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2020.08.27

ごはんにアレをプラスして糖質もカロリーもカット!炊飯器でカオマンガイ

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

近年注目されている糖質カット。ダイエット効果、糖尿病予防等多くのメリットがあると言われています。

糖質カットと聞くと「主食を全く食べられない」と考える方も多いです。確かに主食となるごはん、パン、麺には糖質が大量に含まれていますので注意が必要ですが、急に主食を全てカットしてしまうとストレスが溜まって続かない…という事も多いのです。そこでおすすめなのが、全カットするのではなく通常の食事に一工夫加えた「ゆる糖質カット」です。

ごはんに“白滝”をプラスして、ゆる糖質カット

主食の中でも登場回数の多いごはんの糖質を完全にカットするのは難しいのですが、糖質の少ないものをプラスしてかさ増しすると、ボリュームはそのままに糖質を抑えられます。

例えばきのこ類やひじきなどの海藻類やこんにゃくは、糖質が低くかさ増しにぴったり!お米の重量の8割を目途に加え炊き込みご飯にすると、違和感なく美味しく食べられます。
今回はごはんの見た目を損ないにくい「白滝」を加え、なおかつ不足しがちなタンパク質をたっぷり摂れるレシピをご紹介します。

白滝入りカオマンガイ(チキンライス)

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カオマンガイは、茹で鶏と、鶏出汁で炊いたごはんを盛り付けた東南アジアの屋台料理です。

今回のレシピのように、ごはんに白滝を加えることで糖質は40%カット。カロリーは20%カットし、しかも食物繊維は1.8gアップします。
調理も食材を炊飯器に入れてスイッチを押すだけ。時短でき、火を使わないので暑い季節にぴったりですよ。

■主な栄養素
1人分 408kcal
タンパク質 33.3g(一日に必要なタンパク質の50%以上)
糖質 37.5g(全てお米の場合に比べて糖質40%カット)

※日本食品標準成分表2015年版追補2018年対応のもの。陸稲穀粒精白米で計算した場合

【材料(2人分】

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米 0.6合
白滝 70g
生姜 2g
酒 大さじ1

鶏むね肉 1枚(約300g)
塩 3g

パクチー 適量(大葉でもOK)

<タレ>
生姜(すりおろし) 小さじ1/3
長葱(みじん切り) 5cm
醤油 小さじ2
オイスターソース 小さじ2
酢 小さじ2

作り方

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1.米はといで、ザルに30分あげておく。

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2.鶏むね肉は観音開きにし、塩をすり込んでおく。生姜は千切りにしておく。

<観音開きの方法>
まず鶏肉の中央に厚さ1/2ほどの切り込みを入れる。中央部分に包丁を合わせて刃を出来るだけ寝かせた状態で左右に1/2程度の切り込みを入れ、肉の厚さが均等に薄くなるように開く。

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3.白滝はしっかり臭みをとりのぞくために5分強火で茹で、ザルにあげて5分以上おき、水気をしっかり切ってから包丁でみじん切りにする。

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4.お米を炊飯器に入れ、水を1合の目盛りまで入れた後、酒、生姜、白滝を加え、上に鶏むね肉を乗せて炊く。

5.お米を炊いている間に、タレの材料を全て混ぜ合わせる。

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6.お米が炊けたらお肉を取り出す。

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7.お米をふんわりとかき混ぜて余分な水分を蒸発させる。

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8.器にご飯を盛り、そぎ切りにした鶏肉を盛り付けてタレをかける。お好みでパクチーを添える。

美味しく作るPOINT

・お米は調味料を加える前に浸水することで、芯ができるのを防ぎます。
・鶏肉から水分が出るので、水加減は少なめに。
・鶏肉は観音開きにすることで味染みがよくなり、加熱むらも防げます。
・お肉の重さに対して1%の塩を揉みこむことで、しっかりと味が染みます。
・お米と具材は混ぜこまない方が上手に炊けます。
・ごはんが炊けたら急いでほぐし、余分な水分を蒸発させることでべチャッとするのを防ぎます。
・鶏肉は食べる直前に切った方が肉汁が落ち着き、パサつきもおさえられます。
・鶏肉の皮を除くと、より低カロリーになります。

糖質カット生活の注意点

このレシピでは、糖質とともにカロリーも抑えました。しかし、糖質だけでなく極端なカロリー制限を行ってしまうと筋肉が痩せて、太りやすい身体になってしまうこともあります。
一日で必要なタンパク質と脂質はしっかり摂り、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

糖質カット生活でも摂るべき食材

肉・魚・大豆食品

どれも良質なタンパク質を多く含み糖質は少なめです。
タンパク質はダイエット中に減少しがちな筋肉の材料となります。それだけでなく血液やホルモンなど身体の主要な組織を作るのにも欠かせません。また、ビタミンやミネラルなども多く含まれます。

肉には全般的に糖質の代謝に必要なビタミンB群が含まれますし、魚には免疫やカルシウムの吸収に必要なビタミンDや良質な脂質が、大豆食品は身体を整える微量元素が豊富に含まれています。

タンパク質を効率よく摂りたい場合は、脂質が少なめな魚や、肉ならヒレや赤身、ロースの赤身部位等を選ぶと良いでしょう。今回使った鶏のむね肉はタンパク質を豊富に含む優れた食材と言えます。

野菜

ビタミンC、Aの他に体調を整える微量元素、食物繊維を多く含みます。
糖質量は根菜に若干多め、葉野菜は少な目という傾向がありますが、野菜に関しては日常では神経質にならず1日350gを目安にたっぷり摂りましょう。

今回のチキンライスには白滝が入りますが、白滝は食物繊維以外のビタミン等はあまり含みません。トマト等の緑黄色野菜、レタスやきゅうりなどの淡色野菜を1食あたり120gを目安に摂るとバランスが整います。

糖質カットについてもっと詳しく知りたいときは

著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ。著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』(全て主婦の友社)管理栄養士、ロジカル調理研究家。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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