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2020.09.17

外出しづらい時の運動の目安とは?新型コロナや新しい生活様式に関するユーザーQ&A

kencom編集部

※この記事は9/9(水)時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は公的機関の情報を参考にしてください

kencomに寄せられた新型コロナウイルスや新しい生活様式に関する疑問や質問について、一部にはなりますがkencom監修医師である石原先生に答えてもらいました。

運動や外出に対する考え方の参考にしていただけると幸いです。

※質問内容については一部内容を編集して掲載しています。

みなさまから寄せられた中から7つの疑問・質問をピックアップ

Q1.同居している高齢の母親がコロナの関係で外出・サークル活動等が自粛されたためか、気力が低減してしまいました。日々の対応に悩んでいます。

社会の分断がおこっている現在の抑制された生活の中では気力の低下もあるでしょう。
人の少ない時間を活用して家族で散歩をしたり、オンラインを活用してコミュニケーションをとったりと、新しい生活様式の中でできることに挑戦してみてはいかがでしょうか。

高齢の方の場合、コロナに感染してなくとも持病が悪化することがあります。体温の変化や食欲の減退など、体調の変化に注意してください。

Q2.会社の食堂で手を洗わずに入り口のアルコール消毒だけで食事されてる方がいました。アルコール消毒だけでそんなに手に付着したウィルスが死滅するのでしょうか?

適切な濃度のアルコール(70-90%程度)で、30秒程度の時間をかけて両手全体を消毒すればウイルスを不活性化することができます。
しかし、そもそも手が汚い場合はその限りではないので、消毒効果が下がってしまいます。食事の前は、石鹸を使ってしっかりと手洗いをするほうがベターです。むしろ、しっかりと手洗いをしたら、アルコール消毒はそこまで気にしなくても大丈夫です。

Q3.今は、病院に行きたいけどコロナで行きにくい。

行こうと思っている病院や医師に相談のうえ訪問するといいでしょう。
感染者が拡大傾向にある地域や時期は注意が必要ですが、医療機関でも対策がとられているのでそこまで不安にならなくても大丈夫です。
むしろ発見や処置が遅れて症状が悪化してしまう方が心配です。

どうしても病院に行きたくないということであれば、オンライン診療の活用も一手ではあります。

Q4.周りに人がいなければマスク無しでウォーキングしています。空気感染もあるかもと言われていますが、屋外で感染するリスクがあるのでしょうか?

「スーパースプレッダーとなる人が近くにいた」「ウイルスが大量に浮遊していた」「自分自身の免疫が限りなく低下していた」などの条件が揃った場合は屋外であっても感染するリスクがないとはいえません。

しかし、質問にあるように、周囲に人がいなければそのような状況は考えにくく、風で換気されるので感染する可能性はかなり低いと思います。心配をしすぎてストレスをためることもありません。

特に気温の高い日などは、適宜マスクをとって休憩することが推奨されていますので、周囲の状況をみながら柔軟に対応してください。

Q5.1日に必要な最低限の運動等が知りたいです。

年齢や性別によって異なるため明確に1日でこれだけ運動をすればよい、という答えはありません。
健康を目的とする場合、健康診断の問診では「週2日以上30分程度・軽く汗をかく程度の運動をしている」という項目があります。
この項目は、前提として日常生活にプラスαになります。そのため、健康を目的とするのであれば、コロナ前の日常生活における活動分と運動をプラスした分が、必要な運動習慣の目安となります。

Q6.リモートワーク中の運動量の確保はどの程度必要か。目安を知りたい。

Q5の通り、コロナ前に健康的だったのであれば、現在の生活で消費することが目安になります。
運動の確保の目安については、スマートフォンやスマートウォッチで記録した歩数や体重、カロリー消費量などを目安にするといいでしょう。

大切なのは継続ですので、室内でのワークアウトを続けられないということであれば、人の少ない時間帯を狙って外でのウォーキングやランニングを取り入れてみるのも一手です。

Q7.これから先も新しいウイルスや菌が出てくるのでしょうか?

出てくると思います。
歴史を振り返ると、天然痘、ペスト、コレラ、スペイン風邪など様々な感染症がパンデミックを引き起こしています。

今回の新型コロナウイルスのように、体調不良になる前に無症状感染をする場合、交通網が発達した現代社会では感染拡大を完全に防ぐのは難しいでしょう。新しい感染症は、人が免疫を持ち合わせていることが少ないため、一度広がり始めると最初は隔離して感染拡大を断つか、水際対策で感染拡大を食い止めながら解決策を考えるしかありません。

監修医プロフィール

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

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