将来生まれてくる子供のために、男性が気を付けるべきこととは?(写真:Shutterstock.com)

父親の食生活と子供の健康の関係

カナダの研究グループは、父親の不摂生な食生活が生まれてくる子供に悪影響を与えることを報告しました。

今回研究対象としたのはビタミンB群に含まれる「葉酸」と呼ばれる栄養素で、レバーのほか、えだまめ、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーといった緑黄色野菜に含まれています。この葉酸という栄養素については、女性において妊娠期に欠乏することで、胎児に神経管閉鎖障害等の先天性異常のリスクが高まることがわかっています。

研究グループは、この葉酸について、父親の摂取量と子供の健康にも関係があるのかを調査しました。

胎児の発達に影響する可能性がみられた

研究グループは、マウスで実験を行いました。葉酸が十分足りているエサと葉酸が不足しているエサを、それぞれ同じ遺伝子をもつ雄マウスに与え続け、その後生まれる子供への影響を調べました。

結果、十分な量の葉酸を摂取していた雄マウスの子供に比べ、葉酸を十分摂取できていなかった雄マウスの子供は、骨や筋肉が正常に発達しない症状が30%も多く発症することがわかりました(※)。

遺伝子の働き方を変化させる「エピゲノム」

なぜ上記のような違いが生まれたのでしょうか?研究グループは、環境などによって後天的に変化するDNAの状態、「エピゲノム」と呼ばれるものが関与していると指摘しています。

エピゲノムとは、遺伝子の配列情報は変化しないものの、遺伝子を構成するDNAに化学的な変化がおこることで、遺伝子の働きがONもしくはOFFに制御され、同じ遺伝子でも環境によって働き方を変える仕組みの一つになっていると考えられています。

研究グループが葉酸欠乏状態の雄マウスの精子を詳しく調べてみたところ、骨や筋肉の発達に関わる遺伝子に化学的変化がみられました(※)。このことから、葉酸欠乏状態の父親の精子からDNAを受け取った子供の受精卵ではエピゲノム変化により成長に関わる遺伝子が正常に働かず、発達に影響を与えたと考えられます。

男性も女性と同じく健康的な生活を

さらに、葉酸欠乏の雄マウスの精子では、骨や筋肉の発達に関わる遺伝子だけでなく、糖尿病や統合失調症等の疾患に関わる遺伝子においても上記のような化学的変化がみられました。親の栄養状態は、子供の病気になりやすさにも影響を与えているのかもしれません。

今回のマウスの研究結果がそのまま人間に当てはまるかどうかわかりませんが、男性の場合も女性と同じく、生まれてくる子供のため、健康的な生活を心がけるべきかもしれません。


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監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

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