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2020.12.04

もやしと豆苗、冷え予防成分が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.25】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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“家計のお助け野菜”として定番の「もやし」と「豆苗」。

とくに豆苗は、刈り取った後も根元を水につけておくと新しい芽が育ちますよね。気軽に家庭菜園ができると、今年は巣ごもり需要で売り上げが急増したのだとか。

ではこの2つ、今の季節にうれしい冷え予防成分が多いのはどちらでしょうか?

もやしと豆苗、冷え予防成分が多いのはどっち?

正解は、豆苗

豆苗は、細くひ弱な外見に似合わず栄養成分のバランスが高い食材です。

なかでも冬の寒い時期に注目したい成分が、血行をよくする作用のある「ビタミンE」。このビタミンEが、豆苗には100g中1.6mg含まれるのに対して、もやしは100g中0.1mg(※)と、豆苗の方が圧倒的に多く含まれています。

また豆苗には、ベータカロテンが多いのも特長です。ベータカロテンは、体内で必要な時に粘膜を保護するビタミンAに変化するため、風邪予防にも効果的。このように、冷え予防や呼吸器の粘膜ケアなどに役立つ成分を含むため、寒い時期にぴったりな野菜なのです。

※2020.12.4修正:当初0.1gと記載しておりましたが、正しくは0.1mgとなります。

一年の疲れはもやしでとる!?

一方もやしは、ただの節約食材なのでしょうか?いいえ、それは誤解です。

もやしには、アスパラギン酸という疲労回復作用のあるアミノ酸が含まれています。アスパラギン酸は、栄養ドリンクにも使われることがある成分で、名前の通りアスパラガスから発見されました。

このアスパラギン酸がもやしにはアスパラガスと同等、もやしの種類によってはそれ以上含まれているのです。

また、疲労回復メニューの定番といえばレバニラ炒めですが、よくもやしが入っていますよね。レバーやニラだけでなく、もやしもスタミナアップが期待できるので、この3つの食材の組み合わせは最適だといえるでしょう。

年末年始を乗り切る食べ方は?

豆苗は、中華料理で炒め物として目にすることが多いですよね。豆苗に多く含まれるビタミンEもベータカロテンも脂溶性なので、油で炒める調理法は理にかなっているといえます。

またもやしには、「緑豆もやし」「ブラックマッペもやし」「大豆もやし」の3種類があり、一般的によく口にするのが「緑豆もやし」です。ただ、一番アスパラギン酸が含まれているのは「大豆もやし」です。

アスパラガスが100g中430mgのアスパラギン酸を含んでいるのに対し、緑豆もやしは100g中、同じ430mg、ブラックマッペもやしは440mg、なんと大豆もやしは2倍以上の890mg!

ということで、懐も寒くなりがちな年末年始は「豆苗」に「大豆もやし」を組み合わせた炒め物で身体ぽかぽかに…そして今年の疲れをケアしてみてはいかがでしょうか?

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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