メニュー

2020.04.20

子連れで外出「気をつかってもつかわなくても叱られる…」どうすれば?【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第8回】

ウーマンエキサイト

※本記事は外出自粛要請前の取材をもとに書かれたものです

イラスト:中村こてつ

参照元:https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1585851136351/

イラスト:中村こてつ

こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。

これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。

そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。

今回は、「子連れでおでかけ『周囲の冷たい視線や態度がつらい』夫もわかってくれない…【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第4回】」
という記事に寄せられたお悩みです。

記事では、子連れに対して冷たい視線を送る人がいても「できることはやっているのだから、自分を責めることはない。頑張っている自分を労ってあげて」とアドバイスさせていただきました。

しかし、周りに迷惑をかけないように気をつかっていたら逆に「あなたが周囲に気をつかい過ぎるから、子どもが親の顔色を見ているじゃないか」と知らない男性から叱られてつらかったというご相談です。

■質問:周囲に気をつかっていたら「気をつかい過ぎ!」と叱られて…

おでかけ先で、周囲に気をつかいながら子どもに声がけをしていたら「あなたが周囲に気をつかい過ぎるから、子どもが親の顔色を見ているじゃないか」と激しい剣幕で男性に言われたことがあります。

気をつかっても気をつかわなくても言われてしまう。じゃあどうすればいいのでしょうか。子連れで外出するのは何もなくても本当に苦痛です。

■回答:他人の “余計なお世話” で自分を責める必要はありません!

© polkadot- stock.adobe.com

参照元:https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1585851136351/

© polkadot- stock.adobe.com

周囲の方に気をつかっているのに、逆にそのことを責められるような言葉をかけられたご経験は本当にやるせなかったと思います。まだまだ家の外に出る経験が少なく、その場でどうふるまうべきか理解できない小さな子どもであれば、不安もあって親の顔色を見るのは自然なことでしょう。

この男性のような声がけを子連れのお母さんにしてしまう方は、あなたを責めているのではなく、「育児の先輩として、自分がいい(と信じている)ことを教えてあげているのだ」と思い込んでいるのかもしれません。

しかし、誰にでも当てはまる育児の正解などありません。その男性の家庭でうまくいったことも、あなたとお子さんに当てはまるとは限りません。ですから、あなたの対応が間違っていたわけではないのです。

この男性はあなたを非難したのではなく、有効なアドバイスをしたつもりでいるのでしょうが、どちらかと言えば「余計なお世話」の部類かと思います。ですから、どうぞご自身を責めたり落ち込んだりなさらないでくださいね。

■全員が満足する「正しい子ども連れの対応」はあるのか

「しつけのなってない子どもと親が多すぎて困ります。配慮や寛容を求めるくせに、さらに優遇しろだのお前は何様だ。子なしに、仕事でも公共の場でも負担を押し付けるな」

「子育て中って子どもを育てている自分たちが最優先されるべきな方が多い気がします。 もう少し周りを見れば迷惑がられないかと。自分を甘やかすより、他人目線を持って見るのもいいかと思います」

このように、今回のご相談で登場した男性とは逆の声も上がっています。一方で、子育て真っ只中のママからは、あきらめの声も寄せられています。

「母になったら、あつかましくなった。それぐらいじゃないと心が保てないから。できる限りのことはやって、それでもダメなら気にしないようにしています。非難されるかもしれませんが、そうでなければ母親はつぶれてしまいます。迷惑かけてごめんなさいって姿勢だけ忘れなければ、それでいいのではないかと思います」

気をつかっても気をつかわなくても、子連れに対する風当たりは強いと感じるお母さんは多いようです。

「子育て中の母親はこうあるべき」「自分はこれだけ子育てに工夫したから周りもそうするべき」といったものは、おそらくその親、その子どもの個人的な経験から生まれた「常識」だと思います。しかも、各々「これは誰にも共通する一般的な常識だ」と信じているのです。

そういった方は、「育児に対する常識」は千差万別で、他人が自分とは違う考え、感じ方をしているとは認められないのかもしれません。

そう考えると、やはりどんなに気をつかい努力したとしても、世の中の人全員を満足させる「正しい子ども連れの対応」は存在しないのではないかと思います。

■育児の常識「他人は他人、自分は自分」

誰にもイヤな顔をされない、世の中の人全員を満足させる「正しい子ども連れの対応」が存在しないのだとしたら、お母さんが傷つかないためには「相手の考えはそうなのだ」と割り切ることです。

子育てのことで何か言われたとしても、あなたと違う意見なら同調する必要はありません。ただ「この人はそう思うのね。私はそうは思わないけど」と認識するだけでいいのです。

子連れの外出に悩むのは、他人に対して気をつかう気持ちを持っているからこそです。ですから、自分がやれるだけの対策をしているのなら、あとは何を言われても気にすることはありません。

本来であれば、頑張って子育てをしているお母さんが、子どもとおでかけしただけで責められる理由はありません。しかし、余裕のない社会で、人それぞれの考えもあるので、そこまで期待するのはなかなか難しいのが残念ですね。

もし、何か非難めいたことを言われたとしても、「迷惑だと感じさせたのであれば申し訳ないです」という姿勢だけ忘れなければそれでいいと思います。文句を言う一人の背後には、口には出さないものの内心「頑張れ!」と子育てママを応援している何十、何百の人がいます。あまり縮こまらず、伸び伸び育児を楽しんでくださいね。

(佐藤栄子)

記事画像

【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します