2020.11.06
柿とりんご、ビタミンCを多く含むのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.23】
「柿が赤くなれば医者は青くなる」「りんごが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、柿もりんごも健康的なフルーツです。では、これからの季節にうれしい風邪予防に役立つビタミンCを多く含んでいるのはどちらでしょうか?
柿とりんご、ビタミンCを多く含むのはどっち?
正解は、柿
「柿が赤くなれば医者は青くなる」といわれる柿ですが、その理由のひとつはビタミンCの豊富さにあります。
ビタミンCにはウイルスを排除する白血球の働きを強化し、風邪を予防する作用がありますが、柿は冬の果物の中でビタミンCの含有量がNO.1!
柿のビタミンC量が100g中70mgに対して、りんごは100g中6mgと大きな差があります。さらに冬の果物というと、みかんがビタミンCを多く含むイメージがありますが、みかんに含まれるビタミンC量は100g中32mg。柿は2倍以上も多く含むのです。
夏に日焼け対策をしなかった人には「りんご」がいい!?
今年の夏は、マスクをしているからとメイクや日焼け対策をしなかった女性が増えたのだそう。そんな方におすすめなのが「りんご」です。近年、りんごに含まれるリンゴポリフェノールの「プロシアニジン」が注目されています。
柿に多いビタミンCには抗酸化力があるので、美容にももちろん役立ちますが、リンゴポリフェノールにはメラニンの生成を抑えることで美白が期待できるという報告がされています。
またリンゴポリフェノールには、体脂肪を溜めにくくする作用も確認されているため、美容全般に役立つといえます。
お酒を飲むなら、柿もりんごも◎
柿は昔から二日酔いに効く果物として知られています。これは、渋みのもとであるタンニンという成分が、アルコールの分解をスムーズにするからです。
またお酒を飲むときは味の濃いおつまみを欲してしまうものですが、柿やりんごには余分な塩分を排出するカリウムが含まれます。特にりんごの生産地では高血圧の人が少ないというデータもあるほどです。これはりんごのカリウムが関係しているのではないかとされています。
柿もりんごも食後や飲酒後のフルーツとしていただいてもいいですし、柿なら白和えにしたり、りんごなら白菜と合わせてサラダにしたりと、食事としてもおいしくいただけます。
デザートをはじめ料理の食材として活用し、おいしく健康や美容に役立てましょう!
▼参考文献
旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。