2020.04.17
キャベツとアスパラガス、カラダが疲れた時におすすめなのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.10】
この時期おいしい食材といえば、なんといっても春野菜。春野菜の中でも、春キャベツとアスパラガスは手軽に食生活に取り入れやすいのではないでしょうか?しかも旬だけあって、今の時期にぴったりな栄養素が豊富なんですよ。
キャベツとアスパラガス、疲れたときにおすすめなのは?
正解はアスパラガス
アスパラガスは一年中出回っていますが、暖かくなると一気に芽を吹く”芽吹き野菜”のため国産ものは今が旬です。
その特徴は、野菜の中でも「アスパラギン酸」というアミノ酸が多く含まれていること。アスパラガスから発見されたこのアミノ酸には、疲労物質である乳酸をスピーディに燃焼させたり、疲労回復のために必要なミネラルを効率よく細胞に取り込んだりする働きがあり、市販の栄養ドリンクにも使われることもあります。
こうした理由から、疲れた時に取り入れたい野菜がアスパラガスなのです。
キャベツが活躍するのはお酒で疲れた時?
一方、キャベツに含まれる栄養素で注目したいのは、「キャベジン」の名前で知られるビタミンUです。
キャベツから発見されたこのビタミンは、胃酸の分泌を抑えたり胃腸の粘膜の修復をしたりする働きがあり、市販の胃腸薬に使用されることのある成分です。
よって、“身体の疲れ”を感じたらアスパラガスを、飲み過ぎや精神的ストレスなどで“胃の疲れ”を感じたらキャベツをと、体調によって選んでみてはいかがでしょう。
美味しく栄養を摂れる定番メニュー
続いて、栄養素を効果的に摂る方法をご紹介します。
アスパラベーコン
アスパラガスの定番料理に“アスパラベーコン”がありますが、実はこの組み合わせは疲労回復にうってつけ。アミノ酸であるアスパラギン酸は、たんぱく質の多い肉にも含まれる栄養素です。つまりアスパラベーコンなら、よりアスパラギン酸がとれるということになるわけです。
千切りキャベツ
そしてキャベツといえばロールキャベツや野菜炒めなど様々な料理がありますが、実は千切りキャベツがベストな食べ方。それは、キャベツに含まれるビタミンUが加熱に弱いためにあります。
まさに今、葉のやわらかい旬の春キャベツを千切りキャベツにすれば、1年で一番おいしい千切りキャベツに仕上がるはず。他にもコールスローといった生でいただくメニューもおすすめです。
皆に人気の食べ方は、栄養的にも理にかなっているというわけですね。
▼参考文献
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。