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2020.10.30

暴飲暴食を防ぎたい方必見!3つの原因とその対策とは?

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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季節のイベントや長期休み時に、ついつい暴飲暴食になってしまう…という方はいらっしゃいませんか?そこで今日は暴飲暴食を防ぎたい方に、ちょっとしたコツで防げる方法をお伝えします。

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どうして暴飲暴食になってしまうのか?考えられる3つの原因

まず、どうして暴飲暴食になってしまうのでしょうか。食べすぎの原因は「満腹になる前に沢山食べてしまう」「満腹になってもすぐにお腹がすいてしまう」「ストレスが原因でついつい食べてしまう」などがあります。

原因その1:満腹になる前に沢山食べてしまう

満腹になる前に沢山食べてしまう原因をまず見てみましょう。

早食いは、満腹になる前に沢山食べてしまうので、食べ過ぎを招いてしまいます。食欲の調節には【満腹中枢】が関係していますが、食事を始めると脳の視床下部にあるこの満腹中枢が働き、”お腹がいっぱいになりましたよ。もう食べるのをやめましょう”という指令を出します。しかし、この満腹中枢が働くのは食事を始めてから20分ほどかかると言われており、食べるのが早いとその間に沢山食べてしまうのです。

そのため”ゆっくり食べる工夫”がとても大切です。

まず咀嚼を意識してみましょう。咀嚼回数が増えれば、自然と飲み込むまでの時間が遅くなります。咀嚼の効果には「脳の刺激をする」「あごの発達を促す」「消化・殺菌を助けてくれる唾液の分泌を活発にする」と、美容にも健康にもいいこと尽くしです。

しかし、咀嚼をなかなか意識できない…という方もいらっしゃると思います。そんな時は咀嚼を促す工夫が必要です。

1つ目は食材選び。弾力があるものや硬い食べ物、ごぼう、たけのこ、きのこ、海藻がおすすめです。これらは食物繊維が豊富で、噛み切らないと飲み込めないため、噛む回数が自然と増えるのです。

2つ目は、調理する際に食材を「大きく切る」ことです。これにより咀嚼回数がさらにアップします。「かたい食材」×「大きめに切る」でしっかり噛むメニューを選びましょう。

原因その2:満腹になってもすぐにお腹がすいてしまう

満腹になっても、すぐにお腹が空いては食べすぎにつながります。そのため、腹持ちの良いものを選ぶようにしましょう。

例えば糖質。糖質は消化しやすい栄養素なのですぐに血糖値が上がり満腹感も得られやすいのですが、血糖値が急激に上がると血糖値を下げるホルモン「インスリン」が大量に分泌され、結果血糖値が下がってしまい空腹を招く…という悪循環をおこします。

血糖値上昇を防ぐには、まず食べる順番が大切。サラダや煮物などの食物繊維たっぷり含んだ野菜から食べましょう。これらは咀嚼を促すだけでなく、食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにしてくれるため、血糖値の乱高下を防いでくれます。

しかし、ここで気を付けて欲しいのが”糖質を過剰に制限しない”ということ!

常に制限している人はまだ良いのですが、暴食防止のために制限しすぎると、逆に甘いものなどの糖質への欲求が高まるため、食べ始めると止まらなくなることがあります。今までの量を極端に減らさず、まずは食べる順番を変えることからスタートしましょう。

また、栄養素でいうとたんぱく質もおすすめ。肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質は消化に時間がかかるため腹持ちが良くなりますし、満足感も得られます。その時にはハンバーグなどの柔らかいものよりも、塊のお肉など、よく噛むものを選ぶとさらにに良いですよ。

原因その3:ストレスが溜まってついつい食べてしまう

「イライラしてついつい食べてしまう」「仕事のストレスが原因で、遅い帰宅後にもかかわらず食べすぎてしまう」といった経験は誰しもあるのではないでしょうか。

食べると幸せを感じるホルモンが出やすくなるためそれはごく自然なことなのです。ついつい美味しくて食べすぎてしまうならば、前記のような対策をとりましょう。

そしてストレスを溜めないことも大切になってきます。ストレスを軽減させるためには「オンとオフのスイッチをもつ」「自分の時間をゆったりと過ごす」などがあります。また、ご家族がいらっしゃれば、日頃の事を話しながらゆっくりと食べることを心がけることも食べすぎ防止に効果的です。

そうはいっても簡単にいかないものですよね。続いてストレスに強くなる栄養素をご紹介します。

ビタミンC

ビタミンCは抗ストレスホルモンの合成に必要な栄養素。ストレスがたまると急激に消耗されます。そして、ビタミンCは水溶性で体にためることができないのも特徴です。野菜や果物に含まれるので、意識してとるようにしましょう。

マグネシウム

マグネシウムは、体温調節、ホルモンの分泌など体内の様々な機能の調整だけでなく、神経の伝達を正常に保つ働きや、興奮を抑制してくれる働きもあります。

不足するとストレスを引き起こすこともあるので、積極的にとりましょう。アーモンドなどの種実の他に、ひじきや昆布、桜エビなどの海産物に多く含まれています。なのでサラダのトッピングにちょっとプラスするなど、無理なくとれる工夫をしましょう。

トリプトファン

トリプトファンは必須アミノ酸のひとつ。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの合成に必要な栄養素です。

セロトニンは、感情の起伏を穏やかにし、ストレスを減らしてくれると言われています。また、体のリズムを整える睡眠ホルモン、メラトニンの合成に使われているため、睡眠の質が上がり、ストレス軽減に役立つことが期待されるのです。

豆腐・納豆・味噌などの大豆製品、牛乳・チーズなどの乳製品、米などの穀類に含まれます。どれも取り入れやすい食品ですから、食品を選ぶときのポイントにしてみてください。

いかがでしたか?これから美味しいものが沢山出てくる季節ですが、暴飲暴食を防ぎ、元気に過ごしていきましょう。

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著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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