メニュー

2020.10.10

なぜ秋は太りやすいと言われるの?味覚の秋を太らず過ごす方法

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

記事画像

暑かった夏も終わり、あっという間に風は冷たくなり、空気も乾燥し始めましたね。しかし、過ごしやすい季節でもある秋は楽しみもたくさん!
スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋……そしてなんといっても「食欲の秋」が気になるところではないでしょうか。

今回は食欲の秋と上手に付き合うヒントをお届けします。

食欲の秋だからこそ気をつけたい体重管理

「秋の味覚は太る」、は本当?

秋は美味しいものが多くついつい食べ過ぎてしまう!という方も多いのではないでしょうか。
秋に旬を迎える食材といえば、まず新米!日本人の主食として欠かせない主食ですね。
新米は水分量が多いのでふっくらと炊き上がり、つやつやピカピカの新米は香り・甘味と五感で楽しむことができる季節限定の食材です。
さらに秋には「芋・栗・かぼちゃ」など、加熱するとほくほく感がたまらない食材もたくさん出てきます。

これらはエネルギー源である糖質を多く含む食材です。
最近ではダイエット目的で糖質制限をされる方も多いようですが、健康な方であれば食事から普通に糖質を摂る分には問題ありません。
糖質は身体だけでなく、脳のエネルギー源としても使われる大切な栄養素ですので、コンスタントに身体を動かす方や、仕事や勉強で頭を使う方にとって、質の良い糖質は適度に必要です。

問題となるのは、摂りすぎでエネルギー過多になってしまうことです。
「芋・栗・かぼちゃ」等の秋の味覚が、スイートポテト、モンブラン、かぼちゃのプリンなど、スイーツとして加工されることが多いのも食べ過ぎてしまう一つの原因だと考えられます。
上記のスイーツには砂糖や生クリームなどの糖質、脂質が多く使われています。

これはどちらもエネルギー源となる栄養素ですが、過剰にとると体に蓄えられてしまいます。
そして問題となるのはおやつをたくさん食べたいから食事を極端に減らす、もしくは抜く、ということです。
1日3回の食事を大前提とし、おやつは「楽しみ」として食事の邪魔にならない量を目安にとることを心がけましょう。

食欲の秋に気を付けたい!秋の味覚の楽しみ方とは?

お米や芋、栗、かぼちゃなどはどれも糖質が多い食材ですので、食べ過ぎるとエネルギー過多になることも考えられます。
そのため、ついつい食べ過ぎてしまう、という方には次の2つのことに気をつけてみましょう。

記事画像

しかし、これらには糖質以外にも身体にとってうれしい栄養素がたっぷり含まれています。
例えば、さつまいもや栗には抗酸化作用のあるビタミンCや食物繊維が含まれています。また、かぼちゃに含まれるβカロテンは抗酸化作用がある上に、体内ではビタミンAと同じ働きをするため、粘膜の潤いを守って身体のバリア機能を高めてくれます。乾燥しやすい季節にはとても大切な栄養素です。
甘いものだとついつい食べ過ぎてしまうかもしれませんが、ほかの野菜や魚、肉とともに付け合わせやサラダとして取り入れると量の調整もしやすく、食べすぎの防止にもなります。

なお、ごはんをそのまま食べる場合は「よく噛む」ことを意識し実践しましょう。
柔らかい食べものはついバクバクと食べてしまいがちですが、ひと口30回程度を目安にお米がおかゆ状になるくらいまでよく噛んで味わうと、お米本来の甘みを感じられることができるだけでなく、噛むことで脳に「今、食事をしていますよ」と刺激が伝わり、食べすぎの予防にもなります。

また、同じく秋の味覚でもあるきのこをごはんに加えて混ぜご飯にすると、カサ増しになる上によく噛むことができます。
きのこ類には腸を刺激する不溶性食物繊維やβグルカンという免疫細胞に働きかける成分も含まれていますので、ごはんに混ぜる以外にも温サラダや付け合わせとしてもおすすめです。

夏の疲れを引きずっていませんか?

だんだんと涼しくなり、過ごしやすい気候になってきたのに何となく身体がだるい、元気が出ない…なんてことはありませんか??
最近では「秋バテ」という言葉も聞かれるようになりました。これは夏の疲れを引きずったまま、変わりやすい秋の気候に身体が付いて行くことができず、心身に不調を感じる状態を言います。
夏の疲れを引きずる原因は大きく分けて2つあります。

記事画像

体内の健康状態が万全ではないのに、目先の秋の味覚をたっぷり堪能してしまうと、内臓はオーバーワークになりがちです。
まずは夏の疲れをしっかりリセットし、体調が良い状態を作ることで秋の味覚を楽しむ準備をしましょう。

夏の疲れは温かい食べ物でとっていこう

冷えがちな内臓を温めるのは難しくありません。
まずは普段の食事に温かいものを1品取り入れましょう。
お味噌汁やスープなどの汁物であれば簡単に取り入れられますし、料理が苦手という方もインスタントを使えばすぐに実践できます。
内臓が冷えて本来の働きができずに代謝が悪くなってしまっては、老廃物を溜め込みがちになったり、せっかく摂った良い栄養が十分に吸収されなかったりすることも。
まずは身体の内側から冷えを解消することで内臓が元気に動いてくれますよ。

巡りがよく太りにくい身体を作るためには体調が良い状態をキープすることが大前提です!
体調を崩しやすい季節の変わり目こそ、体調管理をしっかり行いましょう。

秋の味覚を楽しむ前に夏の疲れをしっかりとろう!

旬の食材を楽しむためにはまず、夏の疲れをリセットすることが大切です。
そして、バランスの良い食生活を心がけながら、上手に秋の味覚を取り入れられると良いですね。

磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)

記事画像

大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

この記事に関連するキーワード