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2020.08.11

血圧を下げる食品や上げる食べ物とは - 管理栄養士が解説

マイナビニュース

「自身の体で気になる数値は?」と聞かれたら、「血圧」と回答する人も少なくないだろう。体脂肪や血糖値と並び、血圧はさまざまな疾患リスクをみるうえでの重要なファクター。それだけに、日頃から高血圧気味な人は毎日の食事にも配慮する必要がある。

そこで本稿では、管理栄養士の真野稔子さんの解説のもと、高血圧の人が摂取すべき、あるいは避けるべき飲食物や、食事の際の工夫ポイントなどを紹介する。

血圧を下げる食品や&上げる食べ物を理解しておこう

参照元:https://news.mynavi.jp/article/20200811-1198306/

血圧を下げる食品や&上げる食べ物を理解しておこう

高血圧と低血圧の定義

血圧は一般的に「上の血圧」と呼ばれることが多い収縮期血圧と、「下の血圧」と呼ばれることが多い拡張期血圧の2つの数字を見てチェックする。

「収縮期血圧は心臓が収縮し血管に最も強い圧力がかかっているときの値になります。一方の拡張期血圧は、心臓が拡張しているときに血管にかかる圧力の値になります」

■高血圧……診察室血圧が140/90mmHgを、家庭血圧が135/85 mmHgを超えたら、高血圧と診断される。収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上の場合、あるいはこの両方を満たすと高血圧と診断される。

「家庭血圧の値が5~7日の平均で収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上のどちらかに該当するケースでも高血圧と診断されます。高血圧の判定では家庭血圧の方が優先されます」

■低血圧……低血圧には厳密な定義がなく、一般的に収縮期血圧90mmHg ~100mmHg未満を低血圧と呼ぶ。

「低血圧は基準も高血圧の基準ほどは重要視されていないみたいで、臨床医によって意見の違いもあり、収縮期血圧90mmHg~100mmHg未満を低血圧として判断されているようです。WHOでは世界共通の基準として『収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下』を低血圧としているようです」

高血圧の原因

高血圧は、原因の特定ができない「本態性(ほんたいせい) 高血圧」と原因が明らかな「二次性高血圧」に分けられるが通常、高血圧といえば本態性高血圧を指すケースが多いという。

「本態性高血圧は『塩分の多い食事』『肥満』『喫煙』『飲酒』『ストレス』『運動不足』などの生活習慣と『寒冷(気温)』『遺伝』『年齢』『性別』などのさまざまな要因が複雑に絡み合って起こるとされています。二次性高血圧は、原因を取り除くことができれば、血圧の正常化が期待できます。一般に、二次性高血圧は、本態性高血圧と比べると若い人に多くみられるようです」

血圧を下げる効果が期待できる飲食物

高血圧から脱却するには食事面での改善が欠かせないが、普段の食事にプラスワンするだけで手軽に血圧改善を狙えるのが飲料だ。各種メーカーが販売している機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)の中から、血圧の改善効果が期待できる飲料と有効成分を以下にまとめたので参考にしてほしい。

日本茶(ポリフェノール) / 紅茶(ポリフェノール) / ウーロン茶(ポリフェノール) / 杜仲茶(杜仲葉配糖体) / お酢(酢酸) / ピンクグレープフルーツジュース(GABA) / トマトジュース(リコピン) / そば茶(ルチン)

血圧を上げる恐れがある食べ物

ただし、どれだけポリフェノール配合の日本茶やリコピンを含有したトマトジュースを飲もうとも、毎回の食事内容が高血圧を招くものであったら焼け石に水だ。真野さんは、以下の特徴を持つ食品は血圧を上げる可能性があるとして警鐘を鳴らす。

■「隠れ塩分」を多く含む加工食品

■インスタントのラーメンやみそ汁

■タレや下味の強い市販品

■砂糖入りのソフトドリンクやお酒

■はんぺん・ちくわなどの練り製品

■ハム・ソーセージなどの加工食品

■飽和脂肪酸やコレステロールが多い食品

■脂肪の多い肉類

■バターや生クリームなどの脂肪や砂糖を含むお菓子

この中で普段あまり意識していないのが、目に見えない塩分、いわゆる「隠れ塩分」だろう。ハムやソーセージ、はんぺんなどのそこまで塩味を感じない加工食品にも、その製造過程で塩が用いられていることもあり、「加工食品は控えめにしましょう」と真野さんは話す。

朝食の定番であるパンやバターも、意外と塩分を含んでいる可能性が少なくない。そのため、こういった隠れ塩分に注意しながら食事をする必要があると言えるだろう。

高血圧の人が普段の食事で気をつけること

普段の食事に手軽に飲めるトクホや機能性表示食品をプラスしたり、高血圧を招く可能性がある食品を避けたりするほかに、飲食時に気をつけるポイントはあるのだろうか。

真野さんにうかがったところ、キーワードは「まごわやさしい」と「生食」になるという。

「食材は食物繊維やマグネシウム、カリウムが摂れる食材を選ぶようにしましょう。これらの成分は野菜や豆、きのこ、海藻、芋、穀類などに豊富に含まれています。主食は白米を麦入りや雑穀入り、七分付き米にするなどの対策ができます。パンの場合は全粒粉やライ麦パンにすると白いご飯やパンより食物繊維が摂取できます。麺類ならば、おそばの方がうどんより多く食物繊維が含まれています」

昔から「豆類」「ごま」「わかめなどの海藻類」「野菜」「魚」「しいたけなどのきのこ類」「いも類」は体によい食材として知られており、それぞれの頭文字をとった「まごわやさしい」を普段の食事に取り入れるべきと考えられている。血圧対策にも、この考えは有効と言えそうだ。

「そして、野菜や果物は生で食べるのがおすすめです。野菜や果物に多く含まれるカリウムにはナトリウムを排泄する作用があり、塩分の摂りすぎによる血圧の上昇を抑えます。ただし、茹でるとカリウムが抜けるため、生で食べられる野菜や果物は、できるだけ生で食べるようにしてください」

その他に毎日の食事で注意すべき点を以下にまとめたので参考にしてほしい。

化学調味料やだしの素の使いすぎは注意……化学調味料やだしの素は、旨味成分とともにナトリウムが含まれているので、何にでもかけると塩を使っているのと同様になってしまう。

食塩より天然の塩を利用する……精製された食塩はナトリウムが99%だが、天然の塩はミネラル類が含まれている。そして、天然の塩には人工塩にはないうまみ成分が含まれているケースも少なくないので、体にいいだけではなくおいしさもアップするというメリットがある。

むやみに調味料を使わない……しょうゆやソースなどの塩気のきいた調味料はむやみに使用せず、食べようとしているものの味を確かめてから使用するのがよい。可能であれば酢やケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、香辛料(コショウ、七味、生姜、柑橘類など)で代用し、使う際も食品に直接かけるのではなく、小皿に取り分けたうえで食品をつけて食べるようにしよう。

外食時に注意すべきポイント

たまの外食となると、つい気が緩んで自分の好きなように食べてしまいがちだ。食べたいものを我慢することはストレスにつながるため、食事を楽しみつつ、以下のことだけは最低限のルールとして守るように心がけよう。

・麺類の汁や定食の漬物は残す

・しょうゆやソースはなるべく使わないようにする

・味の付いた主食(炊き込みご飯など)は避ける

・薄味でも食べすぎないようにする

・アルコールは適量にとどめる

「高血圧で日常的に飲酒している方は、節酒をすると血圧が下がると言われています。アルコールは、飲んだすぐ後だと血圧は下がりますが、継続して一定の量以上を飲むと高血圧の原因になります。アルコール量は男性が20~30ml/日以下、女性が10~20ml/日以下に控えるようにしてください」

アルコール20~30mlは「日本酒1合」「ビール中瓶1本」「焼酎半合」「ウイスキー・ブランデーのダブル1杯」「ワイン2杯」とされており、これが一日の適量となる。

「これじゃ少なすぎる!」と嘆く人もいるかもしれないが、食事の時間を楽しく過ごすためのお酒で身を滅ぼしてしまっては意味がない。お酒はほどほどにしつつ、できる範囲から食事内容や生活習慣を改善させていき、高血圧体質からの脱却を目指すといいだろう。

真野稔子

真野稔子 まのとしこ
管理栄養士。モデルから食のアドバイザーへ転身。食は健康の基本であり、美の基本であるという考えから、お腹の中からキレイを作ろうというコンセプトに基づき、シンプルでナチュラルな食生活を提案。パーソナル管理栄養士として、また病院(病棟・外来)・企業・行政機関などでの栄養指導、カフェなどのメニュー開発や各種メディアに出演するなど幅広く活動中。 オフィシャルブログ「Food Care ~食べて身体をケアしましょう~」・「理想の身体を手に入れる・美人ごはん お腹の中からキレイを作ろう」やフェイスブックでも情報を発信している。

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