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2020.08.04

ハラスメントに注意。職場の異性と打ち解けるための雑談【40代からの雑談力Vol.2】

kencom公式ライター:大貫翔子

仕事をする上で、職場の異性とコミュニケーションを円滑にしたいものの「何を話せばいいのか」と二の足を踏むことはありませんか?盛り上がるような共通の話題もないし、良かれと思って髪型やメイクを誉めると「セクハラ!」と言われかねません。

コミュニケーションの達人である五百田達成さんに「ベテランの男性社員と若手女性社員との雑談」について伺いました。

セクハラと思われないための雑談作法

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パーソナルに踏み込みすぎる話はNG

異性との会話で気を付けなければいけないのは、セクハラととられる言動をしないこと。「訴えられなければよい」のではなく、少しでも「セクハラ」と思われてしまうことで、関係が悪化し、仕事にも影響を及ぼしてしまいます。

絶対に守ってほしいのは、雑談でも口にしてはいけない「NGテーマ」です。

・色恋の話(「彼氏できた?」「まだ結婚しないの?」など)

・下ネタ(具体的な単語を出さなくてもNG)

・見た目(「少し太ったんじゃない?」「今日の洋服、いいね」など)

相手がフランクな性格で、多少のことは笑顔で受け流してくれるとしても、この3つは絶対に話してはいけません。
(3)については誉めるのもけなすのもNGです。「髪切った?」など、変化に気づいたときに触れたくなるものですが、そういう時は「雰囲気変わった?」程度にとどめておきましょう。

プライベートに関わる話はリスクが高いです。軽妙洒脱な女子トークをしようと思わず、『この話題はもしかしたら危険かも』と少しでも思ったら、無難に仕事の話をしておきましょう。時にいじられキャラだからと言って、強気に話す方がいますが相手がどう捉えているかはわからないので控えた方が無難です。謙虚な心で向き合いましょう。

誰もが気負いなく話せる雑談を心がけて

では、何の話をすればよいのでしょうか。困ったときには鉄板ネタを使いましょう。

・食べもの(最近食べたランチ、話題のスイーツなど)

・スポーツ(相手が興味を持っていれば)

特に女性とは「当たり障りのない、かつパーソナルな話題」で雑談するのがスマートです。

食べものの話題は、不快感を与えずにお互いの人柄を知ることができるのでおすすめです。同じスポーツに興味があれば、『昨日の試合見ましたか?』という話題で盛り上がることができます。

ポイントは、良いか悪いかではなく、好きか嫌いかの話をすること。あくまでも個人の好みとして話すことで、人柄が伝わり話が膨らみます。

芸能人やドラマについてもNGではありませんが、アイドルや女優への愛を語りすぎると引かれてしまいます。
家庭や子育ての話は、相手によっては話したくないこともあります。話題をふってみて、相手が話してくれそうなら聞いてみるという程度に止めましょう。

下心がなくても、2人きりのシチュエーションはNG

なにげない雑談で盛り上がったとしても、ランチやお酒のお誘いはかなり慎重に。そんな気がなくてもトラブルの元になりかねません。よほど仲良くなったか重大な相談ごとを持ち掛けられでもしない限り、2人きりになるシチュエーションは避けておきましょう。

特に、お酒の席を通して上司・部下の関係をほぐすのは時代遅れです。

若い人たちのお酒離れが進んでいる今、『飲みニケーション』は男女問わず歓迎されません。お酒の席は気が大きくなり、話題がハラスメント要素を孕むことが往々にしてあるので十分に注意すべきでしょう。食事をする際は複数人を基本とし、ランチや飲み会での雑談に徹しましょう。

仮にマンツーマンでの話が必要なら、仕事の中で面談や1on1等を通して行えばいい話です。
会議室では緊張するということであれば、カフェなどでお茶を飲みながらのカジュアルな面談スタイルを検討してみましょう。

少しでもリスクを感じたら、無難なトークをしよう

異性との雑談では、セクハラととらえられかねない罠がたくさん潜んでいます。受け取り方は人それぞれですが、だからこそリスクを回避する努力が必要です。「相手が笑ってくれているから」「楽しそうに会話に参加しているから」OKということはありません。

NGトークの代わりに鉄板トークもあるので、不快感を与えずにパーソナルな話題につなげられるような雑談で、ほどよく距離を縮めましょう。

監修者プロフィール

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■五百田 達成(いおた・たつなり)さん
作家・心理カウンセラー。米国CCE,Inc認定 GCDFキャリアカウンセラー

東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て五百田達成事務所を設立。専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝えかた」。最新刊「超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)発売中。シリーズ累計70万部突破。

著者プロフィール

■大貫翔子(おおぬき・しょうこ)
編集プロダクションにて住宅情報誌や企業の広報誌、フリーペーパー等の編集・制作に携わる。のちにフリーの編集・ライターとして独立し、住宅、キャリア、ヘルスケアなどのジャンルで記事を執筆。

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