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2020.06.26

疲れた目にオススメの栄養を含む「定番漬物」はどっち?

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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定食を頼むと必ずといっていいほど添えられている、ぬか漬けや浅漬けといった漬物。ご飯のお供や箸休めとして、ほっとする美味しさですよね。

実は漬物の中でも、パソコンやスマホで眼を酷使しやすい現代人におすすめの漬物があるってご存じですか?早速ご紹介します。

疲れ目におすすめの栄養を含む定番漬物って?

正解は、ナスの漬物

ナスの紫色の成分は、ナスニンという色素成分です。これはブルーベリーと同じアントシアニン系の色素で、ブルーベリーと同様に眼の疲れをやわらげる効果が期待できます。

ここで大切なのは、ナスニンは「皮」に含まれるということです。そのため、漬物のように皮もしっかり食べられるということがポイントになります。

例えば、これからの季節は皮をむいて調理される焼きナスもおいしいですが、ナスニンをとるなら、漬物をはじめ、田楽や麻婆ナスといった皮付きのメニューを選ぶとよいでしょう。

きゅうりの青臭さには健康作用が!?

さて一方のきゅうり。涼やかな食感で、夏の食欲を高めてくれる貴重な夏野菜ですが、あの青臭さが苦手という方もいらっしゃることでしょう。しかし、あの独特な香りにこそ健康作用があるのです。

きゅうりの香りは「ピラジン」という香り成分。これには血液をサラサラにする作用があり、血栓ができるのを予防するのに役立ちます。

ナスの漬物ときゅうりの漬物…選ぶポイントは?

漬物を食べるなら「ぬか漬け」がおすすめです。

生のナスやきゅうりの浅漬け(塩漬け)にほとんど含まれない成分に「ビタミンB1」と「ビタミンB6」がありますが、ぬか漬けにすることで量がアップ!米ぬかに多く含まれるビタミンB1とB6が野菜に浸透するため、ぬか漬けにすることで増えるのです。

ちなみにビタミンB1は、“疲労回復ビタミン“といわれている成分。ビタミンB6はたんぱく質代謝の主役となるほか、脂質の代謝にもかかわって脂肪肝の予防にも役立つビジネスマン&ウーマンには嬉しいビタミンです。

浅漬けと比べると、ナスのぬか漬けにはビタミンB1は約3倍、B6は約2倍、きゅうりのぬか漬けならビタミンB1はなんと13倍、B6は約3倍になります。

とはいっても、ビタミンB1とB6が多くとれるというわけではなく、ただきゅうりのぬか漬けに関しては1本でビタミンB1の一日の推奨量に対して2割ほどとれるので(※)、なかなか効率的だと思います。また、ぬか漬けには腸の健康に役立つ乳酸菌もとれるというメリットもありますよ。

ぬか漬けも浅漬けも、どちらの漬物にも共通するのは、ナスニンやピラジンの恩恵が受けられるということです。漬物は塩分が高いので食べすぎには気を付けつつ、夏野菜を楽しんでくださいね!

(※)ビタミンB1 の推奨量は、男性30-49歳は1.4㎎、男性50-64歳は1.3㎎、女性30-64歳は1.1㎎となります。きゅうりのぬか漬けのビタミンB1量は1本(100g)で0.26㎎。よって男性(1.4㎎)なら18.6%、女性なら23.6%になるため2割と表記しています。

▼参考文献

書籍:旬の野菜の栄養事典 春夏秋冬おいしいクスリ(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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