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2020.02.21

世界でバズった「毎日3つ選ぶだけ」幸福術|アンバランスになれば仕事もオフも楽になる

東洋経済オンライン

日々、忙しい人に実践してほしい「ピック・スリー」とは?(写真:Pangaea/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/328695?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

日々、忙しい人に実践してほしい「ピック・スリー」とは?(写真:Pangaea/PIXTA)

仕事でも家庭でもやることが多すぎる。思いどおりに事が運ばず、やれないことに対する罪悪感やストレスを抱える毎日。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンにとって福音となる書籍が刊行された。

フェイスブックの創業メンバーで、現在は3人の子どもを育てながら起業家として活躍するランディ・ザッカーバーグ氏の新刊『ピック・スリー 完璧なアンバランスのすすめ』だ。超多忙な生活を強いられても、自分を見失わず、充実した毎日を送るためのシンプルな方法とはどんなものだろうか。

「やりくりできてません」

私が初めて「ピック・スリー」と口にしたのは、いらいらに耐えかねてのことだった。

ある会議にパネリストとして出席したとき、司会者にこんな質問を投げかけられたのだ。


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「ランディさん、あなたは母親なのに仕事もしていますね。仕事と家庭はどうやり繰りしているのですか?」。この質問、もう100回は聞かれたはずだ。

言うまでもなく、男性のパネリストにそんなことはだれも尋ねない。優れた母親になるためのスキル(効率よく働く、優先順位をつける、長期的な見通しを立てる、忍耐強くある、創造力を使う)は、優れた従業員や起業家になるためのスキルとぴったり一致するから、その古き叡智を自分たち男にも授けてほしいというわけなのだろうか。

こうした質問をされると(つまり、会議に出るたび)、私は奥歯をぎりっとかみしめ、作り笑いをしながら、だれでも思いつきそうな答えを返す。あのとき以外は。

あの会議ではもうそれ以上、くだらない質問に答える力を振り絞れなかった。仕事と家庭の両立について無邪気に尋ねる司会者に対して、私は首を横に振り、「やり繰りできていません」と言った。

「私がなんとかできているのは、毎日3つのタスクをきっちりこなすことくらいです。だから、毎朝こんなふうに自分に問いかけます。『仕事、睡眠、家族、運動、友人。3つ選ぼう(ピック・スリー)』。

翌日に違う3つを選んだり、その翌日にまた別の3つを選んだりすることもあります。でも、その日は3つだけ。そうやってまんべんなく選べば、いずれすべてのバランスを取れます。起業家は仕事以外の時間をなかなか取りにくいものですが、そうしたジレンマも解消できますよ」

するとたちまち、世界中のビジネス系メディアがこの発言を取り上げた。ピック・スリーが「バズった」のだ。

のちに私は、このジレンマが起業家だけのものではないと気づいた。それは、みんなのジレンマだった。職業、住んでいる場所、背負っている責任は違っても、だれもがすべてを手にしようと、少なからぬ犠牲を払い、何かに取り組み、エネルギーを費やしている。

しばらくして私は、それを「起業家のジレンマ」から「ピック・スリー」と言い換えた。この呼び方なら、もっと多くの人に自分の問題だと感じてもらえるし、よりわかりやすくアイデアを伝えられると思ったのだ。

ピック・スリーのルール

私が提唱するピックスリーのルールは簡単だ。まず、自分の人生にとって欠かせない大切なカテゴリーを5つ選ぶ。そして毎日、その中から3つを選び、実践する。それだけだ。

最初に断っておくけれど、あなたは5つぜんぶを選べない。今日だけでなく、どんな日にも。ピック・スリーの達人になりたければ、「選ぶのは3つだけ」と腹をくくろう。

それから、選ばなかった2つについて、1秒たりとも罪悪感ややましさを抱かないこと。明日になれば(もしくは明後日、でなければ来月)、また選ぶチャンスはあるから。選べる日はきっとくる。その日に集中するカテゴリーは、毎日新しく選ぶ。前日と同じ3つを選んでもいいし、気分を変えて別の3つを選んでもいい。どれを選ぶかは、完全にあなたの自由。平日のピック・スリーと週末のピック・スリーが違ったり、夏のピック・スリーと冬のピック・スリーがあったりしてもいい。もちろん、毎日変えてもいい。

どう組み合わせても、ピック・スリーなら、短期的な選択と長期的なバランスの両方で最高の結果を得られる。

と、ここでこんな声が聞こえる。「ランディ、私は5つ選べますよ! 友人と一緒に運動して、通勤中に母に電話すればいいんでしょ。これで運動、友人、家族を選べるから、残りは2つ!」

確かに、ときどきなら選べるだろう。1日か2日、ぜんぶできる日があってもおかしくない。ただし長く続けられるかどうかは別の話だ。

5つをうまくやろうとしたら、行き着く先は、完全な「燃え尽き症候群」だ。すべてを高いレベルでなし遂げるのは並大抵のことではない。仕事、睡眠、家族、運動、友人を、毎日ちょっとかすめる程度ならできなくはない。でも、5つのカテゴリーをぜんぶ、しかもたった1日でやろうとしても、本当に深いレベルでは何も達成できないだろう。

「アンバランス」はよくない言葉だと、私たちは教えられてきた。けれど私は、それこそが成功と幸福につながるキーワードだと思う。ピック・スリーを生活に取り入れて、うまくアンバランスになれば、人生が安定するし、精神的にも楽になれる。

それに、毎日選んだ3つのことだけに集中していると、優先順位のつけ方が上手になるので、結果としてその3つを高いレベルでこなせるようになる。集中せずに何週間もだらだら続けるより、同じことでもずっと上達する。

そうして毎日違う3つを選んでいれば、やがて──なんと、なんと──「バランス」まで手に入ってしまうのだ!

その日にすると決めた3つをぜんぶクリアしたばかりか、その一つひとつを完璧にできたと知って1日を終えられたら、どんなに気分がいいだろう。

ピック・スリーの例

私のピック・スリー日誌から、ある週の例をお見せしよう。カテゴリーの選び方、ピック・スリーの組み立て方の参考になれば幸いだ。

【9月4日 月曜日】「家族」「睡眠」「運動」をピック!

今日はレイバー・デイ(アメリカの祝日)。ということは、私からの返信がなくても、だれも怒らないし、がっかりしないはず。

子どもたちはまだ夏休みで、わが家には夫の両親が滞在中。だから「家族」を選んで、夫や子どもたちと楽しく過ごしたり、親戚を訪ねたりしたい。

「睡眠」を選んだのは、私の優しくて素敵でいつも若々しい義両親が、早起きして子どもたちを見てくれたから(ヤッホー、朝寝坊!)。

それから「運動」を選んだので、あとで(つまり、朝寝坊のあとで)夫と公園をジョギングするつもり。

→結果:ピック・スリーを制覇!

【9月5日 火曜日】「仕事」「友人」「家族」をピック!

朝イチでテレビのモーニングショーに出演。テーマは、新学期におすすめの新しいアプリやガジェットについて。テレビに出られるのはうれしいけど、そのためには明け方起床がマストなので、「睡眠」はどうしても選べない。

親友のエリカがスタジオに来てくれて、出番が終わったあと、コーヒーを飲みながら雑談。

(ここで「友人」の時間)。それから出社し、山積みの仕事を片づける(ここで2度目の「仕事」)。

息子たちが寝る前になんとか帰宅。この秋、小学生になる6歳の息子の準備を手伝い、仕事から帰ってきた夫と、今日あったことを語り合う。

→結果:ピック・スリーは「仕事」に偏りすぎ!

罪悪感やプレッシャーも少なくむしろ達成感を得た

【9月9日 土曜日】「家族」「運動」「仕事」をピック!

ニューヨークは今日もいい天気。そこでお気に入りのライフハックに登場願い、息子たちをキックスケーターに乗せて引っ張りながら、いつもより長いジョギング。ときどき現れる坂道には閉口したけれど、おかげで「運動」と「家族」をダブルで達成するおまけを得られた。

頑張ったごほうびにおいしいブランチを(ニューヨークに跋扈する「ブランチ教」の信者たちに囲まれながら)食べ、この本の締め切りを守るために書斎へ。その後は終日、白々と発光するパソコンの画面を見つめながら過ごす。

→結果:ピック・スリーは惜敗

こんな感じで1週間を過ごしたのだが、さて、ピックしたカテゴリーを集計してみよう。

仕事:5回
睡眠:3回
家族:7回
運動:3回
友人:3回

うれしいことに、この週は「家族」にかなりバランスを割けた。翌週に出張が4日間入っていて、ここを逃すと、次の週末まで家族と過ごせないことがわかっていたのだ。翌週は仕事に大きくアンバランスになるだろうから、帰ってきたら「睡眠」と「友人」と「運動」を多めに優先したいところだ(出張中はその3つが後回しになりがちなので)。

とはいえ、この週は罪悪感もプレッシャーも少ないから、全体としてはいい選択ができているように思う。満足し、達成感を抱き、そして何より幸福を感じながら、1週間を終えられるだろう。

「やる」と決めたことができないとき、私たちは自分を責めたり卑下したりしがちになる。でも、ピック・スリーを信条にすれば、そうした気持ちと無縁でいられる。約束しよう、あなたもきっとそうなれる。

人生を変えるピック・スリー

ピック・スリーを使えば、自分で選んだ「やること」にもっと集中でき、もっとうまく優先順位をつけられ、もっと効率よくそれらを行える。そして週の終わりには、自分の時間と労力をどこに最も使い、最もアンバランスになったかが一目でわかるので、今後どう修正すべきかをすぐに判断できる。

例えば、この先の数日か数週間、あるカテゴリーに著しくアンバランスになるとわかっていれば、生活がめちゃくちゃになったあげくに1日中眠りこけたり、視界がぼやけるまで働いたりする前に、ほかのカテゴリーをあらかじめ選んでおくといい。

うまくアンバランスになるのと、「助けて! もう立ち上がれない!」というアンバランスは違う。後者はできれば避けたい。

何かを諦めたり、自分が不死身でないことを受け入れたりするのはつらいかもしれない。でも、誓って言おう。3つを選び、意識し、優先しだせば、つまり、ぜんぶうまくやろうとするのではなく、うまくアンバランスになることを自分に許せば、必ず今よりも幸せで満たされ、選んだことをはるかに上手にこなせるようになる。

ピック・スリーは、完全に私の人生を変えた。

それがあなたの人生も変えてくれることを、心から楽しみにしている!

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ランディ・ザッカーバーグ:起業家、ザッカーバーグ・メディア創業者兼CEO

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