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2020.05.27

具体的にわかる!ソーシャルディスタンスの距離感とは

kencom編集部

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新型コロナウイルスによる感染症の対策として、よく耳にするようになった『ソーシャルディスタンス』という言葉。
なんとなく「お互いに距離を取りましょう」程度に思っている方もいますが、実は行動やスポーツに合わせてその距離感が変わるんだそう。
知っているようで知らないソーシャルディスタンスについて、この記事でサラっと学んでみてはいかがでしょうか。

実は行動によって変化!ソーシャルディスタンスは何m?

ソーシャルディスタンスは感染抑制の一手段

ソーシャルディスタンスとは、正式にはSocial Distancing(ソーシャルディスタンシング)といい、日本語に訳すと「社会距離拡大戦略」や「人的接触距離の確保」となります。
具体的には、今回のような感染症に対し、拡散を防止したり減退させたりするために行う医薬品を使わない感染抑制方法のことを言います。

その有効性は、1918年に全世界でパンデミックを起こしたスペイン風邪の対策として、アメリカのセントルイスで導入されて大きな効果を発揮したことで証明されています(※1)。

やり方としては非常に単純で、我々一人一人が、互いに身体的接触を行う可能性を減少させるだけです。ただ接触を避けるだけで、今回のような飛沫感染を行うウイルスは感染経路を制限することができるのです。加えて、手洗いや接触箇所の消毒といった衛生策と組み合わせることで、感染・死亡率の減少につなげることができます。

基本の距離は2mと考えよう

距離をあけるといってもどれくらいなのか気になるものです。
厚生労働省が公開している「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般向け)」(※2)によると、基本的には2m(最低1m)はあけることを推奨しています。
これは飛沫感染を考えた際に、くしゃみなどで口から出た飛沫が、水分の重みにより1〜2mから落下し始めることがわかっているために設けられた基準。
ただし、換気の悪い空間にいる場合にはより距離を取ることが望まれるそうです。

東京など人口密度が高い地域や、電車内など距離がとりにくい場所にいると意外に難しいかもしれません。

要注意!スポーツをするなら適した距離を知っておこう

一部地域では緊急事態宣言も解除され、ちょっとした運動を再開、もしくは開始しようと思っている方も多いかもしれません。
そんな時に気をつけたいのが、運動時のソーシャルディスタンスです。

「え、2mでは?」とお思いの方、実はこの2mは静止状態での話だそう。では一体どれくらいの距離が必要なのでしょうか。
海外の研究グループの最新研究(※3)によると、以下のような距離感が推奨されています。

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この研究は運動中の飛沫の動きを調べたもの。それによると、移動した場合飛沫は後方に流れるため、特に後方に関しては距離をあけないと感染リスクが高まる可能性があるとしています。
この論文では、特に縦列で運動する場合、真後ろにいると飛沫を最大限に浴びることになることがわかりました。
ただし、やや横にずれるだけでも飛沫を浴びることを避けられるのだそう。そのオススメの距離は1m。
併走する場合も1m離れていれば、お互いに飛沫を浴びずに済むそうです。

B. Blocken et al.(2020),Towards aerodynamically equivalent COVID19 1.5 m social distancing for walking and runningより引用

B. Blocken et al.(2020),Towards aerodynamically equivalent COVID19 1.5 m social distancing for walking and runningより引用

もしもランニングなどを始める場合、できるだけ前のランナーの真後ろは避けるようにしましょう。
また、追い越す場合も、上記の距離に近づく前に横に1mほどずれてから追い越すのが大事です。

適度な距離を保って運動を楽しもう!

健康を維持するためにも運動は大切な要素の一つ。また、適度な運動は気持ちもスッキリさせてくれるので、この時期にはぜひ取り入れたいものです。
大変な時期ですが、上記のソーシャルディスタンスを守って、楽しみながら乗り越えましょう!

参考文献

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