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2021.02.22

睡眠は「朝」から変わる!眠るための朝食習慣【眠りの秘めたる力#8】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

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朝は太陽の光を浴びて身体を起こしてあげることが大切ということは最近知られてきています。
ですが、朝の質を高めるのに必要なのはそれだけではありません。

今回はよく眠るためにこそやっておきたい朝の習慣についてのお話です。

眠りの質を高める「朝」に行いたいこととは

朝食は目覚めと眠り2つのカギ

まず気にして欲しいのが朝食です。今朝、朝食は食べられましたか?
朝食は「これから動きますよ」というサインを身体に送る役割だけでなく、眠りのホルモン『メラトニン』を増やし、1日の終わりに、快適に眠るための準備でもあるのです!
そのため、食べる内容にも少しだけ気を使ってください。

メラトニンの原料は、『トリプトファン』と言われる必須アミノ酸です。トリプトファンは肉、魚、大豆製品や乳製品、バナナなどに多く含まれています。
朝食に納豆や魚などを食べると、食事から摂取したトリプトファンは体内で生合成されて『セロトニン』に変換されます。
セロトニンは、感情や気分のコントロール、心の安定を司る脳内物質です。セロトニンの分泌量を増やすと、昼間に安定して十分な能力が発揮できます。
さらに、セロトニンはメラトニンの分泌を促してくれるのです。

残念ながらトリプトファンは体内で作られませんので、食事から摂取するのが有効になります。

食欲がないなら朝日を浴びるのと組み合わせよう

しかし、「朝は食欲がない」「朝食べる時間なんてないよ」という方もいますよね。
私もその1人でした。

朝のリズムは光と食事の2系統で作られるので目覚めたらすぐに太陽の光を浴びることを続ければ、朝にお腹が空きやすく、朝食が取れるリズムになっていきます。
忙しい朝は窓から1m以内に入り豆乳やヨーグルトを飲むことから始めてみましょう。

朝食を食べないと日中の集中力が低下するとも言われているのでとても大切です。

ここで1つだけ注意点があります。
朝食に『トリプトファン』を摂取して睡眠の質を高めるためには次の2つの条件が必要です。

(1)睡眠不足の方は毎日ほんの5〜15分でも早寝をして累積睡眠量を増やすこと。

(2)適度な運動(家事や散歩程度)をしていること。

どちらも手軽に出来ることなので積極的に取り入れ睡眠の質を高めていきましょう。

夕食の時間も工夫することでリズムが整いやすくなる

「太陽の光を浴びる」「朝食を食べる」ことで生体リズムが整い、1日のいいスタートが切れるきっかけにすることができますが、もう一つ大切なことがあります。それは、朝食の前に十分な絶食時間をつくるということ。
時間栄養学によると、体内時計は食事と次の食事の間が最も「長い時間」あいた後の食事を基準にリズムをリセットするとされています。
たとえば朝・昼・夕のタイミングで1日3食とっている場合は、夕食から翌日の朝食が最も絶食時間が長いので朝食から体内時計がスタートするわけです。
この「長い時間」の基準はだいたい10時間です。その間、飲み物は飲んでもOKとされています。

「10時間絶食」と聞くと「いやー、キツそう。無理かも」、と感じてしまうかもしれませんが朝食を7時にとる場合は、夕食を夜9時までに終わらせておくだけで大丈夫です。
しかも、その時間はほとんど寝ていますから、空腹を感じるタイミングは減らせるはずです。

それでも平日に行うのが難しい方は、休日から始めてみることをオススメします。まずは休日の夕食を30分〜1時間早くしてみてください。
夕食が早くなればお風呂に入る時間も眠る時間もいつもより少し早くなり睡眠時間も確保できますね!

平日仕事が遅く夜中に食事をする場合もあると思います。
そんな時、私は夕方に食事をとり帰宅後は少し食べるようにして夜中の食事を軽くしています。
分食をしていくうちに夜中に食べることはなくなり、朝食までの十分な絶食時間をつくることが出来ました。

良い眠りのために朝食は不可欠と心得よう

今まで朝食と眠りに関係があると思っていた方は少ないのではないでしょうか。
いつも朝食を食べている方はトリプトファンを含む食べ物をプラスしましょう。
今食べていない方は、ぜひ朝日を浴びながらのドリンクからスタートしてみてください。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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