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2020.08.27

コロナ+猛暑疲れに効く「コンビニ飯」3大鉄則|コロナ禍で変わった食と健康への意識

東洋経済オンライン

健康とは縁遠いイメージもあるコンビニ飯だが、組み合わせ方によってはコロナ疲れや猛暑疲れに効果があるという(写真:hanack/PIXTA)

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健康とは縁遠いイメージもあるコンビニ飯だが、組み合わせ方によってはコロナ疲れや猛暑疲れに効果があるという(写真:hanack/PIXTA)

新型コロナウイルスの流行により、この春以降、人々は「自粛」を余儀なくされた。外出を避けて自宅にこもり、外では食事も運動もできない。

「コロナ太りでなかなか体重が戻らない」「運動不足で身体が固くなってきている」「筋肉が明らかに低下している」といった声も聞かれるようになった。

そんな中、人々の健康意識と食生活はどのように変化したのだろうか。筆者は、計400人の男女に対してアンケート調査を行い、食と健康への意識の変化について調べることにした。

同時に、家庭での食事が推奨されるようになっているが、自炊で健康に十分に配慮した食生活ができるのだろうか。食品の小売業が食と健康に関してどのような取組みをしているのかも取材した。

本稿では、これらのアンケート調査、コンビニ3社への取材から、消費者の意識と小売業の現状を明らかにしつつ、コロナ禍の人々がとるべき消費行動のヒントを提示していきたい。

自粛生活で変わった私たちの身体

今回のアンケート調査に参加していただいた男女の構成比は、女性268人、男性132人、計400人である。年齢別でみると、30代が145人で最多、次いで40代が95人、20代が81人で、10代から70代まで幅広い年齢層となっている。

アンケート結果によると、コロナ禍以降、ほとんどの人が「体重が増加した」と回答。増加幅の平均は約1.5キログラム、中央値だと1キログラムだった。また、ダイエットに気をつけている人は全体の58%(「まあまあ気をつけている」「気をつけている」の合計)となった。

次に、筋力の低下を感じている人は、5段階評価でのアンケートで「そう思う」(25%)と「ややそう思う」(35.75%)を合わせると、50%以上の人が筋力の低下を感じていた。

脂肪はついたのに筋力は低下したと感じている人が多いことがわかる。

その一方で、健康に留意したいと思っている人々は多く、「そう思う」(26.5%)、「ややそう思う」(40.7%)を合わせて、6割以上の人々が何らかの形で健康に注意するようになっていることがわかった。

それでは、消費者は実際にどのような消費行動をとっているのだろうか。

本調査では「コンビニで購入する場合、ダイエットもしくは健康を考えて購入されますか」という設問で、具体的なコンビニ名や商品名も合わせて尋ねたところ、「セブン-イレブンでサラダを購入する」という自由回答が多く見受けられた。

「コロナ後、お客様からさまざまな声が寄せられましたが、健康で暮らすために、食べることに今まで以上に注意するお客様が増えておられると感じています」

セブン-イレブンが2018年から展開している「カラダへの想い この手から」マーク(写真提供:セブン-イレブン)

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セブン-イレブンが2018年から展開している「カラダへの想い この手から」マーク(写真提供:セブン-イレブン)

こう語るのは、セブン-イレブン商品本部FF・惣菜部の羽石奈緒・総括マネジャーだ。同社では、2018年から「カラダへの想い この手から」のマークをつけた商品シリーズを展開し、購買客の健康を訴求してきた。

このシリーズでは、商品に「一日で必要なお野菜を半分摂取できる」「レタス1個分の食物繊維が摂れる」といったラベルを貼っている。

また、サラダで使う野菜も、コールドチェーンで管理されているため、栄養はもちろんシャキシャキとした食感も保持される。本調査でもサラダ需要の高まりを感じられた。

羽石氏は「野菜やサラダのニーズは今後もあるため、どんどん改良していきたいです。人々の健康志向に終わりはありません」と意気込む。

食物繊維を摂りたいニーズに応える

競合のコンビニ各社でいち早く健康への取り組みを始めているのがローソンだ。同社では2012年から、低糖質、食物繊維、たんぱく質、有機野菜などの食材のおいしさ、減塩、低カロリーといった10のテーマを軸とした「健康志向の商品開発」を進めている。

現在では糖質コントロール商品は120商品ほどあり、糖質を抑えた「ブランパン」シリーズも含まれている。2012年の発売以来、毎年リニューアルを重ねており、シリーズ累計で2億9000万個以上(2020年4月末時点)が販売されてきた。

最近では、ブランパンの購買層もシニアの構成比率が高く、40〜60代の主婦がリピートしているほか、健康管理に気を配る30代女性も増えてきているという。

「新型コロナウイルスの影響で家にこもる方が多くなり、コンビニ全体の来店客数は落ちましたが、ブランパンシリーズの売り上げは好調で、リピート率も高くなりました。ブランパンシリーズの購入目的での来店もいらっしゃいました」(中食商品本部の梅田貴之・本部長補佐統括部長)

ブランパンシリーズのほか、2019年から投入された、食物繊維などの栄養成分を多く含む大麦を使用した「大麦ぱん」シリーズも売れ行き好調だ。

筆者が行った調査では、約2割の人が「食物繊維を摂取したい」と回答し、糖質制限を気にしている人も2割近くいた。

「開発する際、つねに考えていることは、おいしさが大切であることです。健康を配慮すると逆においしさから遠のいてしまう。まずはおいしいことが大前提であり、プラス健康である、これが大切だと思っています」(梅田氏)

ブランパンの原材料は小麦の外皮からコメの外皮に改良しており、現在は大麦を使用した商品も販売している。今後は違った素材のよさ、配合を考えているという。このようにおいしさを基軸にしたことで、顧客層の裾野が広がったとみられる。

ファミリーマートも、今年4月から惣菜を中心に健康食品のブランディングを開始した。これまでも健康訴求は行っていたが、さらにわかりやすく「健康は食事から」というロゴマークとともにオレンジ色のパッケージに統一し、わかりやすくしたという。

健康に配慮しながら、食べたときの満足感を追及するためには、一つひとつの素材に栄養価の高い素材を使うことがカギだといわれる。

スーパー大麦を使用したファミリーマートのおにぎり(写真提供:ファミリーマート)

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スーパー大麦を使用したファミリーマートのおにぎり(写真提供:ファミリーマート)

同社はおにぎりや弁当の素材に、白米の約40倍、大麦の約2倍の食物繊維が摂れるというスーパー大麦を使用している。

これは腸の奥まで届くため、効果も生じやすい。同じ1グラムでも栄養価が変わり、食べる量を減らすことなく、健康的な食事が可能となるという。

ほかにも、ファミリーマートでは、食物繊維が豊富な全粒粉をおいしく加工する技術「スーパーファイン製法」を採用しサンドイッチのパンに配合したり、スープに乳酸菌を配合することによって免疫力をアップさせるなど、工夫を重ねている。今後は、乳酸菌入りのスープや鍋を順次投入する予定だ。

全粒粉、スーパー大麦が入った商品は、女性の購入比率が通常に比べ20%ほど高く、女性中心にリピートしている。これらの売り上げは、コロナ後も堅調に推移しているという。

コンビニ食材をうまく取り入れるには?

今回、コロナ禍をきっかけとして、コンビニ各社へ健康を意識した商品開発への取り組みについて取材したが、強く感じたのは「素材へのこだわり」と「味付け」だった。どの会社も、食べる量が同じでもたくさんの栄養を摂取できるよう栄養価の高い素材を厳選し、製造工程も考慮していた。

ファミリーマートでは、塩分を減らす代わりに、商品ごとにダシを変えたり、スパイスを変えるなどして、おいしさを維持しているという。また、セブン-イレブンでは、ダシのためのガラの部位を指定するケースもあるそうだ。

具材の種類の多いおかずを作ることや、必要な栄養を満たせているかまで計算しながら料理することは、家庭では面倒だし難しい。コンビニ商品を上手に一品として利用しながら、日々の食事のメニューを構成していくと、健康維持への早道となるだろう。

エネルギーや栄養バランスの取れた食事のためには、主食(ごはん、パン、麺類など主にエネルギーになる料理)、主菜(肉や魚、卵など主にたんぱく質を含む料理)、副菜(野菜、きのこ、海藻などビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む料理)をそろえることが重要である。

では、どのようにコンビニ商品を取り入れることが可能だろうか。筆者からは3つのアドバイスを行いたい。

① たんぱく質は毎食で摂る

日本人の食事摂取基準2020年版によると、1日に必要なたんぱく質の推奨量は、男性(15~64歳)65グラム、女性(18歳以上)50グラムである。これは、肉にすると鶏肉ささ身で約4つ程度、魚だとさばやぶりで3~4切れ、生卵だと8~10個だ。1食でもおざなりにすると、1日の摂取量に満たない。

例えば、夏場に1食をおにぎりやそうめんなどで軽く済ませてしまうと、必要量は摂れなくなる可能性が高い。だから、できるだけ毎食、まめにたんぱく質の入ったコンビニ惣菜を取り入れることをお勧めしたい。

コンビニの「サラダチキン」はすっかり定番となったが、バリエーションも増えて、飽きないように味に工夫がされている。サラダ野菜を買ってそのまま一緒に食べても美味しいが、パンに挟んだりパスタに入れたりなど、料理にも活用できる。

魚や肉がのっているサラダもある。本調査では、「野菜のみのサラダ」と「肉や魚などのたんぱく質がのった商品」と比較した結果、購入率で後者に軍配が上がっていた。野菜だけでなくたんぱく質を同時に摂る大切さを消費者は知っているのだろう。

最近では、ファミリーマートのスーパー大麦入りの雑穀と生野菜に、カレーとチキンカツを乗せたお弁当のようなサラダ「1/3分の野菜が摂れるカレーサラダ」など、いままでにないユニークな商品もある。

たんぱく質というと肉・魚を連想しがちだが、豆腐や納豆もお勧めだ。挽きわり納豆なら1個(40グラム)で6.6グラム、絹ごし豆腐なら1丁(250グラム)で13.3グラムのたんぱく質が摂取できる。

② 野菜、きのこ、海藻はこまめに摂る

野菜はサラダや小鉢などでたんぱく質よりも比較的摂取しやすいものだが、やはり必要な栄養素をバランスよく摂るのは難しい。野菜、きのこ、海藻も意識して、こまめに摂るようにする必要がある。

ローソンの「ブランパン」(写真提供:ローソン)

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ローソンの「ブランパン」(写真提供:ローソン)

先述したローソンのブランパンでは、1本で1食分の野菜が摂れるNZグリーンスムージー200グラムがよく一緒に買われているという。

筆者も個人的に利用しているが、ほどよく腹持ちもするため、食事のときだけでなく、空腹時やおやつなどに利用してもいい。

セブン-イレブンのカップデリには、自炊だと多くの野菜をそろえるのが面倒な「6種具材のお豆腐とひじきの煮物」といった小分量の商品の豊富なラインナップが準備されている。1人でも家族でも食べられるし、食事の追加の1品にもお酒のつまみにもなる。

冷凍野菜もうまく活用したい。最近では、ブロッコリーやオクラなど、さまざまな野菜がそろっている。例えば、豆腐や納豆にカットオクラやブロッコリーなどをのせると、たんぱく質と野菜を一緒に摂ることができるうえ、緑黄色野菜などに豊富に含まれるβカロテンなども摂れるのでオススメだ。

③ 骨の強化にも気配りを

テレワークや外出自粛で家にいることが増えた中高年の方々にお伝えしたいのは、骨粗しょう症のリスクである。活動や日光を浴びる機会が減ると、筋肉低下のみならず骨にも大きく影響する。

骨粗しょう症は、男女ともに年齢が重ねるにつれて発症が増加していく。もしも発症したならば、60歳では女性では3人に1人、男性だと5人に1人は骨折するという。早いうちから気をつけるに越したことはない。

カルシウムはもちろんだが、その吸収を助けるビタミンDの摂取も必要だ。ビタミンDは、日光を浴びることで体内でも作られるが、外出自粛などで日光を浴びる機会が減っていることが想定される。そのため、食品からビタミンDを摂取することも心掛けたい。

例えば鮭には、ビタミンDが多く含まれている。そのため、コンビニ各社が取り扱っている「焼鮭」をお勧めしたい。コンビニの焼鮭は包装時に窒素充填されているため、身体に害を及ぼすことなく長持ちするよう工夫されている。家庭料理に取り入れるにも便利だ。

8月も下旬となったが、まだまだ残暑が厳しい。こだわりのコンビニ商品を食生活に取り入れることで、ダイエットや筋力や骨の強化も心がけ、コロナ禍の夏を健康で切り抜けていただきたい。

(栄養面監修:松崎恵理

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池田 恵里:フードジャーナリスト

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