メニュー

2020.08.18

低糖質ダイエットするなら知っておくべき、糖質カットの基本

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

記事画像

近年注目されている糖質カット。ダイエット効果、糖尿病予防など多くのメリットがあると言われています。

糖質カットしたレシピや食品も増えていますが、そもそも糖質を減らすメリットや、糖質とカロリーの違い、低糖質な食材を理解していますか?
普段の食事に活かせる糖質カットの基本をおさえて、食生活から健康づくりをしてみましょう。

糖質を摂りすぎるリスク

糖質を多く摂ると血糖値が急激に上昇し、これを下げるために膵臓からインスリンというホルモンが大量分泌されます。

食事のたびに大きくインスリンのバランスが崩れたり、血糖値のコントロールがうまくいかないことが続くと生活習慣病をはじめ、動脈硬化などのリスクを高めてしまいます。
また、低血糖になると空腹を感じやすくなります。すぐに間食したり甘いものを食べて再び血糖が上がる…といった悪循環を招いてしまうことも。

糖質をカットをすると急激な血糖の上昇を抑えられるため、結果生活習慣病のリスク低減、食欲コントロールなどに繋がるのです。

糖質カットとカロリーカット

ダイエットの視点から、糖質カットと間違われやすいのがカロリーカット。

ダイエットのために、単純に炭水化物(ごはん、パン、麺)を制限し、おかずも野菜のみ、とする方も多いでしょう。しかし、これでは糖質はカットできても一日に必要なエネルギーが不足します。

エネルギーが不足すると人間は身体の筋肉からタンパク質を分解し、エネルギーに変えてしまいます。
筋肉はカロリーを熱に変換して消費する大切な役割があるため、筋肉が痩せるとその分使うカロリーも少なくなり、結果痩せにくい身体になってしまうという悪循環を引き起こします。

糖質カット生活で摂りたい食材、気を付ける食材

健康的にダイエットするためには、糖質はカットしても極端なカロリー制限は行わず、必要なタンパク質と脂質をしっかり摂るのがポイントです。

以下の食材に気を付けることで、効率よく普段の食生活を改善できます。

摂りたい食材

肉・魚・大豆食品

どれも良質なタンパク質を多く含み、糖質は少なめです。

タンパク質はダイエットに減少しがちな筋肉の材料となるだけでなく、血液やホルモンなど身体の主要な組織を作るのにも欠かせません。また、ビタミンやミネラルなども多く含まれます。

肉には全般的に糖質の代謝に必要なビタミンB群が含まれますし、魚には免疫やカルシウムの吸収に必要なビタミンD、大豆食品は身体を調える微量元素が豊富に含まれています。

野菜(いも類を除く)

野菜には、ビタミンCやAの他に体調を整える微量元素、食物繊維を多く含みます。

糖質量は種類によって差があり、根菜は若干多め、葉野菜は少な目という傾向がありますが、日常では神経質にならず1日350gを目安にたっぷり摂りましょう。

きのこ・海藻類

糖質量が少なく、血糖値上昇を抑える食物繊維、体調を整えるビタミンやミネラルも豊富です。腸内環境を整えたり便秘の改善にも役立ちますので量を気にせずたっぷり摂りましょう。

ナッツ類

糖質量が少なく食物繊維が豊富。抗酸化作用を持つビタミンE、カルシウム、マグネシウムも豊富です。
ナッツ類は脂質が多い印象がありますが、血液中の脂質濃度を下げる効果が期待されるオメガ3脂肪酸や、コレステロール抑制効果があるとされるオメガ9脂肪酸など、身体に良いとされるものが豊富です。

気を付けたい食品

牛乳・果物

牛乳にはカルシウムが、果物にはビタミンCが豊富ですが糖質が多いものもあります。

チーズは糖質量が少ないので、カルシウムを摂りたい時に向いています。果物はドライフルーツになると一気に糖質量が上がるので注意しましょう。

ごはん・パン・麺・いも類

糖質を大量に含みます。

しかし、完全にカットすると満腹感が得られなかったり、急な食生活の変化により反動でドカ食いになることも。半量に抑えるなどの工夫をしましょう。

お菓子・ケーキ・甘い飲み物

大量に糖質を含みます。特に血糖値を上げやすい糖質が多く、ビタミンやミネラルはあまり含まれません。

せっかく糖質カットの食生活をしても、これで一気に帳消しになってしまう恐れもあるので避けた方が良い食品です。

普段の料理にひと工夫!糖質カットするテクニック

今回は、普段の料理に一工夫して無理なく糖質カットするテクニックをご紹介します。

普段の主食に糖質カット食材をプラス

ごはん(お米)にはきのこや白滝をプラス

普段の食事で一番糖質を多く含むのが主食。
中でも登場回数の多いごはんの糖質を完全にカットするのは難しいので、糖質の少ないものをプラスしてかさ増しするのがおすすめ。

例えばきのこ類やひじきなどの海藻類は、糖質が少なくかさ増しにぴったり!お米の重量の8割をめどに加え、炊き込みご飯にすると違和感がないので美味しく食べられます。また、白滝をお米サイズに細かく切って入れるのもおすすめです。

麺類はタンパク質とたっぷりの野菜でかさ増し

ごはんの次に糖質を多く含む麺類は、単品で食べる場合も多く、炭水化物に偏ってしまいがち。糖質カットするために一人分の量を半量にし、たっぷりの野菜やタンパク質をプラスしましょう。
例えば、パスタの形状に似ているえのきをたっぷり加えれば食べ応えも◎。うどんはかけうどんではなく、野菜をたっぷりプラスした焼うどんにすると大幅に糖質カットできます。

プラスする食材としては、全体的に糖質があまり含まれていない肉や魚を1食あたり100gを目安にたっぷり摂りましょう。ただし、ソーセージやちくわなどの加工食品は糖質を多く含む場合があるため注意が必要です。
野菜は、糖質の多いカボチャやスイートコーン、イモ類(じゃがいも、さつまいも、里芋など)を避ければ、あまり気にしなくて大丈夫です。

パンは薄切りにたっぷり野菜をサンドして

パンにも多くの糖質が含まれています。

例えば、パンにジャムを塗っただけの食事はほぼ糖質になってしまうのでNG。10枚切りなどのなるべく薄いパンを選び、たっぷりの野菜とタンパク質をプラスした具沢山のサンドイッチなら、糖質カットだけでなく見栄えもするので目からの満足感も上がります。

糖質カットされた製品を使う

上記のように糖質の少ない食材を使うのが手軽ですが、もっと効率的に糖質カットをしたい場合は、ローカーボ食品を取り入れるのもおすすめです。

例えば、ごはんは白滝を加えるのも良いと書きましたが、白滝独特のにおいが気になる方は、こんにゃく生まれの米粒状加工食品があります。製品によっては、2合炊きあがりの場合(お米1合+米粒状加工食品75gで炊飯)で糖質・カロリーともに33%と大幅にカットできます。

また、今はこんにゃくやおからパウダー、豆腐などを利用した糖質カット済みの麺類やパンも出回っているので、そちらを利用するのも有効です。

砂糖を低糖質甘味料に変える

一般家庭で使われるお砂糖(白砂糖や三温糖)は、糖質が多量に含まれています。

糖質を控える場合は、お砂糖の中でも低GIなてんさい糖を選んだり、オリゴ糖や生はちみつ、その他血糖値を上げにくい甘味料などを選びましょう。

糖質カット生活は長い目で、自分のペースで

糖質カット生活のために、普段から取り入れやすい方法をお伝えしました。

糖質カットはすぐに目に見える効果が出るものではありません。自分のペースで、長期間で取り組んでみましょう。

著者プロフィール

記事画像

■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ。著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』(全て主婦の友社)管理栄養士、ロジカル調理研究家。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

この記事に関連するキーワード