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2021.03.15

春感じる。卵を使った簡単「のっけ弁当」は栄養もおなかも大満足

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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レンジで簡単&ヘルシー「1品のっけ弁当」シリーズ第3回目の今回は、春らしく卵を使い、しっかり満腹を叶えるレシピをご紹介します。ルールは前回同様、お手軽ポイントが盛りだくさんです!

・とにかくお手軽!
・食材は3つ!
・調味料は今回めんつゆのみ
・野菜たっぷり120g(1日に必要な量の約1/3以上)

ご安心ください、「野菜ばっかり?」とはなりません。卵もお肉もたっぷり取り入れ、現代型栄養失調でとれていない栄養素、たんぱく質に関しては1日に必要な量の2/3を確保しています。また、免疫機能にも大切な役割のビタミンD、貧血予防などに必要な鉄もたっぷり取り入れています。

親子丼ならお財布にも優しくて栄養バランス◎

材料(1人分)

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卵 2個
ささみ 60g(小1本)
玉ねぎ 80g(小1/2個)
小松菜 40g(1株)

めんつゆ(3倍濃縮タイプ)大さじ1+1/3
水 50ml

主な栄養素(1人分)

ご飯を200gにした場合
・626kcal (成人男性の1日必要量の約1/4、成人女性の1日必要量の約1/3)
・たんぱく質 37.4g(成人男性の1日必要量の約60%、成人女性の1日必要量の約75%)
・カルシウム 150mg(成人男性の1日必要量の約1/5、成人女性の1日必要量の約1/4)
・鉄 3.9mg(成人男性の1日必要量の約1/2、成人女性の1日必要量の約1/3)
・ビタミンD 2μg(成人男性の1日必要量の約1/4、成人女性の1日必要量の約1/4)

ご飯を250gにした場合
・710kcal(成人男性の1日必要量の約30%、成人女性の1日必要量の約40%)
・たんぱく質 39.1g(成人男性の1日必要量の約65%、成人女性の1日必要量の約80%)
・カルシウム 150mg(成人男性の1日必要量の約1/5、成人女性の1日必要量の約1/4)
・鉄 4mg(成人男性の1日必要量の約1/2、成人女性の1日必要量の約1/3)
・ビタミンD 2μg(成人男性の1日必要量の約1/4、成人女性の1日必要量の約1/4)

作り方

1.玉ねぎは薄切りにして耐熱ボウルに水大さじ1(分量外)とともに入れる。ラップをして電子レンジ600Wで2分加熱する。

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2.小松菜は4cm幅に切る。ささみは筋を取り、食べやすい大きさにそぎ切りする。

3.小さめのフライパンに水50mlと1、2、めんつゆを加えて蓋をし、中火にかけて沸騰したら3分加熱する。

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肉に火が通り、玉ねぎが透き通ってきたら溶き卵を加えます。

肉に火が通り、玉ねぎが透き通ってきたら溶き卵を加えます。

4.水分がある程度蒸発したら、溶き卵を加え、再度蓋をして卵にしっかり火を通す。

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溶き卵を加えたら蓋をして火を通します。

溶き卵を加えたら蓋をして火を通します。

5.粗熱が取れたらご飯にのせて完成。

卵の色鮮やかな黄色が食欲をそそります。

卵の色鮮やかな黄色が食欲をそそります。

このお弁当の健康ポイントを解説!

その1:「卵」は栄養バランス抜群のスーパーフード

卵は昔から「完全栄養食」と呼ばれるほど、栄養価が高いことで知られています。良質なたんぱく質だけでなく、ビタミン、ミネラルをはじめ、私たちの身体にとって必要不可欠な成分がバランスよく含まれています。

では、このお弁当の卵で一体どれほどの栄養を摂取できるのでしょうか。Mサイズ(55g)の卵2個に含まれる栄養素をご紹介します。

・たんぱく質 13.5g(23%)
・ビタミンA 170μg(19%)※レチノール活性等量
・ビタミンD 2μg(24%)
・鉄 2mg(27%)
・カルシウム 56mg(7%)

※()内の%は「30〜49歳男性の推奨量または目安量」に対する充足量

上記の他にも、主要なビタミンミネラルが豊富でまさに完全栄養食!普段の食生活で意識しないと摂りにくい「鉄」を効率よく摂取できる他、カルシウムの吸収や免疫機能を高めると言われる「ビタミンD」が豊富な点も特筆すべきポイントです。

栄養面だけでなくお財布にも優しい優秀食材なので普段から積極的に取り入れてください。

以前はコレステロールを気にして「1日1個まで」と言われていましたが、今はコレステロールの上限量が撤廃され、食べるコレステロールよりも体内で作られるコレステロールの方が多いことから、卵の個数について制限がなくなりました。

とはいっても1つの食材に偏るのはあまりおすすめできないため、1日1~2個を目安にすると良いでしょう。

また卵には食物繊維とビタミンCが含まれていないため、他の食材で補うようにしましょう。

その2:卵の栄養を補うための「小松菜」が凄い!

先述の通り、卵は「完全栄養食」と言われる食材ですが、食物繊維とビタミンCが含まれていません。これをどちらも豊富に含むのが野菜です。

1日の野菜摂取量の目安は350g。難しく考えずに「お弁当には120g加える」と覚え、慣れてきたらそのうち1/3は緑黄色野菜にしてみましょう。

今回加えた小松菜はアクが少ないため下茹での手間も不要です。下茹でしないため栄養価の損失もなく、カルシウムや鉄も豊富に含まれ、加熱するとグッとかさが減り食べやすいという優れもの。是非普段から取り入れて欲しい野菜のひとつです。

その3:たんぱく質を効率よく摂りたい時は「ささみ」

現代人に不足しがちな栄養素は「たんぱく質」だと以前の記事でもご紹介しましたが、できれば3食に分けてバランスよくとるのが理想です。

忙しい朝、トーストなどの簡単な朝食ではたんぱく質が不足しがちです。お昼にしっかり補おうとなった時におすすめなのが「ささみ」です。卵もたんぱく質が豊富ですが、ささみには重量比で約2倍も含まれています。

胸肉も同様におすすめですが、ささみは1本当たりが小さいため、お弁当に使いやすいというメリットがあります。筋もそぎ切りすれば気にならなくなり、面倒ならとらなくてもOKです。火の通りが早く調理時間が短くすむ点もおすすめしたいポイントです。

その4:電子レンジ活用で時間もカット

玉ねぎは、やわらかくなるまで意外と時間がかかりますが電子レンジを活用すれば2分で十分。時間がかかる下ごしらえは電子レンジに任せ、その間に他の食材の下ごしらえをすれば大幅な時間短縮になります。

玉ねぎで使った耐熱容器で卵を溶けば洗い物も減らせますよ。毎日のことなので手間と時間をカットするために電子レンジも賢く活用してください。

お弁当作りは手間なく簡単に

お弁当作りは面倒と感じている方は、ぜひご紹介する「のっけ弁当」からスタートしてみてください。少しのコツで栄養バランスも整うため、お弁当作りのハードルがグッと下がるはずですよ。

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著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。