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2020.07.01

今年は5月病ならぬ「7月病」に注意? アフターコロナに気を付けたい心の不調

マイナビニュース

新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変わりました。生活の変化はストレスとなり、特に緊急事態宣言下においては、大なり小なり心の不調を抱えた方も多かったのではないでしょうか。

日常が戻りつつあるとは言え、今までの日常とは異なる日々を過ごすストレス、第2波、第3波がいつ訪れるか分からない不安を抱えている現状は変わらないと思います。これから、どのような心の不調に気を付ければいいのか。精神科医の藤野智哉氏にお聞きしました。

アフターコロナに気を付けたい心の不調※画像はイメージ

参照元:https://news.mynavi.jp/article/20200701-1061031/

アフターコロナに気を付けたい心の不調※画像はイメージ

しんどさは「しばらくしてから」やってくる

――緊急事態宣言が解除され、少しずつ日々の暮らしが戻ってきています。これから気を付けたい心の不調としては、どのようなものが挙げられるでしょうか?

適応障害の1つである5月病の症状が、今年は7月に現れる、というケースが出てきてもおかしくないと思っています。

例年4月スタートの生活が、今年は実質6月スタートなので、新しい環境にうまく適応できない方たちが、これからしんどくなってくるのはしかるべし、なのではないでしょうか。

いわゆる「コロナうつ」は、災害後うつと同様で、「みんなで一丸となってがんばろう」という時期からしばらくして、しんどいと感じる方が増えてきます。

リスクが高いと言われているのが、生活環境が良くない方、ひとり親、経済的に不自由がある方、などです。

周りが通常の生活に戻ってがんばっている中で取り残された気持ちになり、しんどい状況を言い出しづらい、さらに心が沈み込む、というケースも増えてくるでしょう。

「しんどくなるのは当然」必要以上に怖がらないで

――心の不調のサインとしては、どのようなものが挙げられますか?

ストレスからくる症状は幅広いので、「お腹が痛い」という方もいますし、喘息がひどくなったり、蕁麻疹が出たりと言うのも可能性としてはあると思います。病院に来られる方の症状としては、「眠れない」「食事がとれない」というものが多いです。

また、そこまで日常生活に影響が出る症状ではなくても、例えば「趣味ができなくなった」「本が読めなくなった」「イライラする」という方もいます。子どもの場合は、親に甘えてみたりとか、逆に親が不安そうにしているとやたら聞き分けが良くなったりすることもあります。

朝起きて「ちょっとしんどいな」と思ったり、「すっきり休んだ気がしない」と感じたりしたら、心の不調を疑ってもいいのではないでしょうか。

ただ、お伝えしておきたいのは、今回のような環境変化が原因で心がしんどくなるのは、当たり前だということです。

コロナの流行で給料やボーナスが減額になったり、テレワークで普段会社に出勤している人が家にいたりと、今までとは大きく状況が変わっているのですから、心も疲れて当然です。そして一過性の症状として出ていても、自然と元の状態に戻っていく人がほとんどです。必要以上に怖がる必要はありません。

――「しんどくなるのは当然」と思うだけでも、不安が軽減される気がします

不安というのは「これからどうなるのか分からない」という感情からくるものだと言われているので、「まぁ、しんどくなるのも、予定通りだよ」と思えると少し気持ちが楽になると思います。

不安にとらわれて、悪いほう悪いほうに考えてしまうと、抜け出せなくなってしまいます。これから起こりうることを把握する、自分の状況を客観的に捉えるというのが、不安のコントロールには非常に大切です。

「ぷかぷか思考」でゆるくいこう

――「心が疲れている」と感じた時、まずやってみるといいことはありますか?

信頼できる第三者に相談したり、今感じている不安やストレスを日記に書いたりして、まずは自分の状況を客観的に捉えるようにしてください。

それから、大切なのは睡眠です。疲労回復のためには質の良い睡眠をしっかりとる必要があります。「寝る前の4時間はカフェインをとらない」、「お昼寝は15時前、30分以内にとどめる」、「寝る前にストレッチをする」「早起きをする」などを実践してみましょう。

このコロナ禍で生活スタイルが乱れてしまった方もいると思いますが、出勤しない日も決まった時間に起床するなど、規則正しい生活を送ることも、心の安定には有効です。

――こういったことを実践しても心の不調が改善しなかった場合には、どうしたらいいですか?

症状が長期間続いているケースや、普段のご自身を良く知っている第三者から「いつもと違う」と言われる状況であれば、医療機関に頼った方がいいと思います。

――新型コロナ流行の第2波、第3波がやってくるかもしれない状況で、コロナうつを鎮める術として、どのようなことを意識するといいでしょうか?

新型コロナウイルスの流行が起こってしまった以上、今までと同じような日常を送ろうと思うこと自体に無理があります。

変化がないに越したことはないけれど、変化してしまったものは仕方ない。新しい日常を受け入れるしかなくて、そのうえで、何ができるかっていう考え方に切り替えていかないと、いつまでもしんどい状況が続いてしまいます。"あるがままの状態を受け入れる"、ある種のあきらめの気持ちを持つことも大事なのではないでしょうか。

どんな物事でも解決できるとは限らない、答えがあるわけではないことを受け入れる能力のことを「ネガティブケイパビリティ」と言います。

身体と心は連動しているので、身体がだらんとしているとき、気持ちだけ緊張することはできません。だから、不安を抱えている方に、僕はいつも「ゆるゆるしたらいいよ」って言うんです。

無理にあらがわず、すぐに答えを出そうと急がず、ぷかぷかとのんびり堪える……今を生きる私たちには、そんなマインドが必要だと思います。

藤野智哉

1991年7月8日生まれ。4歳のときの川崎病の後遺症で冠動脈障害が残る。秋田大学医学部卒業。現在は愛知医科大学病院精神神経科勤務。日本精神神経学会、日本マインドフルネス学会に所属。『マツコ会議』(日本テレビ)、『バイキング』(フジテレビ)に出演。著書に『あきらめると、うまくいく』(小社刊)がある。

新刊『コロナうつはぷかぷか思考でゆるゆる鎮める~みんな不安。でも、それでいい~』(ワニブックス/税別1,200円)

コロナうつの最大の対処法は、あらがわない、あきらめない、急がない。具体的には「SNSを見るのをやめる」「自分の無力を自覚する」「ルールを軽く逸脱する」「目標は低く設定する」「他人をうらやまない」。これくらいのことを実践するだけで、驚くほど心は軽くなります。
著者は幼いときにかかった川崎病が原因で、心臓に病をもちながらも、精神科医として活躍している藤野智哉医師。今でも心臓の薬が欠かせず、「どれだけ生きられるかわからない、と伝えられたときに新しい人生が始まった」と言う医師だからこそ伝えたい、魔法のように心を鎮める思考方法。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、 厚生労働省、 内閣官房、 首相官邸 のWebサイトなど公的機関で発表されている情報も併せてご確認ください。

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