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2020.03.13

「無理をしない」が鉄則!リンゴ型肥満からの脱却・運動編

kencom公式ライター:黒田 創

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内臓脂肪型肥満、別名「リンゴ型肥満」は、内臓のまわりに脂肪がびっしりと付いて、お腹全体がリンゴのように丸くせり出しているのが特徴です。

一般的に、男性でウエスト85cm以上、女性でウエスト90cm以上、さらに腹部を輪切りにするCT画像で内臓脂肪の面積が100㎠を超えると内臓脂肪型肥満と判定されますが、放っておくと糖や脂質をうまく代謝できなくなったり、血圧が上昇するなどのリスクがあります。ひいては糖尿病や脂質異常など、重大な疾患の原因にもなりかねません。

リンゴ型肥満を改善に導くには、一に食事、二に運動というのが王道パターン。今回は週2回、計2時間から始められる内臓脂肪のための運動メソッドを紹介します。

運動習慣をつけるコツ

緩めの有酸素運動から

身体を動かすことで内臓脂肪をエネルギーとしてしっかり使うためには、有酸素運動が最適です。有酸素運動と聞くとランニングをイメージされるかもしれませんが、一般的に大柄なリンゴ型肥満の方は、いきなり走り始めると膝に大きな負荷がかかってしまい、脚を痛めて走れなくなるケースが往々にしてあります。
ですので、平日のうち1日、1回1時間、または平日のうち2日、各30分のウォーキングからスタートしましょう。そして週末は土日いずれかにプールへ行き、1時間ウォーキングをするかゆっくり泳ぐ。まずはこれでOKです。

運動の消費カロリーは【メッツ(=運動強度の目安)×体重×時間×1.05】で導き出すことができます。たとえば体重75kgの人がゆっくり1時間散歩をした場合、じっとした状態を1メッツとするとゆっくり歩く散歩は2.5メッツとなりますので、消費カロリーはこうなります。
2.5(メッツ)×75(kg)×1(時間)×1.05=約197キロカロリー
この通り、散歩の消費エネルギー量は意外と多いのです。さらに水中ウォーキングや水泳の場合、より多くのカロリーを消費できます。

通勤時間を有効活用

忙しくて週に2時間も運動の時間を確保できないという方も多いと思います。そんな場合は通勤タイムをうまく利用しましょう。週に3回程度、最寄りのひとつ前の駅から歩いて通勤ウォーキングをするのです。

歩行ペースでいいのでスーツ姿、革靴でもこなせますし、ビジネスタイプのウォーキングシューズを履けばなおよし。朝でも余裕があれば出勤前にひと駅分歩くのもオススメです。

オフィスでかんたんエクササイズ

さまざまな業務のIT化が進んだ結果、1日中椅子に座りっぱなしという方も多いでしょう。座っている時間が長いと、内臓を支えるインナーマッスルが弱り、各臓器の周りにスペースができて内臓脂肪がつきやすくなります。

こうした結果、動かないライフスタイルとなり、身体を捻ったりしゃがんだりする機会も減ります。そこでオススメするのが、次のようなオフィスでもできるかんたんエクササイズです。

・回転するイスに座って下半身のひねり運動を繰り返す

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デスクで仕事の合間にできます。机に両手をつき、上半身を固定したまま下半身を左右に回します。30分おきぐらいに30秒〜1分間程度やれば内臓脂肪が燃焼しやすくなりますし、気分転換にもうってつけです。

・ツイストランジ

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立位の姿勢をとり、胸の前で両手を合わせます。次に片足をやや広めに前に踏み出して膝を曲げ、同時に腰から上を大きく捻ります。右足を出した時は右に、左足を出した時は左に捻ります。最初の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。これを10~20回程度やってみましょう。

・かんたんストレッチ

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足を腰幅より少し広めに開いて立ち、両手を上げる。そのまま身体を右真横に倒しましょう。この時左手を太ももの脇まで下げ、さらに深くまで倒して脇腹をしっかり伸ばします。最初の姿勢に戻したら反対側も同様に。15~20往復程度行います。

オフィスではちょっと難しいかもしれませんが、もしご家庭にバランスボールがあるなら、上に仰向けに寝転んでお腹の前を思い切りのばし、そのまま1分間キープしてみてください。3回もやればお腹周りの内臓脂肪は燃焼しやすくなります。

無理のない運動を取り入れて習慣化に挑戦しよう

今まで運動習慣がなかった方でも、ここで紹介したようなエクササイズであれば比較的ハードルは低いと思います。有酸素運動は週2日、オフィスでのエクササイズは気分転換も兼ねて好きな時に行う習慣をつけてみてください。少しずつでもリンゴ型肥満の解消につながるはずですよ。

▼リンゴ型肥満に関する記事はこちら

執筆者プロフィール

■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆中。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。

監修者プロフィール

■河村玲子(かわむら・れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を行う。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍中。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。2018年に『やせ習慣が身につく ラクうま鶏ささみ料理』(タツミムック)を監修。

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