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2020.09.18

梨とブドウ、腸内環境を整える成分が含まれるのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.20】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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“実りの秋“という言葉にふさわしく、色々な果物が旬を迎える秋。とくに今食べごろなのが「梨」と「ブドウ」です。

実はこの2つ、どちらかが腸内環境を整える成分を含んでいます。さて、どちらを食べたほうが腸活になるでしょうか?

梨とブドウ、腸内環境を整える成分が含まれるのはどっち?

正解は、梨

梨は果物にしてはビタミンやミネラルが総じて少ないのですが、その分、腸活に役立つ成分が2つ含まれています。それは、梨のおいしさの特徴でもある”爽やかな甘さ”と”サクッとした歯切れの良さ”をつくる成分です。

まず1つ目は、爽やかな甘み。この甘さにはソルビトールという成分が含まれており、便秘の改善や腸内環境を整える働きがあるとされています。

そして2つ目が、独特のシャリシャリとした食感。実は食物繊維のかたまりなんですよ。

硬いので石細胞(せきさいぼう)と呼ばれており、ソルビトールと同様に便秘の改善に働くため、梨にはダブルの整腸成分が入っているということになります。

ブドウを食べるなら、皮まで食べられるものを!

昨今の赤ワイン人気の高まりで、ブドウに含まれるポリフェノールの抗酸化作用に関心がある方は多いでしょう。

でも、ブドウのポリフェノールは皮や種に多く含まれるため、皮をむいて食べると、ポリフェノールはほとんど摂ることができないことをご存知ですか?

国産(岡山県産)の巨峰の皮と実のポリフェノール量を分析した結果によると、皮には約103、実には約0.552 (mg/g)という大きな違いが!

今は皮も食べられる品種が出回っているため、抗酸化作用を期待するなら、皮まで食べられるブドウを選んで食べるのをおすすめします。

梨とブドウで “おうちごはん”をさらに美味しく楽しく!

さて、在宅時間が増えていることによって、現在も“おうちごはん”の機会がグッと増えていることでしょう。また、おうち焼肉を楽しむご家庭が増加傾向にあることから、焼き肉のタレの売り上げが急増しているメーカーもあるそう。

次回おうち焼肉を楽しむ際には、ぜひ手作りの漬けダレにお肉を漬け込み、焼いてみてください。梨にはたんぱく質分解酵素が含まれるため、肉がやわらかく仕上がります。

材料(肉250g程度に対し作りやすい分量)

・醤油 大さじ3
・梨のすりおろし 大さじ2
・砂糖、酒、ごま油 各大さじ1
・にんにく、生姜(すりおろし) 各1かけ
上記と肉を1時間ほど漬けておき、あとは焼くだけで完成!

また、ブドウは皮の色が濃いほどポリフェノール量が多くなります。そのため、ワインをいただくなら、白ワインよりも赤ワインを選んだほうがポリフェノールの恩恵を受けやすくなります。まだまだ続くこの状況を、美味しい秋のフルーツで楽しみましょう!

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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