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2020.08.05

同僚とあと一歩、仲良くなるための雑談とは?【40代からの雑談力Vol.3】

kencom公式ライター:大貫翔子

あまり人と話すのは得意じゃない。商談やプレゼンならまだしも、「気軽な雑談」ってやつが一番難しいんだよなぁ……。

そんな口下手な方も、同僚ともう少し仲良くなれば仕事がよりスムーズになるかもしれません。
今回は、コミュニケーションスキルについて研究している達人、五百田 達成さんに「同僚と気軽に話すための雑談」のコツを伺いました。難しくないので、明日から取り入れられますよ。

同世代の仲間との信頼関係を構築するための雑談とは?

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会話のマウンティングをしない

対等な立場である同僚とは、ライバル心を抱くもの。仕事上、互いに切磋琢磨する間柄なのは問題ありませんが、雑談は勝ち負けをつけるために行うものではありません。

特に男性は勝負事を好むので、会話のマウンティングをしがちです。

相手の話に対して「俺もやったことがある」「俺はこれを知ってる」というような上から目線の反応を返してしまうと、仲良くなるどころかより溝が深まってしまいます。話しかけるときも話しかけられたときも、あくまでも「実りのない、他愛もない話」をするように心がけてください。

そもそも、「情報交換」は仲良くなりにくい雑談の典型です。調べればわかる情報ではなく、お互いの気持ちを伝え合う方が、より親密な関係を築くことができます。

なんでもかんでも議論しない

「自分はこう思う」「いや、そうじゃない」といった議論も、雑談の場にはふさわしくありません。特に政治や宗教などスケールの大きなテーマについて話すと、主義主張につながりやすく、議論になってしまいます。場合によっては「あいつとは反りが合わない」と感じ、関係が悪くなってしまうことも。

少なくとも相手の話に真っ向から「それは違う」と否定したり、よかれと思ってアドバイスしたりするのは雑談においてはNGです。

意見のぶつかりやすい話題を避け、平和的で無難な話題を切り出しましょう。

雑談のネタがないと思ったら「タイムマシン」を使う

同僚との雑談で使える「鉄板」ネタもいくつかあります。

(1)食べもの

(2)スポーツ

(3)旅行

(4)過去、現在、未来の話

(1)から(3)は、比較的誰でも話しやすく、無難な雑談のテーマです。コロナ禍の今、旅行に行きにくい状況ですが、「落ち着いたらどこに行きたい」という話題でもよいでしょう。

仮に話のネタが尽きてしまった場合は(4)の話題を提示してみましょう。
食べものやスポーツなど無難な話題をすべて出し尽くしてしまっても、『タイムマシン』を使えば話が広がります。

タイムマシンとは、過去・現在・未来に関係する話題。

「先週末何してたの?」(過去)、「今何かハマっているものある?」(現在)、「夏休みの予定は?」(未来)と、誰にとっても話しやすいトークテーマです。

時系列に沿った質問の仕方は応用もききます。相手の趣味について話すとき、「昔からやっているの?」(過去)、「最近は何がおすすめ?」(現在)、「今週末もやる予定?」(未来)と質問を投げかけることで、さらに相手の話を引き出すことができます。

時事ネタを絡めるなら「給付金、何に使う?」というテーマも話が膨らみやすいです。

会話のオチを考えない

雑談とは、あくまでも「実りのない気軽な話」です。相手と仲良くなるという目的はあっても、面白いオチをつけて笑わせたり、「だからこう思う」という主張に結び付けたりする必要はありません。

極端に言えば、雑談は『最近あったこと+その感想』で成立します。

もしも相手に『だから何?』とオチを求められても、気にしないでください。

割と気にする方がいますが、話す前に「オチのない話なんだけど」と前置きをしてしまうのも一つの手です。先に宣言することで、相手もリラックスして聞いてくれます。

もちろん、聞く側になっても、「それで?」と結論やオチを求めるのではなく、単純に相手が体験したこと、思ったこととして、しっかり受け止めてあげましょう。

相手の反応は気にせずに、無難な話題を気軽に話そう

同僚との雑談では、相手より上に立とうとせず、あくまでも気軽な会話として、食べものやスポーツ、最近あったことなどをテーマに話してみましょう。新入社員や女性社員と同様、話題は「遠くから近くへ」。当たり障りがなくても少しだけ相手のことを知ることができるパーソナルな話題が理想です。

こちらから一歩踏み出すことで、仕事上での仲間意識が芽生え、今よりもっと仕事がしやすくなるかもしれません。さっそく実践してみてください。

監修者プロフィール

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■五百田 達成(いおた・たつなり)さん
作家・心理カウンセラー。米国CCE,Inc認定 GCDFキャリアカウンセラー

東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て五百田達成事務所を設立。専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝えかた」。最新刊「超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)発売中。シリーズ累計70万部突破。

著者プロフィール

■大貫翔子(おおぬき・しょうこ)
編集プロダクションにて住宅情報誌や企業の広報誌、フリーペーパー等の編集・制作に携わる。のちにフリーの編集・ライターとして独立し、住宅、キャリア、ヘルスケアなどのジャンルで記事を執筆。

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