2020.07.10
豚のしょうが焼きと鶏の照り焼き、夏バテ予防成分が多いのはどっち?
豚のしょうが焼きや鶏の照り焼きは、男性のみならず女性にも人気の高いメニューですよね。季節に関係なくいただける定番料理ですが、夏の健康を考えた時には、どちらを選んだほうがより良いでしょうか?
豚のしょうが焼きと鶏の照り焼き、夏バテ予防成分が多いのは!?
正解は、豚のしょうが焼き
夏バテ予防にうってつけの栄養素が「ビタミンB1」です。
夏はどうしても暑さで食欲が落ちることが多いため、さっぱりとした蕎麦やそうめんを選びがちです。しかし、それだけだとお腹は満たされるものの、栄養面では糖質に偏ってしまいます。そこで、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1を一緒にとることを意識しましょう。
ビタミンB1の宝庫ともいえる食材が「豚肉」!
豚肉はあらゆる食材の中でビタミンB1量がトップクラス。例えば、しょうが焼き(ロース肉100g)を食べた場合、男性なら一日の推奨量の6割以上が、女性なら8割以上がとれるという豊富さです。
鶏肉にはあまり含まれない栄養素なので、夏バテ対策ならだんぜん豚肉メニューがおすすめです。
夏風邪予防を期待するなら、鶏の照り焼き
一方、ビタミンB1の少ない鶏肉ですが、鶏肉に多く含まれ豚肉に少ない成分に「ビタミンA」があります。
ビタミンAは口や喉などの粘膜を正常にする働きがあり、免疫力にもかかわるため、風邪予防に役立つ成分。お肉の中でも皮付きの部位に多く含まれるため、鶏もも肉で作る照り焼きはビタミンAをとりやすいメニューです。
もしご家庭で鶏の照り焼きを作るなら、付け合わせは緑黄色野菜で。ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜もビタミンA(ベータカロテン)を多く含むため、相性抜群の組み合わせとなります。
ここに注意!”豚の冷しゃぶ“はダメ!?
夏においしい豚肉料理というと、冷しゃぶがありますよね。もちろん冷しゃぶもビタミンB1をとれるメニューではあるのですが、生姜焼きと比べると残念ながら4割も減ってしまいます。(※)
なぜなら、ビタミンB1は水に流れ出やすいから。しゃぶしゃぶは湯にくぐらせて火を通すため、流出が多くもったいない調理法なのです。
また鶏肉の場合、ビタミンAを意識するなら皮付きの部位を選びましょう。実は淡白なささ身にはほとんど含まれず、鶏もも肉や手羽先に多いのが特徴です。
よって、夏バテや夏風邪予防で豚肉や鶏肉を食べるなら、“さっぱり”な冷しゃぶやささ身よりも、“食べごたえ”のあるしょうが焼きや照り焼き、手羽先メニューがおすすめですよ!
(※)日本食品標準成分表の豚ロース肉「焼き」と「茹で」で比較しています。
▼参考文献
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。