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2020.08.10

糖質カット?カロリーカット?ダイエット向きの食事改善法を比較!

kencom公式:トレーナー・河村玲子

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食事改善はダイエットの強い味方。ですが、あまりに多くの方法があって、何から取り組んだらいいか悩む方も多いのでは。
今回は、食事改善方法の中でも特に大きいテーマである「カロリー制限と糖質制限」について、管理栄養士でトレーナーの河村玲子さんに教えていただきました。

カロリー制限と糖質制限の違いとは

どちらも摂取カロリーを減らす目的は同じ

食事改善方法として最も有名なのが、カロリー制限と糖質制限ではないでしょうか。
カロリー制限も糖質制限も言い方は違えど、摂取カロリーを減らす手段の一つです。糖質制限と聞くと、なんだか糖質を制限すること自体が痩せると感じる方も多いと思うのですが、糖質を制限しても脂質をそれ以上に摂った場合、痩せることはありません。糖質制限もカロリー制限同様、摂取カロリーが減るから体重が減るのです。

ただ、どう減らしていくのかアプローチが変わってきます。それぞれ見ていきましょう。

カロリー制限とは

まずはカロリー制限についてご紹介していきます。

栄養素の中でカロリーを持つのは糖質、タンパク質、脂質の3つとアルコールです。
それぞれ1g当たり糖質(4kcal)、タンパク質(4kcal)、脂質(9kcal)そしてアルコール(7kcal)のエネルギーを持ちます。
カロリー制限では、今の食事から糖質、脂質、アルコールの摂取をバランスよく制限することになります。

具体的には、まず下の計算をします。

落としたい体重(kg)×7200 ÷ 落としたい期間(日) = 一日に減らすカロリー(kcal)

これで1日に今の食事から減らすカロリーを計算します。ただし、減らしすぎるとバランスが悪くなります。多くても500kcalまでが現実的です。

どれだけ減らすと良いかがわかったら、次は具体的に何を減らすかを考えます。下表のように、今まで食べていたものをどの様に変える、または減らせば目標のカロリーに到達するのかを考えながら食事を選びます。
可能な限りタンパク質を確保しつつ、アルコール、糖質、脂質のカロリーを抑えるようにしましょう。

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糖質制限とは

一方の糖質制限ダイエットは、糖質を含む食品のみをカットする方法。

一口に糖質といっても、チョコレートや飴など、口に入れた瞬間に甘さを感じるような「糖類」が多い食品と、ごはんやパンなど、噛んでいるうちに甘さを徐々に感じ、また食物繊維も含む「炭水化物」が多い食品の2種類があります。
まずはお菓子やジュース、コーヒーに入れる砂糖など、糖類が多い食品をカットします。

次に、ごはんやパンなどの「主食」と呼ばれる食品を減らすようにします。
どの程度減らせば良いかは、日々の体重変動をモニタリングしながら様子を見るのが一般的です。

糖質制限はシンプルなため、我慢さえできれば摂取カロリーを大幅に減らすことが可能です。ですが、極端に制限すると体力や思考能力が落ちたり、免疫力が低下したり、時には毛髪が薄くなることもあります。少しずつ様子を見ながら行うようにしましょう。

なお、糖質制限を始めてすぐの1週間で体重が2kg程度落ちることがあります。これは脂肪が減ったわけではなく、身体に蓄えられていた糖とそれに結合していた水分が抜けただけです。そこで食事を戻せば、すぐに元の体重に戻ってしまうのでそのまま糖質制限を継続しましょう。

自分の生活にあった手法を選ぼう

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ではこの二つはどのように選べばよいでしょうか?
詳しい差は上表の通り。一長一短あるのが正直なところです。

もしも迷ってしまったなら、以下のタイプ別に判断するといいでしょう。
カロリー制限は食品や調理方法にある程度の知識を持ち、考えながら痩せたい人。また、運動を行いながら痩せたい人におすすめです。
糖質制限は食事のコントロールに時間を割きづらく、空腹と闘いながらでも難しいことはなしに痩せたい人におすすめです。
減量効果については、短期的にみると糖質制限のほうが良いという報告もありますが、長期的に見た場合は同じとのこと。
また、継続のしやすさで言うと、糖質制限よりもカロリー制限のほうが我慢が少ない分、知識さえつければ続けやすいようです。

低GI値や食べ順ダイエットはどんなもの?

GI値ダイエットは生活習慣病のリスク対策がメイン

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最後に低GI値ダイエットについて。といっても、こちらは糖質制限やカロリー制限とは異なり、減量が目的ではありません。
血糖値の上昇を穏やかにし、生活習慣病(とくに糖尿病)のリスクを減らすことを目的に行う食事法です。

GI(グリセミック・インデックス)は、食後血糖値の上昇度を表す指標です。
食品ごとにGI値が算出されていて、GI値の低いものは血糖値が上がりづらく、GI値の高いものは血糖値が上がりやすい食品です。
一般に、糖質を多く含むものはGI値が高く、脂質や食物繊維が豊富な食品はGI値が低い傾向があります。
また、GI値の高い食品でも、その組み合わせや食べる順番によっては、GI値を低くすることが可能です。

もしも低GI値ダイエットで痩せたいならば、GI値に加えて、摂取カロリーを必然的に抑える必要が出てきます。

食べる順ダイエットは低GI値ダイエットの応用

「食べる順番ダイエット」をご存じでしょうか?これは、食物繊維⇒タンパク質⇒糖質の順に食事をすることで、糖質の吸収を穏やかにして、GI値を上がりづらくする食事法です。
具体的には、野菜のおかず⇒肉や魚などのメインディッシュ⇒ごはんやパンなどの主食の順に食べます。

GI値とカロリーには相関関係はありません。したがって、低GI食の減量に対する直接的な効果は確認されていません。
ですが、低GIを意識して食べる順番を変えたり、食物繊維が豊富な食品を選んだりすることで満腹感を早く感じ、二次的に脂質や糖質の摂取量が減る。その結果、体重が減少することは考えられます。
また、高GIのケーキなどは、血糖値を急上昇、急降下させることで食欲を増進させます。おやつをえらぶ際に低GIのものを選ぶと、間食のとり過ぎを防ぐこともでるでしょう。

食事量や内容を意識的に大きく変化させることなく、健康に気を使いたい方には、低GIダイエットがおすすめです。

体重を減らした後こそ要注意!

ダイエットは体重が減ったら終了!ではありません。
その体重を維持できるよう、長期的に続けられるような方法やペースを見つけるのが成功のカギです。
無理しすぎず、新しい生活様式にあった減量方法が見つかりますように!

著者プロフィール

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■河村玲子(かわむら れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。2018年5月タツミムック刊「やせ習慣が身につく ラクうま鶏ささみ料理」 を監修。

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