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2020.08.22

上手に使って栄養バランスUP!冷凍・レトルト食品の活用術

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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今年はおうちごはんの機会が増えたため、日々の献立やメニューのレパートリーに悩まされている方も多いのでは。
最近は野菜の高騰も加わり、栄養バランスとお財布の事情を天秤にかけることもあると思います。

今回はそんな食卓事情を少しでも楽にするために役立つアイテム、冷凍食品とレトルト食品の上手な付き合い方について紹介します。猛暑続きでキッチンに立つ時間を1分でも短くしたいと思われている方にもおすすめですよ。

冷凍食品・レトルト食品にはどのようなものがある?

スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで取り扱われている冷凍食品やレトルト食品ですが、最近では種類も多く料理初心者の方でも取り入れやすいものが増えています。

数ある商品の中でも、冷凍食品にはパスタやピラフ、お弁当用の小ぶりなハンバーグやグラタンなどのレンジ加熱するだけで完結するものから、下処理・カット済みのほうれん草やコーン、レンコンなどの根菜や果物など「素材」の状態のものもあります。

レトルト食品には、レンジや湯煎で温めるだけで食べられるカレーやパスタソース、中華丼や牛丼の具材などがあります。

食事の基本を知って、効率よく献立に活かそう

出典:農林水産省

出典:農林水産省

冷凍食品やレトルト食品は種類が豊富だからこそ、自身の調理スキルやその日の気分によって上手に使い分けることで、栄養バランスも整いやすくなります。
ここで大切なことは、「調理や献立の過程においてどこに取り入れるか」ということです。

農林水産省の食事バランスガイドを見ると、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物をバランスよく摂ることが推奨されています。冷凍食品やレトルト食品を活用する際は、どの部分が補えていてどの部分が不足しているかを意識すると、効率よく献立に活かせます。

野菜ミックスで面倒な下処理を省略

「料理は慣れているけれど野菜の下処理が面倒」「キッチンに立つ時間を少し減らしたい」という方には、下処理済みの冷凍食品がおすすめです。

中でも、根菜ミックス、煮物ミックスなど3~4種類の野菜がまとめて袋に入っているものがあります。これらを使用することで、食材を揃えて洗って皮をむいて茹でて…という下処理をすべて省くことができます。
調理例としては、出汁と醤油、みりんを使って和風の煮物にしたり、カレーの具材、トマト缶でトマト煮込みにするなど活用法はたくさんあります。

中身によって栄養価は変わってきますが、根菜類には腸内環境を整える食物繊維が多く含まれていますし、煮物用のミックス野菜に入っていることの多い人参には抗酸化作用を持つβカロテンが多く含まれます。肉や魚をくわえるとタンパク質も摂ることができ、主菜の中身を充実させることができます。

ちょい足しで栄養価アップ

「料理は得意ではない」「手間をかけたものは作れない」けれど、少しでも見た目良く栄養価をアップさせたいという方は「ちょい足し」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

例えばピラフを作る時に、冷凍のミックスベジタブルを加えることで手間なく人参、グリンピース、コーンと3種類の食材をプラスすることができます。
また、冷凍うどんを活用する場合、素うどんではなく、卵や缶詰(鯖缶やイワシ缶など)をちょい足しすると、タンパク質をプラスすることができます。同じように塩焼きそばにシーフードミックスをプラスするとタンパク質をプラスできます。

ピラフ、うどん、焼きそばはいずれも主食にあたるため、ミックスベジタブルを活用することで副菜の要素を、卵や魚介類を足すことで主菜の要素をプラスすることができます。

プラス1品でメニューと栄養バランスをアップ

おうちごはんでの悩みのひとつが「野菜不足」ではないでしょうか。
主食や主菜はパパっとできても、「あと1品の副菜(野菜を使った料理)」が足りない…という場合も冷凍野菜がおすすめです。

冷凍野菜で簡単ポタージュ

食事に汁物をプラスすると、食事からとれる水分量も増すため、夏バテ予防にもなります。
冷凍野菜を使ったポタージュなら、冷やしても美味しく食べられるので夏の1品としてもおすすめです。

作り方は簡単。出汁もしくはコンソメスープに冷凍の枝豆、グリンピース、コーンなどを入れて火を通し、ミキサーで混ぜたら牛乳と合わせるだけで完成です。

冷凍野菜で簡単副菜

単品の冷凍野菜は、生の野菜よりも価格変動が少なく、いつでも良い状態のものを食べられるメリットがあります。
冷凍庫にストックしておくと、あと1品の副菜を充実させるアイテムとして非常に便利です。

冷凍のブロッコリーは表示通り解凍するとそのままサラダとして使えるほか、にんにくやベーコンとともに炒めるとおつまみにもなります。また、パプリカやコーンなどのカラフルな野菜を活用すると食卓も華やかになります。
冷凍のカットほうれん草は、そのままかつお節と醤油を加えたり、納豆と混ぜ合わせるだけで簡単な小鉢になります。みそ汁の具にも使えますし、ベーコンやバターとともに炒めて朝食の付け合わせとしても活用できます。

主食がレトルトならもう一工夫を

カレーや丼の素などのレトルト食品は、それだけで主食と主菜が揃い満足感のある1品ができますが、栄養価を考えるともう少し工夫が欲しい場合も多いです。
そんな時は、ごはんを白米から玄米や雑穀米に変えるだけでも、食物繊維量やビタミン、ミネラル量が増加します。

その他にもサラダを添える、野菜の入ったスープなどの副菜を加えることで、副菜の栄養価がプラスされます。
冷凍野菜で温野菜サラダにしたり、フリーズドライのスープなどを添えるのも手軽です。

冷凍フルーツで美味しいデザートも

日本人は果物の摂取量が少ないと言われています。
皮を剥くのが面倒な果物も、冷凍フルーツを使えばすぐに食べられるので、ちょっとしたおやつやデザートとして重宝します。

最近ではコンビニでもいちご、ブルーベリー、マンゴー、パイナップル、チェリー、ブドウなど、冷凍フルーツが種類豊富に揃っています。

ヨーグルトに加えると、食事バランスガイドの一番下の部分に記載してある乳製品と果物を摂ることができます。同様に牛乳と合わせてミキサーにかけると、手作りシェイクも作ることができます。

上手に活用して食事スタイルを見直して

全て一から手作りは手間もかかり大変ですが、美味しくて保存のきく冷凍食品やレトルト食品を上手に選べば、手間を上手に省きつつメニューのバリエーションを増やすことができます。

食事バランスガイドを参考にしながら、ご自身の食事スタイルを見直し、おうちごはんをより充実させていきましょう!

磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)

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大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

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