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2020.07.22

「三日坊主になる人」はやり方が少しズレている|習慣化を妨げる"3つの強敵"とはこう戦う

東洋経済オンライン

3つの強敵「忘れる・飽きる・頑張る」に勝利し、三日坊主を克服するには?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/359381?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

3つの強敵「忘れる・飽きる・頑張る」に勝利し、三日坊主を克服するには?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

出版界で有名な書籍のヒットメーカー・柿内尚文氏。近著『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』では、ヒット商品を生み出すだけでなくあらゆるシーンで活用できる「考える技術」を公開しています。また、思考法だけでなく、それを身につけるための習慣化の方法や「考える練習」についても言及しています。

たとえ役立つ思考法をインプットしても、その思考法を使う習慣をつけなければ意味がありません。そこで、柿内氏が実践する習慣化の方法や、考える練習について聞きました。

習慣化を妨げる、3つの強敵

「考える」ことに限らず、習慣化は人類の長年の課題なのかもしれません。

ダイエットをしたいからやせる習慣を身につけたいけど、ついつい食欲に負けてしまう。勉強したいけど、すぐゲームがしたくなる。家が散らかっていて整理整頓を習慣化できない。誰でもなかなか習慣化できないことがあるはずです。

習慣化には主に「3つの強敵」がいます。

・強敵1:忘れる

・強敵2:飽きる

・強敵3:頑張る

この強敵の存在を意識しておくだけでも、挫折が減り、習慣化を手に入れる近道になるんじゃないでしょうか。

最初の強敵は「忘れる」です。

習慣にしたいと思っていても、それをやること自体を忘れてしまうこと、ありませんか?

「忘れる」を攻略することはなかなか厄介です。僕の場合、いたって単純な方法で「忘れる」に対応しています。

「手帳、ノート、スマホにメモしておく」「習慣化したいことを紙に書き、その紙を目につくところにひたすら貼っておく」「誰か身近な人に公言して、忘れていたら指摘してもらう」などです。とにかく、忘れてしまうことを前提に、行動をするようにしています。

ちなみに、お恥ずかしい話ですが、僕はよく自宅のトイレの電気を消し忘れていました。そこで妻はトイレの中や外に「トイレの電気消す」というメモを貼りつけています(今も)。おかげで、だいぶ消し忘れが減りました。子どもみたいですが、これはけっこう効きます。単純ですが、結局これが一番の近道に思えます。

2番目の敵は「飽きる」です。「面倒になる」ともいえます。

またまたダイエットを例に説明します。あるダイエット法を実践する場合、はじめて最初の1週間くらいは順調に続けられても、そのダイエット法に徐々に飽きてき来ることがあると思います。そして、一度挫折するとそこでダイエット終了。「あー、自分はなんてダメなやつなんだ。食欲に負けてばかりだ」。残るのは挫折感。

でもやせたいという思いは残るので、しばらくすると、次の新しいダイエットにまた挑戦をして、同じことを繰り返してしまう。

そんな強敵にどう挑むか。

「飽きる」にはこう考えて闘うのはどうでしょうか。「飽きたっていい。飽きたら次の方法で挑戦すればいい」と。そう、「飽きること」を前提に臨むわけです。

解説します。ダイエットでいえば、「1週間で飽きそう」を前提に考え、次の1週間はほかのダイエット法に挑戦し、また次の1週間は違う方法に挑戦する。そうやって、やり方を変えていきながらダイエットを継続させていきます。

1週目が食べもの系ダイエットならば、2週目は運動系に、3週目はメンタル系で、4週目はまた食べもの系をやってみる。そうやって飽きないように目先を変えていく。でもダイエットそのものは続いているから、少しずつやせていきます。

そうやって、ダイエットを習慣化させていくのです。

「飽きたら次の方法で挑戦する」

この言葉を覚えておけば、きっと三日坊主はなくなるはずです。

「頑張る」と長続きしない

3番目の敵は「頑張る」です。

えっ、「頑張る」はいいことなんじゃないの? と思われるかもしれませんが、「頑張る」は挫折を生む危険因子です。

「頑張る」とは、意志の力に頼ろうと思うこと。最初は努力して、頑張って、意志の力で乗り切ろうとする。

でも、意志の力には限界があるのをご存じですか。意志は無限にわいてくるわけではなく、意志は使いすぎると枯渇してしまうのです。このことは心理学でもいわれています。

勉強に置き換えるとイメージしやすいかもしれません。

テスト前の一夜漬けはすごく頑張れるけど、テスト後も同じように頑張れるかというとそんなことはないですよね。短期間であれば頑張りに頼ることで成果は出ますが、中長期で続けていくためには頑張りは禁物です。

頑張らないコツは、「やりすぎない」「急がない」「楽しむ仕組みをつくる」です。

例えば、勉強ならばその日の勉強する量を無理のない範囲にしておき、時間がきたら途中でも止める。次の試験で大幅に成績を上げようとしない。好きなところから学んでいく、などです。

強敵に勝利し、一度習慣化させてしまえば、それは自動システムが自分の中に導入されたようなものです。お風呂に入ることや歯を磨くことと同じように、日常の中に取り込むことができるはず。

頑張らないでやってみてください!

日常の中で「考える練習」をする

「考える」ことが苦手という人は、「考える」を習慣化させていくことをお勧めします。そのために上記の3つの敵を攻略することも大切ですし、もうひとつ、「考える練習」も大切です。

優秀なスポーツ選手は練習量がすごいといいます。スポーツの世界と同じように、「考える技術」を身につけるためには、考える練習をするのが一番です。考える練習を僕は「シコ練(思考の練習)」と呼んでいます。

僕の「シコ練」はこんな感じです。家の近所のドラッグストアのテーマソングを勝手に作詞作曲したり、大好きな銭湯の価値を高めることを考えたり、電車の中にある中吊り広告につっこみを入れてより伝わるコピーを勝手に考えたり、レストランのメニューを見て新しいメニュー名を考えたり、毎日、あちこちで「シコ練」をしています。

もちろん、誰かに頼まれたわけではなく、自分で勝手にやっているのですが、これが楽しいんです。自分で勝手につくったドラッグストアのテーマソングは密かな自信作で、その店で流れているその店のオリジナルソングよりもいい曲になっていると思っています。

「シコ練」をするときに心がけたいのが、具体的な解答までもっていくこと。

例えば、テレビCMを見ていて「このCM、なんか響いてこないな」と思ったら、どこをどう修正したら響いてくるのか、そこまで具体的に考えるわけです。なんとなくで終わらせないのがポイントです。

そして、考えたことをノートに書き込み、貯蓄します。「思考貯金」です。

「シコ錬」の種は日常の中にいろいろ転がっていますが、大切なのは楽しくやることです。僕がとくにお勧めしたいのはレストランでの「シコ練」です。店員さんのサービスはどうか、メニューはどうか、お店の内装や外装はどうか、料理はどうか。考える種はたくさんあります。


『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(かんき出版)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

スーパーマーケットも格好の練習場所です。この商品のネーミングは魅力的だとか、これだと買いたくならないなとか、この陳列の方法はすごくいいとか。

この練習が、いろいろな場面で役に立ちます。なぜなら、シコ練から得たことと、仕事の課題には共通点がたくさんあるからです。

営業の仕事をしている人でも、研究職の人でも、サービス業の人でも、探してみると自分の仕事との関連性が見つかるはずです。いまなにが世の中にうけているのか、いいコミュニケーションと悪いコミュニケーションの違いはなにかなど、日頃から練習しておいたことが、なにかにつながると思います。

いつでも、どこでもできるので、ちょっとした隙間時間、スマホをいじるのを止めて、「シコ練」をぜひやってみてください。けっこう楽しいですよ。

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柿内 尚文:編集者

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